こどもバー ~なぞの ゆうかいはんをおえ!~
1
ここは、こどもバー。
ミルクのあじがわかる こどもだけがはいれる、おとなはしらない ひみつのバーです。
かべいちめんには ピカピカにみがきあげられた ほにゅうびんが、ずらり。
「マスター、こっちに きらきらミルクをいっぱい!」
「わたしは、ふわふわミルクね!」
「…かしこまりました」
きょうも たくさんの あかんぼうで、おみせのなかは だいせいきょうです。
2
マスターとくせいのミルクをのみながら、あかんぼうたちが おしゃべりをしていると
「マスター、たいへんだ!」
そこへ、
せいご さんかげつの じょうれんきゃく、ゆうたくんが かいいぬのゴロウのせなかにのって、あわ てたようすで とびこんできました。
3
「さんちょうめ に すむ まるちゃんが、ゆうかいされた!」
「なんだって!」
とつぜんのしらせに、みんなは びっくり!
はなしをきくと
さんじの おひるねの じかんに
なぞの ぶきみな くろいかげが、まるちゃんを さらっていくのを みた、というのです。
4
ミルクをのみかわした なかまのピンチは、みんなのピンチ。
「みんな、まるちゃんを たすけにいくぞ」
「おー!」
あかんぼうぐんだん、ここに けっせい。
さっそく、まるちゃんをさがしに みんなで まちへ くりだしました。
5
ふかふかのおふとん、
パンやさんのショーケース、
こうえんのすべりだい、
ミケのおなかのうえ。
あっちをハイハイ。
こっちをハイハイ。
まちじゅうを ハイハイして さがしますが、どこを みても まるちゃんは みつかりません。
6
みんなが すっかり こまっていると、
「お~い、たすけてくれ~」
どこからか ちいさく まるちゃんのこえが、きこえてきます。
「お~い」
「こっちだ!」
みんなが いそいで、こえのするほうへ むかうと…
7
「たすけて~」
なんと、まるちゃんが
きのうえにある とりの す のなかに
つかまっているではありませんか!
8
「まってろ、いま たすけるぞ!」
みんな、いそいで まるちゃんを たすけようとしますが…
す は きのうえにあり、なかなか て がとどきません。
「みんな、いまこそ あかんぼうのちからをみせるときだ!」
9
『ひっさつ! こうそくハイハイ!』
10
あかんぼうぐんだんは、ハイハイのしせいになると、ぐるっと おおきな わ をつくりました。
そして、そのまま ぐるぐるぐるぐると、すごいはやさでハイハイしはじめたのです!
11
ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる!
ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる!
あかんぼうぐんだんのハイハイは、かぜをまきおこし、やがて おおきな おおきな たつまきとなって まちじゅうに ふきあれます。
「あ~れ~」
「うわ~」
あかんぼうたちのおこした たつまきは、まわりのいえやおばあちゃん、おじいちゃん、おかあさん、おとうさん、あかねちゃん、たいきくん、ミケ、ポチ と まちじゅうの みんなを まきあげました。
そして、ついに とりの す を うかして じめんへ おくことに せいこうしたのです!
12
「やった!」
ぶじに、まるちゃんを たすけだし、
あかんぼうぐんだん だいしょうり!
みんなで わ になって、まるちゃんきゅうしゅつさくせんの しょうりを よろこびます。
「まるちゃん、よかったね!」
「みんな、ありがとう」
やいのやいのの だいかっさい!
みんなでかえろう と、
ひとあんしんした そのとき!
13
どどどどどどどど。
とつぜん、とおくのほうから おおきな じひびきが きこえてきます。
「なんだ、なんだ」
「なんのおと?」
あかんぼうぐんだんが おどろいているあいだに、おとは どんどん おおきくなり…
どどどどどどどど、ど~ん!
「うわ~!」
ひときわ おおきな じひびきとともに、
まちじゅうの あかんぼうが たいぐんとなって、あかんぼうぐんだんへ おしよせてきました!
14
さきほどのハイハイでおこした たつまきで、あかんぼうぐんだんについた マスターとくせいミルクのにおいが まちじゅうに ひろがっていたのです!
その あま~いミルクのにおいに つられて、まちじゅうの あかんぼうが あつまってきたのでした。
「みなさん、まるちゃん きゅうしゅつさくせんの おいわいにミルクをごちそうします!みんなでバーへかえりましょう!」
「わーい!」
そのひ、バーは はいりきらないほどの おきゃくさまであふれ、みんなで まるちゃんきゅうしゅつさくせんの せいこうを おいわいしました。
15
ここは、こどもバー。
ミルクのあじがわかる こどもだけがはいれる、おとなはしらない ひみつのバーです。
きょうも、バーのなかは だいせいきょう。
さいきんは、おいしいミルクをのみに、
まちじゅうの あかんぼうが、あそびにきます。
みんなで、なかよく ミルクをぐびぐび。
きょうも、マスターのしごとがひかります。
おしまい




