9 尚樹の孤独感 特別って何?
今夜は早乙女さんと根本さんは女子会だ。
昼休みに突然早乙女さんが言い出した。
「今夜、うちにおいでよ。飲み会しよう!
ねっ!いいでしょ。」
強引に誘っている。そんな事は事前に予定を立てておくものだ。お互いの都合をすり合わせて日程を決めてと手順をふむものだ。
その全てを取っ払って、行動している。それが彼女らしいと言えなくもないが。
「いいけど....。着替えとか無いけど。」
「そんなの新しいのいくらでもあるよ。パジヤマだって、だから、ね。はい!お家にメールして。
お母さんの許可もらって!実家暮らしは、大変なんでしょ?信用第一だからね」
そう言って急かした。
「あっ!本郷君は?」
根元さんが突然そう言った。すると早乙女さんは、 すぐに応えた。
「今夜は女子会だよ。男子禁制!
積もる話しがあるんだ。ハハッ!楽しみ!」
僕の事は、はなから眼中に無かったみたい
だ。
突然、孤独感に苛まれた。三人で囲んだテーブルなのに。自分だけが、一人、椅子ごと遠くに離れて行く様な気がした。
特別じゃなかったの?僕は。
彼女に取っての特別じゃなかったの?
僕自身が特別な人間ってことか?
彼女は僕が女装娘だと知っているのか?
普通と違う特別な奴だと言いたかったのか?
疑問符が、機関銃の様に胸を貫いた。
続く