手がかりは何処に?
今回は主人公がメインです。他の人は名前しか出てきません。
私がパラレルワールドに来てから二週間が経った。その間私なりに帰り方を調べようとスマホを開いてみると、エステやらマッサージの事しか検索履歴がないし、部屋には小説、もとい、紙の本が何もなく、此方の私はどんな人なんだよとつくづく呆れていた。
卒業アルバム文集とかみると我が儘、自己中心的と書いてありパラレルワールドの自分なのにあまり関わりたくないタイプだなと思った。ネットで調べてもあまりいいものが出てこず、むしろオカルト系ばかりだったので私は今日、海斗に頼み込んで図書館に来ています。ここなら何か見つかるかもしれない!
まずは職員さんに求めてる本がどこにあるか聞かないと。
「すみません、伝承系の本はどの辺りにありますか?」
「伝承系の本でしたら彼方の本棚にありますよ。」
「ありがとうございます。」
私は早速職員さんに教えて貰った伝承系統の本棚に向かった。この本なら昔から伝わってるのが載ってる筈だからもしかしたらパラレルワールドに関する事も載っているかも!
三時間後、伝承系の本を全部見てみたけどパラレルワールドに関する事は少ししか書いてなくてそれもパラレルワールドが存在するという事ばかりで行き来する方法なんて載っていなかった…
「三時間本を読んでこれしか成果がなかったのは悔しいな…」
もう海斗のお父さんが帰ってくるまで待ってるしかないのかな…?
「早く帰りたい…帰らなくちゃ…」
だって…このままここにいたら居心地が良くなってしまう。元の世界が好きという訳じゃないけど、私はここの世界の人間じゃないんだから異物の私は早めにいなくならないといけない…
そういえば、彼方に行ったもう一人の私はどう生活しているんだろうか。話を聞く限り家事とかしたことない感じだし…お互いの為にも早く元通りにならないとね…
「あ…もう帰らないと…」
ふと時計を見ると嵐にこの時間まで帰ってきてくださいねと言われた時間に近づいてる。何故かあの日以降、嵐も一緒に住んでるんだよな…
私は怒られないためにも本を元の位置に戻し帰路についた。
次回は他の人も出せるかと思います。




