第3話-高度文明とステラリアン社-
今回は少し多めに書いてみました。
執筆出来る時間が限られてるので1日1本とは行かないですが良かったら見て行ってください。
星暦220年ーシルバーヘイブン星一
窓の隙間から覗いてくる朝日が2人の綺麗な金髪を照らし部屋をほんのり明るくしていた。先に目が覚めたアマラが体を起こし支度をしていると扉が開きアリオンが入ってきた。
「おはようアマラ。今日はまた忙しい1日になるだろうから気を引き締めていこう。それに引き換えヴァレリオスはまだ寝ているのか…」
「おはようアリオン!今日はまた星渡りをするんでしょう?」
「今回は酔わないといいな…」
アリオンとアマラとの会話を聞いてようやく目覚めたヴァレリオスが慌てて飛び起きて用意をし始めたのを見てアリオンは呆れたように部屋を後にした。
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早朝の慌ただしさが嘘のように静かになったアマラとヴァレリオスは前回の星渡りでの経験で次の星に向かうことを恐れている。そんな2人を見ていたレイナードはアリオンに疑いの目を向ける。
「おいおい、なんでこんなに2人とも怯えてんだよ…」
「昨日初めての星渡りで倒れてしまったからね。また酔わないか不安なんだろう」
「そういうことかぁ。まぁ!何とかなるだろ!」
そういって見送ってくれるレイナードに心の内で文句を言う2人だったがすぐに星渡りのゲートの前に到着していた。前回の星渡りの際に使った古びた同とは全く違うハイテクとしか表現出来ないようなゲートを見て少し安堵したがそれとは別の不安も感じている。ハイテクだからこそ自然の中で育った2人には馴染みのないものとして映ってしまう。
【これよりテクノポリス星行きの星渡りを開始します】
【ご利用の方は光の当たる範囲に移動してください】
無機質な声が辺りに響いて、周りにいた多くの人たちが光が照らす範囲内に入ってきた。かなり混雑している様子で周囲を見渡すとスーツのような服装の人、灰や燃え跡などがある作業着のような服を着ている人もいた。さすが高度文明のベッドタウンだと2人とも賞賛しつつ目を閉じた。
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-テクノポリス星-
目を開けると最初に視界に入るのは光り輝く高層ビル群が林立し、煌めく広場や道が人々の活気にあふれている光景だった。2人とも声を出さないでいたが驚きと興奮が傍から見ても感じ取れていた。
「今回は2人とも大丈夫みたいだね」
アリオンからの声が2人に届く事はなくそれぞれが新しい星の光景に圧倒されていた。
「ヴァレリオス…すごい星だね…」
「ほんとだなアマラ…」
「アマラ!ヴァレリオス!まだまだ驚く場所が多いからとりあえず最初にステラリアン社に行って登録しようか!」
「この都市の中心部分にある1番大きくて光り輝いている建物がステラリアン社だ。この星も星渡りとステラリアン社のおかげでここまで発展したと言っても過言では無いとレイナードが言っていた」
アリオンの指が示すビルを見てまた2人は言葉を失った。その星で1番デカいと言っていたがそんなどころでは無い。天まで伸びるかのような高さと周りの高層ビルが全てこのビルのための脇役なのでは無いかと思わせるほどの圧倒的差があった。
「あんなのどうやって建てたんだ!?」
「周りの建物と倍以上差があるみたいね…」
「そんなに珍しいかい!あんたらここら辺てら見ない顔じゃな?」
2人が盛り上がっていると小柄だががっしりとした体の男が話しかけてきた。顔には長く太い髭を生やし、手には本人の身長よりも大きなハンマーが握られていた。
「田舎モンは金を取られたりするから用心するんじゃよ?見たところ観光って感じではないようじゃが…?」
「ステラリアン社に登録しに行くところなんだ」
「私はアリオン。こっちの2人は双子でアマラとヴァレリオスだ。貴方は?」
アリオンが手を伸ばすと少し驚いた顔をしたが筋肉質で太い手でがっしりとアリオンの手を握りしめた。
「儂はグリムというドワーフじゃ。初対面でなんの偏見もなく接してもらえるとは嬉しい限りじゃが、ほんとに田舎モンのようじゃな!」
嬉しそうに笑いながらアリオンの背中をバシバシと叩いているとその後ろからグリムと同じ背丈のドワーフが数人近付いてきた。
「どうしたんだグリム爺!また絡んでんのかぁ?」
「うるせぇぞ!この人は俺に偏見なく握手までしてくれたんじゃ!お主たちも早くこっちに来るんじゃ!」
「改めて紹介させてもらおうかのぉ。儂たちはエージェントチーム〈鋼鉄〉って名で活動してる者じゃ。一応ここら辺りでは名の知れたチームなんじゃがな?」
「エージェントチーム?」
「お嬢ちゃんエージェントを知らんのか?」
「ごめんなさい…」
「謝らんでもいいが、これからステラリアンに行って登録するんじゃろ?」
「自分が何になろうとしとるのかは知っとって損は無いと思うが…」
「確かにそうだな!じゃあ説明は俺がしようか」
「初めまして御三方!俺はグリム爺の弟子のオスクってんだ!」
「「よろしくお願いします!」」
「おうよ!まず、ステラリアン社に登録に行くってのはエージェントになるってことだ。そしてそのエージェントにはクラスとランクが分けられているんだ」
「クラスは自分が出来ることで決まる職業みたいなもんだな、そしてランクは自分やチームがどの程度貢献してるかによって決まるやつだ!」
「儂ら〈鋼鉄〉チームのクラスはエンジニアがほとんどで儂だけマイスターのクラスとアタッカーのクラスを兼ねておる。ランクは上から3番目でゴールドランクじゃな」
「この星では儂らともう1つのチームのみがゴールドランクでここを拠点として活動しとるのじゃ」
話を聞く限りではこの星にいるのはエンジニアやそれを束ねるマイスターがほとんどだそうで物作りの星と言われているのが納得出来る人達が多く所属しているらしい。
「今から支部に行くんじゃろ?儂らも報告に戻るから一緒に行くかのぉ」
「そうですね。この星で有名なチームに案内してもらえるとはありがたい」
アリオンはそう言って歩き始めたので2人も後を追う。2人ともが別々のものに興味を抱いていたが先を行くアリオンとグリム一行に追いつこうと駆け出していった。
会話を気持ち多めに書いてみましたが読みにくかったでしょうか?
もし御意見・御要望がありましたらコメントよろしくお願いします。