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4 菜美子 尚樹 好子 三人の思い。ラブ・トライアングル

 [ 根本菜美子の場合]


セッセッと漫画を描いている。勿論、愛しい本郷君の絵だ。

 昨日、一目惚れしてしまってから彼の事ばかり考えて何もかもが上の空だ。夢心地とでも言うのか。

 しかし、このままでは、まずいぞ。と自分を発奮させ彼を漫画に落とし込む事で彼の事を想い続ける事と漫画を描く事を両立させようと思い立った。

 しかし彼の事をゲイとして描く事は、はたして、どうなのか!と言う自問自答が頭の中を駆け巡る。

 それに、もっと彼の事を知らなければ軽々しく漫画にする事なんか出来ない。そこに行き着く。

 結局プロットも出来ずに、ただ彼の顔や姿を思い出して描いているだけだ。

 

「そうだ!写真。欲しいな。彼の写真。何とか出来ないかな。いつも、眺めていたいよね~。だよね~。直接、お願いするのは恥ずかしいし...。

 隠し撮り! そうだロングで狙おう。ズームすればいいんじゃない。そうだ!そうしよう。それしかないよ。ああ….。ドキドキする。」


写真を取る機会に恵まれるか、期待と不安が入り交じる。


明日に備えて今夜は、もう寝よう。


自分で描いた絵の彼に「おやすみ」とつぶやいて眠りについた。




[ 本郷尚樹の場合]


 鏡を見ている。ずっと、こーして自分の顔を見つめている。リップを塗ってみる。カワイイ女の子がそこにいる。

 ずっと自分で願ってきた事だ。そう成りたいと思って一生懸命頑張ってきた。

 しかし今更だが、この姿では早乙女さんの前に出る事は出来ない。普段の男子の姿でしか彼女の前に出て行く事は出来ない。

 でも、それは 偽りの姿だ。今や自分にとっての真の姿はカワイイ女の子なのだ。

 

しかし、このままでは、また過去と同じだ。


何も行動せずに全てが終わってしまう。


告白もせずに、失恋なんて嫌だ。


そんな思いだけが空回りする。




[早乙女好子の場合]

 

風呂上がり。大型ミラーで全身をチェックする。

完璧だ。問題ない。

 満足して裸のままベッドで大の字になった。そして天井を見上げ彼女の事を思った。

 彼女しかいない。彼女だけが私を救ってくれる。彼女だけが私の心を癒やしてくれる。

 その確信が私を突き動かす。

強引だとわかっている。でも、そうでもしない限り、彼女は逃げてしまう。追いかけて追いかけて、すがり付いてでも彼女と一緒にいたいのだ。


友達の振りでも構わない。


そんな事はお安い御用だ。


片思いでもいい。


私は根元菜美子を愛している。



          続く


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