24 無理!無理!無理!無理!ムリだよーー!
[本郷 尚樹・ 尚の場合]
微笑ましく見ていたらいきなり矛先が、こちらに向いた。
「尚!何、黙ってジーっと観てるんだよ。
傍聴者になるなよ!アンタが主役なんだよ。」
やっぱり無理難題だった。
「やだよ!無理だよ!やった事ないもん…」
「わかってるよ。アンタが童貞って事くらい。
だから 今、三人でやろうって言ってんじゃん!
これは、誰の為でもあるんだよ。
みんなで、助け合うんだよ。
みんなで渡れば怖くない。大人の階段登ろうよ!」
「無理だ。ムリムリムリ!無理一っ!
それに避妊だってしないといけないのに…
無理でしょ!」
「あるよ!」
「えっ⁉︎ あるの?」
「ホラッ!何の準備も無しにやろう
なんて言わないよ。」
そう言ってテレビの横の箱を掴んで見せた。
「そんな目立つところに置いてたの?」
「ベッドの枕元じゃ、生々しいじゃん。
ウフフフフッ!」
「ウフフじゃないよ!よく買えたね。
恥ずかしくなかったの。凄い勇気だね。」
「そうでしょ!我は勇者なり一っ!…ってね!
ハハハッ!嘘!そんな訳ないよ。
やっぱ、コンビニ行ったけどビビって
買えんかったね。
無理無理!それでネットだよ。
すぐ買えた!ほらぁーっ!尚、付けてみたいだろ。
付けた事ないんだろ。付けようよ~。」
「やだよ!カッコわるいよ。」
「そんな事ないよ。
ストッキングみたいなもんだろ。
いつも履いてるじゃん。
今日は生脚でエロいけど…」
そこでナミちゃんが口をはさんだ。
「どういう感覚してるの?
コンドームとストッキング....ああ..似てるね!」
「あっ!ナミ、今、想像しただろう。
尚のアレにストッキング被せたところ。」
「えっ?コンドームじゃないの?」
「えっ!?あっそうか?でも、
どっちでもいいじゃん 想像なんだから!」
「駄目だよ。漏れちゃうよ!」
「だから、想像って言ってるでしょ!
ねっ!ナミも、その気になってるから
尚やろう!」
「ええーっ⁉︎いつ言った?
そんな事いつ言いましたかぁ?」
「わかった。じゃあ、ナミは、無しだ。
脇で見てろ!」
「脇ってなによ!
なんで仲間はずれみたいな言い方するのよ!」
「こんなに誘ってるのに拒否するからだろ!
三人でやろうって言ってるのに…わからず屋!」
「何ですって!そもそも尚君が、
やりたくないって言ってるのに
何も出来ないでしょう?」
「やりたくないなんて言ってないよ。
無理だって言ってるだけだよ。
初めてで二人も相手に出来るか不安なんだよ。
緊張して勃起どころじゃないんだよ!」
「そうなの?尚君!」
図星だった。
突然訪れたこの状況にビビリまくっていた。
せめて日を改めてにして欲しかった。
心の準備ができていない。
できる気がしなかった。
性教育も受けているしAVビデオも見たことある。
でも肝心なところは、よくわかっていなかった。
実技の経験が無いのだ。
僕は、ひざを抱えてうつむいていた。
続く




