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腐女子と女装娘とプロレズラー  作者: 桂虫夜穴


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21 ヨッシーの衝撃的告白

[ 根本 菜美子・ナミの場合]


 今夜もヨッシーの部屋で飲み会。

今回はヨッシーが食事の用意をしてくれると言うので指定の時間に部屋に向かった。

 もちろん、お風呂は入ってきた。同じ失敗を繰り返してはならない。

 少し早めにマンションに着いた。すると向かい側から尚君がやってきた。思わず手を振った。尚君も手を振っている。二人共、笑顔がこぼれた。

 尚君は今日も女の子仕様だ。ヨッシーの部屋が男子禁制らしいからだが。相変わらずカワイイ!

 私も、今日はスカートだ。メイクもしてみた。尚君に負けてられない。尚君とせめて少しでも吊り合わないと…

 恋愛対象か、どうかは、抜きにしても、俯瞰してみても、ヨッシーと尚君の美女コンビに私は埋もれてしまっている。

 少しでも肩を並べる努力は、しなければ。そう思ったのだ。

 エレベーターに乗り込んだ。鏡に二人の姿が映っている。


「似てるね。ハハハッ!」


「凄いね。ソックリだね。」


もう不思議な程、緊張しなかった。

二人きりなのに…

それも心地よかった。穏やかな空気感があった。


"ピンポーン!"


「いいよー!入ってー!準備できてるから…」


リビングに向かった。


「凄い!ヨッシー料理もできるんだね!」


「本当!美味しそう!


テーブル一杯に料理が並んでいる。ローストビーフにフライドチキン。パスタにサラダ。etc


「さあ座って、まず乾杯しよう!」


それぞれ好きなドリンクをグラスに注いだ


「カンパーイ!」


ヨッシーはコーラを一気に飲み干した。

私は、その飲みっぷりに感心した。


「ヨッシー!美味しそうだね!ヨシ!ヨシ!

この間は大変だったもんね!それでいいんだよ。

そもそも私達、未成年だからね!

やっぱりお酒はダメだよ!」


するとヨッシーの顔色が急に変わった。様子が変だ。大きな体も何だか縮こまって見える。


「あっ、あのぉ…

実は…私、二十歳なんだ。二浪してるんだよね。

ごめん! 話してなくて…

引かれたら嫌だなぁって思って

何となく…言えなかったんだよね。」


「何だ、そうなんだ。

でも、そんなの気にしなくていいんじゃない。

大学で浪人なんて普通でしょ!

そんなの長い人生の中じゃ

大したブランクじゃないでしょ!

でも、せっかくだから

これからはヨッシー姉さんって呼ぶね!」


「ナミィー!

 だぁから、それが嫌だっていってるでしょ!

 ねっ!今まで通りで…お願いしまーす。」


「ハイ、ハイ!わかりました。」


「本当、ナミ!ありがとう!

 ああ、スッキリした。これで、一つ片付いたよ!」


「ええっ!まだ、あるの、何か怖いよ…

 あっ!尚君も了解だよね?」


「もちろんですけど

私は、ただの不良がお酒飲んでるのかと思ってた。」


「尚!また、そこにもどるの?

 しかし、ただの不良じゃお酒は買えんよ!

 年齢確認もあるし

 ノンアルコールだって買えないんだから…」


「えっ!そうなの?」


「ノンアルって

 まさにアルコールは入って無いんでしょ!

 それでもダメなの?」


「そこが、入り口になりかねんと

 懸念されてるんだ。

 ノンアルで味をしめて

 本アルに移行ってパターンを想定しての配慮だよ」


「そうだね!あんな風になるんだもんね。

自分自身が分からなくなるんだもの本当に怖いよ。

でも、ヨッシー!飲みたかったら飲んでいいよ。

ちゃんと大人としての自覚と責任の上だったら…

ただ、また間違えたらいけないから

向こうのキッチンで一人で、やってよね!」


「クーッ!キツいね。ナミ!そんなのさみしいよ。

今夜はコーラにしとくよ。」


「そう…よろしい!じゃ、もう一回、乾杯しょう!」


「ハイ!乾杯ー!」


「カンパーイ!」


「かんぱーい!」


「クーウ!うめぇ!お腹すいたろ。

 食べよう、食べよう!

 じゃあ、いっただきまーす!」


 なごやかな関係が、戻っていた。ヨッシーは気分がいいらしい。コーラをガブ飲みしてチキンをにかぶりついている。そして調子に乗って余計な事を言い出した。


「今日は三人でお風呂に入ろうよぉ!

 ズルいよ私だけ、のけものにして〜」


「ハハハツ。ヨッシー調子乗り過ぎだよ。

 今日は色々話すんでしょ!」


「ああっ!そうだった。じゃあ、後で、入るぅ〜」


「もう、そっから一端、離れようよ!」


「そっか!わかった!じゃ、私から話すね。

何から話すかなぁ...

まあ、年代順が、わかりやすいか。

ウチは、両親が離婚してるじゃない。

小学校五年生くらいかな母親が再婚して

新しいお父さんが出来たんだよ。

凄くいい人でね。

真面目で仕事も頑張ってくれるし

稼ぎもちゃんとして、申し分ないんだよ。

お母さんにも私にも優しくしてくれて…

私も、なついてたんだけどね。

 

でもね。魔が刺したんだろうね。

ある日、義父が私に手を出したんだよ。

私、その頃、身体が大きくてね。

太ってたし胸も成長が早くて

もうブラジャーもしてたんだ。

先生が親に、そろそろ付けさせてくださいって

連絡帳に書いたりしたくらいだから。

 

同じ屋根の下で、堪らんかったんだろうね。

母親が買い物だったかな

ちょっと留守にした間に

抱き締められてキスされたんだ。

それから、少しずつエスカレートしていくんだよ。

少しずつ、少しずつ…

私に起きてる行為を慣れさせようとしてたのかな?

それにやっぱり子供だったから

大人の力には、かなわなくてさ.…

 

結局、母には言えなかった。

だって、本当に、いい人なんだよ。

それだけなんだよダメなのは...

優しくて仕事も頑張って経済的にも安定してた。

離婚して何年かは、生活も苦しかったんだよ。

やっとお母さん、幸せつかんだんだ。

 

私が黙ってたら、この生活は、壊れない。

幼心にそう思ったんだね。

でも、やっぱり耐えられなかった。

何とか抜けだせないかなって、いつも思ってた。

それに、お母さんに見つかったら、

きっとお母さんは絶望してしまう。

何とか終わらせないとって、そう思った。

 

それで、始めたんだ。

中学に入学したその日に空手部に入部。

後に柔道部にも入部した。もう本当に打ち込んだよ。

おかげで養父に組み敷かれる事は

次期になくなった。

身体もドンドン閉まってきて

ダイエットにもなって一石二鳥だったよ。

ハハハッ!ウン?アレ!!ナミ泣いてんの?」


「バカ!バカ!ヨッシー、バカだよ!

何がイイ人だよ。

アンタに手を出した時点で

いい人も悪い人もないよ。犯罪者だよ!

そんな事、我慢しなくて良かったんだよ。

お母さんも不幸だよ。何にも知らなくて。

お母さんはヨッシーの幸せを

一番に考えてるに決まってるでしょ。

バカだよ。バカ!ねぇ、そうでしよ!

尚君も、そう思うでしょ?」


 腹立たしかった。ヨッシーの養父への思いが爆発した。尚君に同意を求めたが何故か彼は、天井を見上げている。

 いや、そうじゃなかった。涙が滝の様に流れている。頬から首をつたって止め度もなく流れている。

 膝の上で握り締めた拳が震えて、それが全身に広がった。その途端、雄叫びが上がった。


「うお一ーっ!」


そこにはオスの姿しかなかった。


「何で?何で?ヨッシーが、そんな目に?

 そんな思いしなきゃいけなかったんだ?

 許さない。許さない。絶対許さない!」


 養父にその言葉が向けられている事は間違いなかった。しかし今は何も手出しは出来ない。今後も無理だろうが....

 しかしその怒りの熱量は圧倒されるものがあった。


「二人共ありがとう。うれしいよ。

それだけで満足だよ。今は、もう大丈夫!

でもやっぱり、ずっと居心地が悪くてね。

大学の選択も

美大なんか駄目だって反対されて大げんか…

全部自分で何とかするって言って家を飛び出して

一人暮らしを始めたんだ」


私と尚君が逆上して興奮しているのに対してヨッシーは淡々と語った。


「それで、ここからが大事な話なんだよ…


「ここからって

 今までの話は大した事ないとでも言いたいの?

 これ程の衝撃を与えといて!」


「ナミ、まぁ、聞いてよ。

 私……大学辞めようと思うんだ…」


「えっ?」


「はあ?」


私も尚君もポカーンとしていた。


「どう言う事?訳わかんないんだけど!」


「だ、か、ら、大学辞めるつもりなんだ。」


「辞めてどうするのよ⁉︎」


「まあまあ落ち着いて…

 私のバイトの事、詳しく話してなかったよね…」


ヨッシーは氷の入ったグラスをカラカラと振ると

一気に飲み干して、また話し始めた。



続く

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