第1話-旅立ち-
第0話と第1話はどちらもかなり短くなってしまって申し訳ありませんが、まだまだ新参者なので何卒ご了承ください。
2日後-------------------------------------------------
鏡の前で金色に輝く前髪を気にするアマラに向かってヴァレリオスが呼びかける。
「何分やってるんだよ、早く行かないとアリオンに怒られるぞ?」
「ほんと?でも仕方ないじゃない!」
「今日が初めて私達がこの星から出る日でしょ?」
そう言うとウキウキしながらまた鏡に向き直り髪の毛を整えようとしているアマラに呆れた表情を見せるが小屋の外からの物音ですぐに気持ちを入れ替える。アマラ程では無いがヴァレリオスもこの日を心待ちにし、前日眠れなかったのだろうと分かるほど目の下のクマが出来ていた。
「2人とも準備は出来たかい?」
数分後にアリオンが呼びに来るまでアマラもヴァレリオスも時を忘れて準備を急いでいた。ここでアリオンが声をかけたことで2人とも手を止めて動き出した。
これから始まる新たな冒険に2人が初めて森に入った時と同じく不安に駆られながらも前に進もうとする足を止められなかった。しかしそこでアリオンに呼び止められる。
「2人ともこれから行くのは昔、私と共に少しの間だけ旅をした友がいる星だ。先に言っておくがこれから先は自分の身は出来るだけ自分で守る力が必要だよ。私が危ない時は助けるがずっと助けてもらえると思わないことを心に留めておいてくれ」
このアリオンの言葉で2人は心を落ち着かせた。
3人は1時間ほど歩いた後、草に侵食され古びた祠のような場所にたどり着いた。古びて草に埋まっているとは思えないような存在感がその祠から放たれている。まるで今すぐにでも襲いかかってくる獣のような圧力があった。
「こ...こんなの見たことがない...」
声を震わせながら絞り出したヴァレリオスと声も出せなくなっているアマラを見ながらアリオンはその祠の中央に近づいて行った。その場所にアリオンが近づくと中央から淡い光が漏れてきた。
「これなら3人でも使えそうだ。それじゃあ今から星渡りを行う」
「しっかりこの祠の光が当たる範囲に入っていないと置いていかれるから気をつけること」
「アリオン!この星からは星渡りが出来ないんじゃなかったの?」
「そうだぜ!しかも星渡りにこんな祠は使わないってバンドからの知識もあるぞ?」
この問いにアリオンは答えず2人に笑いかけた。その姿に2人とも納得し、光の当たる範囲に近づいて行った。
「さっきの疑問にはまたいつか答えよう。とりあえず今は私を信じてくれ」
アマラとヴァレリオスは不安を感じながらも出発する覚悟を決めた。
この2話は一旦考えが纏まったのでざっと描きましたがこれから先の予定はどの程度の頻度になるか未定です。