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3 非常事態発生

 

 

 

 二人組の男に飛びかかられて、問答無用に口を塞がれ、力任せに引きずられ、馬車に押し込まれて。

 未だかつてない非常事態に、半ばパニック状態に陥りかけたリーナを正気づかせたのは、馬車の中で待ち受けていた中年の男の、くるりんと見事なカールを(えが)いた口髭の存在だった。


「さあ、アレを返してもらおうか」


 細面の輪郭からはみ出た焦げ茶色の巻き髭が、口の動きに合わせてゆらゆらと揺れるさまに、リーナは思わず二、三度とまばたきをし、それからふき出しそうになって思わず下を向いた。


「なに、怖がらなくったっていいんだよ、お嬢ちゃん。アレさえ返してくれたら、無事に家に帰してあげるから」


 ゆらゆら、ゆらりん。

 夏の太陽の下で風に揺れるキュウリの蔓を思い出しながら、リーナは必死で笑いをこらえつつ顔を上げる。


「……あ、アレって、何ですか?」


 辛うじてそう答えたリーナに向かって、巻き髭氏はフン、と鼻を鳴らしてみせた。それから、リーナの両脇を固める悪党其の一と其の二に、ちらり、と視線を投げた。

 小型の二輪馬車の座席は狭く、一人で片側の座席にふんぞり返る巻き髭氏に対して、其の一と其の二は半分以上お尻が座席からはみ出した体勢で、窮屈そうにリーナを両側から捕まえている。そんな不安定な姿勢にもかかわらず、巻き髭氏の目配せを受けた其の二は慌ててリーナの鞄を奪い取った。


「な、なにするのよ、ちょっと、これ私の鞄……!」


 抗議の声を上げて身を乗り出そうとしたリーナを、其の一が座席に押さえ込んだ。うひゃあ、としりもちをつくリーナには目もくれずに、其の二が彼女の鞄の中を探り始める。


「あ! ありましたぜ、お頭!」

「あーっ! 私の豆ーっ」


 得意そうに吼える其の二の手には麻の小袋が掴まれていた。それを見たリーナが思わず叫び、傍らの其の一が耳を押さえて床にうずくまる。


「何が豆だ。往生際が悪いぞ」

「って、お頭、本当に豆です」


 その瞬間、ぴくり、と髭が痙攣するように震えた。ほんの一呼吸の間硬直していた巻き髭氏だったが、はっと我に返って其の二の手から麻袋をむしり取る。滑稽なほどに慌てた様子で袋の中に手を突っ込み、そして再び動きを止めた。


「……豆だ」


 信じられないものを見る眼差しで、巻き髭氏は摘み上げた炒り豆を凝視する。

 悪漢達三人の注意が一粒の豆に集中した隙に、リーナは勢い良く身を起こして、其の二から鞄を、巻き髭氏から炒り豆の袋を奪い返した。手早く小袋の口を縛り直してから鞄の中に放り込み、誰にも渡すものか、と身体全体で鞄を抱え込む。


「帰りに食べるのを楽しみにしてるんだからね! おじさん達なんかにはあげないんだから!」

「誰が豆を欲しがるか!」

「取ったのはおじさんじゃん」


 ぐ、と言葉に詰まりながらも、巻き髭氏はトカゲを思わせる瞳に精一杯の威厳を込めて、リーナを睨みつけた。


「宝石をどこへやった」

「何、その、ホーセキって」


 怪訝そうに問い返すリーナに、今度は其の一が詰め寄ってくる。


「スリの小僧から受け取っただろう!」

「知らないよ」

「知らないはずがないだろ! あいつはお前以外の誰とも接触しなかったんだぞ! さあ、答えろ、宝石はどこだ!」


 今度は、リーナが耳を塞ぐ番だった。さっきの仕返しと言わんばかりの、其の一の大声は、狭い馬車の内部をびりびりと震わせる。

 耳元でがなり立てる其の一の剣幕が一段落ついたところで、彼女はそうっと耳から手を離し、そうして大きく溜め息をついた。


「だから、本当に知らないんだってば。ねえ、そんなに大変な物をスられたんだったら、警備隊に行ったほうがいいよ。私も一緒についていってあげるからさ」

「行けるわけがないだろう!」


 血相を変えてそう答える巻き髭氏に、リーナは殊更に軽い調子でひらひらと手を振った。


「やだなぁ、おじさん、警備隊に行けないなんて、お尋ね者じゃあるまいし……」


 冗談めかしてそう言ってから、リーナは微かな違和感を覚えて一同を見渡した。

 向かいの席に座る巻き髭氏が、右隣に腰かけている悪党其の一が、左側に中腰で立つ悪党其の二が、やけに神妙な顔で黙りこくっている。


 ――嫌な予感、が、する。


 しかし(あるじ)の懸念をよそに、リーナの口は見事な勢いで言葉を吐き出し続けた。


「……それに、宝石が盗品だっていうわけじゃあるまいし……?」


 その場に降りた沈黙は、更にその深みを増して、リーナの身体を呑み込んでいく。……そう、まさしく泥沼のように。

 わざとらしい咳払いののち、巻き髭氏は手に持ったステッキで、馬車の天井を三度小突いた。


「おい、スーリャの店へやってくれ。場所を変えて仕切り直しだ」と、ねっとりと粘着質な視線をリーナに絡ませ、「なに、そのうち嫌でも隠し場所を喋りたくなるだろうよ」


 藪をつついて、なんとやら。あまりのことにリーナは大きな目を更に丸くして、そして叫んだ。


「ええええーっ? 正解なわけー!?」


 にやり、と口角を上げる巻き髭氏。その拍子にご自慢の髭が、くるりんと可愛く揺れた。


 


 


 


 馬車はそれからしばらくの間走り続け、ようやく目的地に到達した。

 もちろん、リーナとて大人しく捕まっているつもりはなかった。他に何のとりえもない自分だが、こう見えても癒やしの術だけは自信がある。イの町一番の癒やし手たる自負も充分に、「昏睡」の術で活路を開こうとした。

 いわゆる魔術とは違い、癒やしの術は施術相手に触れる必要があるため、どうしても一度に相手ができる人数が限られてくる。だが、最初に二人を昏倒させることができれば、残るは一対一。相手が武器を持っていたとしても、この狭い馬車内ではあまり役に立たないだろう。

 そう覚悟を決めると、リーナは抱えた鞄の陰で慎重に指を動かし、密かに術の印を(えが)いた。気づかれないよう口の中でボソボソと呪文を詠唱しながら、両手をそっと悪党達に差し伸べる……。


 その瞬間、馬車が大きく跳ね上がった。車輪が小石を噛んだのだろう、(つぶて)が馬車の底面に当たる鈍い音が響く。

 予期せぬ揺れに、リーナの両手が虚しく空を切った。驚きのあまり声を抑えることを忘れ、詠唱の続きが悪党達の耳に入る。


「お頭、こいつ、癒やし手だ!」

「なんだと」

「こいつ、汚い真似を!」


 汚いのはどっちだ、とリーナが文句を口にするよりも早く、彼女の両手は其の二によってねじり上げられてしまった。そのまま後ろ手に手首を拘束され、術を封じられる。


「痛い痛い、痛いって! 暴力反対!」


 そうやって、成すすべもないままに、リーナは馬車から引きずり下ろされ、どこかの裏口から薄暗い建物の中へと連れ込まれてしまったのだった……。


 


 


「ちょっと。何か良からぬことにアタシの店を巻き込まないでおくれよ」


 泣きぼくろがちょっと色っぽい三十代ぐらいの女性が、気だるそうな表情で三人組とリーナとを交互にねめつけた。

 ベッドと机だけが置かれた殺風景な部屋。窓には鎧戸が下ろされているのか、真っ昼間にもかかわらず暗い室内に、ランプの光がやけに頼りなげに揺れている。机に浅く腰をかけた女性の冷ややかな視線に怯むことなく、巻き髭氏は部屋を悠然と横切ってベッドに腰をかけた。


「まあ、そうカリカリするなよ。これから長いお付き合いだろう?」

「まだ、そうと決まったわけじゃないよ」


 ――あれ? この人、この連中の仲間じゃないのかな?


 扉の前、凸凹コンビに両脇を固められて立つリーナは、大きな瞳をぐるりと巡らせた。

 両手を塞がれて術を使えない現在、彼女にできる事と言えば最善の機会を窺うことのみだ。三人がかりで襲いかかられるという事態にでもなれば別だが、そうでない限りは下手に騒げば体力を消耗するばかりである。

 癒やし手という博愛主義に満ち溢れた職業柄、曰くありげな怪我人の治療をすることも、それに付随した騒動に巻き込まれることも、リーナは何度か経験している。我ながらヘンな度胸がついたものだわ、と嘆息しながらも、彼女は油断なく辺りに注意を配り続けた。ほんの一秒だけでも片手が自由になれば、こっちのものだ。そうなったら、ものの数秒で全てのカタはつけられる、と。


 ――あのおかしな巻き髭のおじさんはともかく、右側に立つ背の高い奴はちょっとどんくさそうだし、左側の兄ちゃんは根は人が良さそうな雰囲気をしている。あのお姉さんも立ち位置が微妙そうだし、最初に狙うのは髭のおじさんでいいだろう。いや、それとも、まずは両側の二人を倒すほうがいいかな……?


「『そうと決まったわけじゃない』? なんだよ、まだ使ってなかったのかよ」


 ――やだなあ、このおじさん。なんだかさっきから急に口調がねちっこくなってしまってるよ。


 そう思いつつリーナがちらりと左右を窺うと、其の一も其の二も彼女同様に、げんなりとした表情で自分達のボスを見つめていた。


「馬鹿言うんじゃないよ! いくら薬師(やくし)が問題なかろうって言っても、あんなもの、いきなりあの()達に使えるわけないだろ?」

「わざわざ薬師に調べさせたのか。用心深いこったな」

「当たり前だろ」


 ――何の話をしているんだろう。ってか、私は一体どうなるんで?


 疑問符を頭の周りに飛び交わせながら、リーナは黙って事態の推移を見守り続ける。


「……で、自分が試そう、と。相変わらずイイ女だな、スーリャ。俺が相手してやろうか?」


 ふゆふゆと揺れる髭が、全てを台無しにしているような気がする。気障な男に徹しきれない巻き髭氏を見つめながら、リーナはつらつらと考えていた。人間、中身で勝負って言うけれど、やっぱりある程度の外見は必要だよねえ……、と。


「謹んで遠慮させてもらうよ。今晩にあの人が来るからね」

「ふん。だが、その必要はないぜ。今から、この女で試せばいいんだからな」


 そこで初めて、巻き髭氏はリーナのほうを向いた。その、やけに粘ついた視線に、リーナの背筋に悪寒が走った。


「で、一体何事なのよ。この()が一体どうしたって言うのよ」


 スーリャと呼ばれた女性が、怪訝そうに眉をひそめる。美人はどんな表情をしても美人だなあ、なんて暢気なことを考えている場合ではなくって!

 急に話題の矛先が自分に向けられたことに、リーナの心臓は早鐘のように打ち始めた。


「なに、この女が、俺からくすねたブツのありかを、どうしても言いたくないらしくてな」

「だから、知らないんだってば!」

「……って、言ってるけど?」


 すまし顔のスーリャに、リーナの左腕を掴んでいる其の二が、どういうわけかどこか得意そうに胸を張る。


「姐さんともあろう人が騙されてるんじゃねえよ。この女がどんなにしたたかに俺達の追跡をかわしたか、見せてやりたかったな」


 ――追跡? かわす? なんだそれ。追跡されていることに気がつかずにかわせてしまう追跡って、それ、追跡って言えるわけ?


 当然の疑問ではあるが、流石に口にするのは憚られて、リーナは眉間に皺を寄せるだけにとどめた。


「それに、あんただって、いくら薬師のお墨つきを貰ったにしても、効果の良く解らないものを使うのは、勇気がいるってもンだろう?」

「え、まあ、そりゃあ、ね……」


 得意げな巻き髭氏に、言いよどむスーリャ。リーナの胸中に不吉なものが押し寄せてくる。


「じゃ、決まりだ。あれを一つ持ってきてくれないか?」

「……ここにあるわよ」


 少しだけ躊躇いがちに、スーリャが懐から小箱を取り出した。


「あのー。イマイチ話が見えないんですけど……」


 嫌な予感に耐えきれず、リーナはおずおずと口を開いた。と、巻き髭氏が、酷くもったいぶった調子でスーリャを指し示す。


「この姐さんはな、ここ、『風雪花』の女将なんだよ」

「『風雪花』って?」


 巻き髭氏の手に(いざな)われるがままに、今度はスーリャのほうに問いかけるリーナ。


「妓楼さね」

「ぎろー? って、え? その、あの、妓楼!?」


 リーナの故郷、辺鄙なイの町には、売春宿など存在しない。純朴な田舎娘としては、思わず叫んでしまうのも仕方がないだろう。


「……したたか? なんか、雰囲気違うんだけど?」

「演技だ、スーリャ。騙されちゃいけねえ」


 勝手なことを訳知り顔で述べてから、巻き髭氏がゆっくりとベッドから立ち上がった。


「とにかく! この姐さんは妓楼の女将で、先日、この俺様を頼って、ある悩み事を相談してきたのだ!」

「別に、相談したんじゃなくて、あんたが勝手に愚痴に喰いついてきただけじゃないか」

「とにかく! 曰く、新人のウブな()が、客をとるのを躊躇らっていて、ナンギだと! できれば、無理矢理させるのじゃなく、自然と職業意識を出してくれるようにならないだろうかと!」


 不必要に力の籠もった演説に、リーナの両側から微かな笑いが漏れた。


「そこで! この『貪欲丸』の登場だ!」


 ――何、そのイケてない名前。


 今度は、リーナも失笑を禁じえなかった。だが、そんな聴衆の様子にかけらも気づくことなく、巻き髭氏は芝居がかった態度でスーリャから小箱をむしり取った。


「東の砂漠近くの秘境に生えているという、神秘の植物ルカカラの根を煎じて調合した、究極の媚薬! わざわざ辺境から取り寄せた、貴重な一品! これさえあれば、どんな生娘だろうが、瞬くうちに艶めかしい妖婦に変身すること間違いなし!」


 なるほど。それは確かに、薬師に相談もしたくなるだろう。毒ではないと判ったにしても、こんなにいかがわしいもの、なかなか使用には踏みきれないはずだ。

 そこまで考えて、リーナは、ふと我に返った。我に返った途端に、一気に全身から血の気が引いていく。


「ちょ、ちょっと待って! もしかしてそれを……」


 好色そうな目つきで、巻き髭氏が口の()を吊り上げた。これまで笑いの対象でしかなかった口髭が、急にいやらしいものに感じられてくる。


「拷問ってのはな、痛いモノとは限らないんだよ、お嬢ちゃん。すぐに俺達の言うことをききたくて(たま)らなくなるだろうさ。スーリャも、薬の効果を直に見ることができるわけだし、まさしく一石二鳥だな」

「お頭、あったまいいー」


 物凄く嬉しそうに其の一が合いの手を入れる。ぞわぞわと鳥肌が立つのを覚えて、リーナは無我夢中で大声を上げた。


「冗談じゃないわよ! なんで私がこんな目に遭わなきゃならないわけ!?」

「嫌なら、宝石のありかを白状することだな」

「だーかーらー、知らないって言ってるでしょ、この禿オヤジ!」


 その言葉に、目を丸くして頭を押さえる巻き髭氏。どうやら痛いところを突かれてしまったらしい。

 言っちまった、と思いつつ、気が治まらないリーナは、勢いに任せて暴れ始めた。


「大体、お尋ね者が盗品スられて何をブチ切れているわけ!? 自分がした事を他人にされて怒ってりゃ、全然世話ないじゃん! 子供じゃないんだから、自分の胸に手を当てて良く考えてみたらいいのよ!」

「語るに落ちたな。やっぱりお前がスったんじゃないか!」

「おじさん達がそう言ってたんでしょ! バッカじゃないの!」


 小娘に罵倒されて、巻き髭氏の顔色がみるみる赤みを増してくる。だが、歯軋りののち大きく息をつき、彼はにやり、と卑猥な笑いを浮かべた。助平心が怒りを呑み込んだのに違いない。


「そうやってしらばっくれられるのも、これまでだ。やい、お前ら、娘っこを押さえつけろ!」

「了解!」


 二人組の、これまでにない絶妙のコンビネーションに、リーナの頭は真っ白になった。


 ――こ、こんな事態は完全に想定外だ。どうすればいい? どうやって……


「そ、そこのお姉さん! 助けてー!」

「この状況では、ちょっと無理ねー」


 苦笑とともにスーリャが肩をすくめた。本当に美人は、どんなポーズをとっても美人だ……なんて見とれている場合じゃない。


「ええええ、そんなぁー!」

「ごめんねえ」


 リーナの膝の裏を、其の一だか其の二だかが軽く蹴った。がくっと膝が折れて、リーナはそのまま床の上に正座する形となる。

 先刻までの余裕はどこへやら、リーナの背中を冷や汗が滝のように流れ落ちていく。叫び声を上げようにも、カラカラに乾いた舌は全く動こうとしてくれない。


 ――ああ、どうしよう。媚薬、って、やっぱり、ソノ気にさせる薬なんだよね? 究極の……って、何? 私、こんな奴らの相手をさせられるわけ!?


「さあ、観念するんだな」


 うきうきとダンスのステップを踏むかのような足取りで、巻き髭が目の前に近づいてくる。

 必死で歯を食いしばるリーナの口を、男の指がこじ開ける。


 ――助けて、サン!


 リーナは心の中で絶叫した。


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