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星辿り  作者: 海乃海
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第0話-プロローグ-

初投稿なので見にくい部分もあると思いますがよろしくお願い致します。


 星暦205年 とある緑と海の星



「..........なんでこんなところに...?」


 木々に囲まれ光が淡く照らす先には、ダークトーンのローブを身にまとい、肌には微かな光を放つ紋様を宿した男がいた。

 そしてその男の前には男女の赤子が籠に入れられ静かに眠っている。


「これは私の使命なのか....?」


 抱き上げようとした瞬間。

 周囲の木々の影からいきなり動物が襲いかかって来た。


 しかし男の周りが暖かな光に包まれると興奮状態だった動物達が眠りに落ちる。


「君たちに危害は加えないよ」


 その光に照らされた赤子達の顔が穏やかに笑顔になっていく。


「ここは危ないね...早く移動しようか」


 男が籠を抱き抱えゆっくりと慎重に歩みを進めるとゆっくりと光が消えていき男の姿も掻き消えた。


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 星暦220年-セレスタリア星―


「アマラ!!まだか!!」


 均整の取れた体格を持つ少年が大声で叫ぶ。

その周囲には数匹の肉食獣が囲んでいる。そして後ろに背中合わせで弓を構えている金髪で青く輝く瞳を持つ少女が少年に言い返す。


「前を向いて!!こっちは大丈夫だから!!」


 少年がアマラに目線を外した瞬間、肉食獣の1頭が走り出した。少年を切り裂かんと剥き出した爪と牙だったが、少年に当たる前に硬い何かがぶつかった。


「釣られた――まずは1匹だな…」


 少年の左手の木製の盾が爪と牙を防ぐがその隙に走り出したもう1頭が少年の死角から襲い掛かる。


「ヴァン!右に避けて!」


 アマラの掛け声に合わせて右に体を切るが、左手の力が弱まり盾が弾かれた。しかしそれを見越していたかのように右手の剣で獣の横腹を突き刺した。その様子を見て襲い掛かろうとしていたもう1頭も動きを止めて引き下がったがまだ囲まれている状況には変わりない。


「助かったよアマラ――やっぱりこの状況は厳しいな…」


「そうね…もう矢が少ないわ…」


 1頭は倒れたがまだ後5頭以上が周りにいる状況だ。2人ともどう逃げるのかの話をしようとした時、周りを囲んでいた獣たちが一斉に逃げ出して行った。


「なんだ!?なんでいきなり―――」


「もう大丈夫みたいね!良かった!」


 ヴァン(ヴァレリオス)は疑問に思ったが少女から呼ばれ振り返るとダークトーンのローブを身にまとった男が歩いて来た。


「2人ともケガは無いかい?」


「俺は大丈夫なんだが…アマラが少し足を痛めたみたいなんだよ」


「アマラ本当かい?」


「全然大丈夫よ!これくらいで動けなくなんてならないわ!」


 そう言うとピョンピョンと跳ねて見せたがその男はすぐに違和感に気付いた。


「ふくらはぎの当たりが腫れてるね…」

「無理は禁物だ、帰ったら安静にして休んでるんだよ」


「はーい…」


 3人は談笑しながら森を後にして開けた場所にある小さな小屋に向かった。この小屋があるすぐ横に湖があり小屋から伸びる橋には椅子と釣竿が放置されていた。


「ご飯が冷めてしまうから早く食べようか」


3人が同じ食卓につくのはこの小屋ではいつもの光景であるが、今回は普段と違うところがあった。


「アリオン――これはなに?」


アマラが指さした先には特殊な見た目をした杖と腕につけるバンドのようなものがあった。


「この杖は私のものだが、このバンドは君たち2人に渡すものだ」

「アマラにはこっちを、ヴァレリオスにはこっちだね」

「これの名前はステラバンドって言って、星渡りをする際に必要になるんだ」


それぞれに手渡されたバンドを腕に着けてみると刺されるような軽い痛みがあったがそんなことを気にするより前にバンドが光り出す。そしてバンドから知識を注入されるように脳に流れてきた。


「なにこれぇ!!」「なんだこりゃ!!」


2人ともが驚きながら声を出していた。このバンドからの知識によると星と星を渡る(星渡り)にはこのバンドを使うこと、この星には星渡りをするためのゲートが無いことが理解出来た。


「え、でもこの星からじゃ他の星に行けないの?」


アマラの疑問は分かるのだがアリオンのいつも通りの余裕な様子を見てヴァレリオスは何かを察したようにアマラを制止した。


「なんの理由もなくアリオンがこんなもの渡さないだろうから何とかなるんじゃないのか?」


アリオンは優しく頷き2人に向かって言った。


「ヴァレリオスの言う通りだよ。何とかなるから信じてくれ」

「それと明日は忙しくなるから早く食べて早く寝るんだよ。なんたって明後日にはこの星を出発するからね」


「「明後日!?」」


驚いている2人を横目にアリオンはいつもの余裕な表情の奥に少しだけの不安を隠していた。

どんな感じで進んでいくかはまだ決め切れていないので優しい目で見守ってください。

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