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星辿り  作者: 海乃海
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第5話-神秘の力と初任務-

〈人物紹介〉

・アリオン(Arion)

肌に淡く光る紋様を持つ男。ダークトーンのローブを身にまとい手には杖を持つ。


・アマラとヴァレリオス(Amara&Valerios)

アリオンに拾われた16歳の双子。2人とも素人とは思えない高い戦闘能力と判断力があるがまだまだ半人前。


・レイナード (Reynard)

過去にアリオンと共に旅をした友であり星々の情報に詳しい。


・グリムと〈鋼鉄〉チーム

ゴールドランクエージェントチーム〈鋼鉄〉のリーダーでありミスリルランクエージェントのグリムとそのチームメンバーのゴールドランクのオスク達、全員がドワーフ。


・ステラリアン社のエージェント部門受付嬢のエリナ

うさ耳を持つ獣人であり戦闘力はない。


・ステラリアン社

星渡りを行う企業。エージェント部門も作っており人々に任務を斡旋している。

星暦220年-ステラリアン社支部・エージェント部門-


「こ…これは前代未聞じゃないですか?」


「あぁ…儂も長いこと生きてきたがこんなことは初めてじゃ…」


「えっと、結果を教えて貰えますか?」


グリムも受付嬢もどちらも動けないほど固まってしまったが、グリムがようやく固まっていた口を開いた。


「アリオン殿…今までなぜお主のような者が表に出てきていないのじゃ?これだけの実力がありながらどこで何をしておった…」

「オリハルコンクラス以上の実力があると石版が示しておるし、何よりお主には星の神秘が宿っておるのじゃろう?」


ゴールドランクチームのリーダーであるグリムがここまで言うアリオンと星の神秘という言葉でアマラもヴァレリオスも疑問を持った。


「私は15年前この子達を拾い田舎の星で過ごしてきました。これまでこの子達を守り、育てました」

「その前は旅をしていましたね。エージェントでは無かったですが多くの星を巡りました」


ポツリポツリとアリオンは双子の知らない過去をグリムに説明していった。


「お主の顔にあるその淡く光る紋様は星の神秘を宿すものの特徴ということか…」


アリオンは静かに頷く。それなのにグリムは戦場にでもいるかのような緊張感に包まれている。


「ねぇ、エリナさん」

「グリムさんの言ってる星の神秘ってなに?」


アマラは疑問が多すぎると感じ1番の疑問を受付嬢に問いかけた。アマラもヴァレリオスも2人とも知らないことが多すぎるので置いていかれないように必死であった。


「星の神秘っていうのは、ほんとにごく稀に人に宿る星の力の事でその力を持つ者は破格の力を持っているの。それが戦闘用の力かどうかは人によるのだけど、エージェントでもその力を持つ者は1人だけよ」


説明している受付嬢にもとてつもない程の緊張が見て取れる。そして先程までピンと立っていた耳も今では弱々しく倒れている。自分たちの知るアリオンでは無いかのように辺りは緊迫してしまっている。


「皆さんそんなに警戒しないでください。私の力は人の命を奪うためのものでは無く、人を守るための力なのですから」


「分かっておるんじゃが分からないものに恐怖するのは生物として当然の反応。どうか許してくれんか?」


とてつもなく警戒していたグリムがそう言いながら再び握手を求めて来ているのを見てアリオンは微笑み優しく握り返した。それで安堵するように大きく息を吐いた。


「それではアリオンさん。登録を致しますのでまた翌日ここに来て下さいますか?アマラちゃんとヴォレリオス君の分も登録してしまいますが皆さんはチーム登録もなさいますか?」


先程までの緊張もかなり解れたようで、また耳が立ち上がっているのを見てアリオンも安心した。


「それでお願いします。では明日また来ますね」


軽く頭を下げてから扉を出た。その後、扉の外にも響き渡るような歓声のような叫びのような中の声が聞こえてきていた。


­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­--­­-

翌日-ステラリアン社支部・エージェント部門-


「3人ともいらっしゃい!待っていましたよ!」


元気な声が聞こえてくる。昨日よりも機嫌が良さそうな受付嬢の姿があった。そしてその横に昨日は見なかった、スーツを身にまとった黒髪の女性の姿がある。髪をキッチリと後ろで結びメガネをかけているがそれの向こうには鋭い目がこちらに向けられている。


「初めまして、私はステラリアン社エージェント部門・部門長のリリアナと申します。昨日登録にお越しの際はご挨拶が遅れてすみません」


「初めまして、アリオンと申します。後ろの2人はアマラとヴァレリオスです」


アリオンが頭を下げるとそれに釣られて2人も頭を下げる。


「今回の登録はかなり異例でしたので私が対処致します。エリナは少しの間人払いをお願い」


「分かりました!では3人ともこれからよろしくね!」


エリナが人払いをしてくれたおかげで視線を感じなくなった頃、リリアナが切り出した。


「今回かなり異例でしたが登録は済んでおります。しかし皆様の実力のレベルが高いとはいえ、まだなんの実績もないのにいきなりランクをあげることは出来ません」

「なので今回皆様の実力を確かめるために少し危険な任務を受けて頂きたいのです。本来であればゴールドランクチームに依頼するところでしたが今回の件を無事終えられましたら皆様のランクをミスリルに設定したいと思います」


「え!?いきなりミスリル!?」


アマラが驚くのも無理はない。昨日の受付嬢の説明ではかなりの任務を達成しなければランクは上がらないというのが常なのだからこの展開は異常である。


「その通りです。しかしそんな待遇を受けるにはそれ相応の実力を示して頂きたい」


「そこまでの難易度の任務なのですね?」


リリアナは頷くとホログラムを起動した。そこに映るのはかなりの内容だった。


「今映しましたのは任務で向かってもらう星になります。名はレリックスター、はるか昔に滅びた星で今は危険な猛獣に占拠されています」

「この星からある遺物を探して欲しいというのが任務になります」


初任務にはかなり荷が重く、そして命の危険が伴うほどの任務だった。これはリリアナからの試練なのか、それとも挑戦状だったのか。あの無表情で冷たい目線からは読み取ることは出来なかったがこの任務でアマラとヴォレリオスはかなり成長することになるだろう。


今回から前書きで紹介、後書きで予告をしようと思います。

後書きの方は予告にするかコメントにするかは気分で変えると思うのでご了承ください。

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