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プロローグ

本編に入る前、主人公が小学生の時の思い出です。


私、羽曽部桜は産まれてすぐ命に関わる病気にかかり奇跡的に命は助かったが後遺症として、手の震えがあり体幹が人より弱かった。それでも母も父も私を愛してくれた。


なのに…小学生になってからは母と父は私を

駄目な子、出来損ないと言いながら育てるようになった。


「何でこんな簡単な問題も解けないの!?こんなの暗記すれば簡単なのよ!実際、私はそうやってテストでいい点を取れたんだから桜もそうしなさい!」

「ごめんなさい…もっと勉強して頑張ります…」

「いつもそう言っていい点数取れてないじゃない!あなたは駄目な子なんだから徹夜してまでも勉強しなさい!こんなんじゃ社会でやっていけないわよ!」

「わかりました…」

「何でこんな駄目な子になったのかしら。」


ねぇ…お母さん…桜、本当に頑張ってるんだよ?今回のテストの点数はクラスの皆よりいい点数だって先生にも褒められたんだよ…?小学生になる前は桜は優しくてかわいいお母さんの自慢の子よって抱っこしながら言ってたのに…暖かいお母さんは何処に行ったの…?


「何度教えたら出来るようになるんだ!?お前は逆上がりすら出来ないのか!それに走るのも遅い!本当に出来損ないだな!」

「ごめんなさい…お父さん…」

「全くお前が勝手に病気なんかにかかって助かったと思ったら後遺症が残る体になるなんてな。こんな事が分かっていたら治療費なんか出すんじゃなかった。」


どうして…?赤ちゃんの時にかかった病気はお父さんの風邪が移ってそれでなったすまない。って…小学生になる前に言っててそれから沢山頭を撫でてくれたり遊んでくれていたのに…優しいお父さんは何処に行ったの…?


ねぇ…神様…?桜は悪い子なの…?産まれてきちゃ駄目だったの…?


暑い夏の日、昔お母さんが教えてくれたルリタマアザミのお花が静かに揺れていた。

ルリタマアザミの花言葉は傷つく心。

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