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「聞いてるの」

「モチロンであります!」


 ココさんにラチられた。

 えーと、ひばりんの誕生日プレゼントを4人(・・)で選ぶことになったからだ。ここ、大事!

 そして、何故か例の雑貨屋に来ています。リンにカードとひまわりヘアピンを買って貰った場所。


「初めてきたけど……趣味が良いのか微妙な場所ね」

「うーん、消耗品とかでも良いかな?」

「構わんだろう。ひばりんは塾にも通っているのだろ。学業に必要な物の詰め合わせなどの方が、母親には受けが良さそうだ。ココ。ひばりんの母親は、そういう物を好むのだろ?」

「そうね。でも、月夜が喜ぶかしら」

「学業関係で不協和音が今、ひばりんの家庭にある以上、その源になっている母親の機嫌を取った方がうまくいく。ココや光原より、家族と過ごす時間の方が長い。そういう気配りを今はしてやれ。それにお前たちは学生だ。相手に気後れさせる物を送るのは好ましくない」


 ーーセラ様が怖い。


 光原さんが教えてくれて知ったが何故か私を引き連れて、ひばりんの好きなブランド品を買いに行く計画をたてていたらしいココさんを今日、光原さんたちの学校で同じクラスに転校してきたセラ様がココさんにその計画を聞き、却下と宣言したらしい。

 私とひばりんが一般家庭の子供なのと、自分が買い与えていないブランド品を貰った側の親の気持ちを考えろと諭したらしいセラ様に私は、本当に尊敬した。

 本音をいえば、『天使と悪魔の楽園』の天使って、救いを求める側をなんにも考えずに救ってくれる存在だと思っていたのに。

 しがらみと繋がっている誰かの気持ちをきちんと考えてくれているセラ様に感動してしまった。

 ただ、それでも私がちょっと、距離を保っているのは許してほしい。

 なんというか、この雑貨屋。前より商品でごった返している気がする。

 さすがに小物類はコーナー分けをしているが、大物は詰め込みがひどい。棚にある物をひとつ引いたら、戻すスペースが無くなりそうだ。

 ココさんのバッグにひまわりヘアピンが在住しているのを見て、とても嬉しい。うん、なんだろ。照れる。


「ココさん、ひまわりヘアピン、つけてくれてるんですね」

「当たり前よ。あたしが約束を破るとでも」


 ふんっと、噛みついてくるけど、照れてるらしい。

 ………あれ?可愛い。なんで、今まで、気づかなかったんだろ?光原さんがココさんを好きなのってこういうところなのかな?

 ちょっと、かわいすぎる色合いのノートや入れ物に微妙なマスコットが描かれているケース。シャーペンや色ペンだって動物が描かれているものを選び。

 学校で扱うにはちょっと恥ずかしいなーって思うモノを一人、五百円くらいと指定しレジでオーバーしていることに気づいたら、皆で反省しながら割り勘で購入するとセラ様が決めた。無難すぎるものは 印象に残らないからね。

 家で使ってねという気持ちで。

 うん、意外と育ちってわかるよねーってことで、ココさんが一番オーバーし、私が一番ケチッてた。

 光原さんとセラ様がきっちりしすぎていて、すごい。


「では、私は約束していた時間になったから帰る」


 店内にある時計を眺めて、しっかり時間内におさめたなって。セラ様、どこの出来る営業マンでしょうか。

 大半、私がセラ様との距離が近づくとビクビクするせいだと思うけど。

 もう少し、時間を置いてからとか考えてくれていた筈だろうと察した。

 ついでに私、殴る専用に悪魔の尻尾がはえた金髪の少年のヌイグルミを真面目に買うべきか思案したがーーどうすべきか。そのヌイグルミは金髪と悪魔の尻尾で藤咲に似てるような気もしたが、ちょっと可愛すぎるなと諦めて、藤咲(殴り専用)の候補は今日は購入しなかった。財布の中身という財政の問題もあるからだが。


 セラ様と別れたら私にメールが着た。

 リンの用事が終わったらしく、どこにいるかというメールで、まだ学校付近だと知らせれば一緒に帰るかという返信が…、それにこまめに返信していたのが、ココさんには不満だったらしく近くのファミレスに連れ込まれた。


「誰から」


 ーー期間限定のケーキを注文され、一口食べたココさんがアーンって。私、負けた。おいしそうだったんだもん。

 ドリンクバーしか注文しなかった私にはそのおいしそうにさらに盛り付けられた存在は目と胃へ毒だった。むしろ、ドリンクバーも贅沢。四人掛けのテーブルでココさんが私の隣で光原さんは真ん前だ。


「リンからです」

「ああ、貴女が好きな人ね」

「リン?ルーは、リンが好きだね」


 光原さんも注文したデザートを私にアーンって。待ってくれ。餌付けか。


「体育祭、何に参加するのかしら。あたしたちの学校と共同でするんだからもう決まっているんでしょ?」

「私のクラスは話し合いもしてませんよ?」

「え?……オレ達のクラスは夏休み終わってすぐにしたよ。随分のんびりだね。10月だよ?」


 光原さんとココさんの疑問はもっともだが、私のクラスは話合っていない。少なくとも、私は知らない。確かにおかしいな。

 実行委員はその前から忙しそうだったけどって。珈琲を飲みながら光原さんが教えてくれる。

 お姉ちゃんが体育祭のことで忙しそうにし始めたのは、夏休み後だよね?んー、おかしいな。……いや、待って。文化祭のこともあるのになんで、そんなにお姉ちゃんに負担がいっているんだ?


「えーと、体育祭に付いて疑問は有りませんか?」

「どんな?」

「負担だとか」


 私から言えば、寝耳に水だった。

 だって、リンが教えてくれなきゃ合同とは知らなかったからだ。しかも、神光高校への媚だとも。しかし、私の危惧をなんでもないことのように笑うココさんと光原さん。


「だって、去年からそういう話が合ったわ」

「別に一般的な生徒にかかる負担は当日だけだよ」


 あれ?そうなのか。そんなものなのか。ああ、じゃあ、リンが私に教えすぎたのか。裏側を(・・・)。なんのために?


「でも、本当にそろそろ出る競技決めないと大変だよ」


 光原さんの指摘に私は頷く。確かにそうだ。でも、本当に私のクラスではそんな話はない。



 リンが迎えに来てココさんたちとは解散。

 ココさんが迎えに来たリンを見て、一瞬驚いて、なんだかもの言いたげにしたが、黙って飲みこんでいた。どうしたんだろう。

 ひばりんへのプレゼントは私が預かって渡すことになった。

 ひばりんはいつの間にか塾が光原さんとココさんとは変わっていて、私が一番会う頻度が高くなった事と無理に会おうとするなというセラ様の助言にココさんが従った結果だ。

 私がひばりんにプレゼントを渡すとき、その日も教室に来て私が持っているプレゼントを見た片倉さんに怪訝な顔をされたが、一緒に選んだものは渡さないことにしたので申し訳なくは思ったがこれは片倉さんへの罪悪感だ。

 プレゼントを渡したら、ひばりんは本当にうれしそうな顔をして、その日の夜のうちにひばりんからメールが届いた。

 ようやく、携帯が復活したらしい。

 セラ様まじ、天使と崇めること忘れなかった。そういえば隣の席の子が私に何か言いたげにしていたが、話しかけると無視される。…タイミングがわるいのかな。



 だからね。殿ーー保険医と担任のうさちゃんに保健室に放課後呼び出されるのは想定外なんですが。殿がはーぁっとため息。


「お前、かよわいふりを覚える気がないのか」


 あ、そういえば、そんな話もありましたね。

 んん?うさちゃんはなんで泣きそうな顔をしているんですか?


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