第89話 ラスボス登場(お料理企画ですよ)
マネちゃんが作った”レモンの皮を被ったキムチのようなリンゴみたいな味”の生姜焼きを食べて何とも言えない表情を浮かべた後、とうとうお待ちかねのラムネが作った生姜焼きを口に運ぶゆい。
<ラムネ>『ど、どうかな?』
少しだけ緊張したような顔で感想を待つ。
<ゆ い>『ふ、ふぇえええ』
ラムネが作ったものを食べたゆいは表情を崩して腑抜けた声をだした。
<ラムネ>『美味しくなかった!?もう食べなくていいからね』
<ゆ い>『そんなことない!』
もうこれ以上マズい物を食べさせまいとラムネは皿を下げようとするが、ゆいにそれを阻まれる。
<ゆ い>『ちがうの...おいしいの!とってもおいしいの!』
【コメント】
:さっきとの落差か?
:泣いててもかわいい
:食べたい
<ゆ い>『なんて言うのかな?クロ先輩とシロ先輩のもとっても美味しかったんだけどね?ラムネ先輩のはなんかちがうの、うーん』
<ク ロ>『そんな僕たちに気を使わなくてもいいんだよ?ゆいをここまで言わせるのは食べてみたいな...一口いいかい?』
ラムネに確認したあとクロもその生姜焼きを食べてみる。
<ク ロ>『これは....』
少しだけ目を大きくしたクロの様子を見てラムネの不安は強くなった。
<ラムネ>『そ、そんなに美味しくなかったんですか!?』
<ク ロ>『いや、そうじゃないんだ...母の味というやつなのかな?昔食べたものに近いものを感じるよ』
:そっかゆいちゃん一人暮らしだから...
:いくら料理ができてもお母さんの味ってのはまた違うからね
:なんか泣けてきた
:明日あたりに帰ろうかな
クロの後に続くように皆がその生姜焼きを食べてほっこりしているその時。
ヤツがきた。
<アイン>『みんなおまたせ~』
:きやがった...
:勝てるわけがない....
:悪夢だ...
:この世の終わりのようなコメ欄ww
コメント欄が終焉を待つ人々の様になっていることを知らず、アインは満面の笑みで皿をゆいの前に置く。
<しゃちょー>『なんだこれは...』
その皿に盛りつけらていたのは明らかに生姜焼きではないナニカだ。
色自体は普通だ。まあ、所々に白や赤などと言った様々な色の斑点があることをのぞけば普通だ。
形自体は他の生姜焼きのそれと一緒だった。
:なんだこれは
:見た目は...普通?
:ところどころ青いのを見て普通だと感じるならそうだな。
:さっきまでの暖かい雰囲気は何処
<ゆ い>『じゃ、じゃあ...』
恐る恐るゆいは箸をアインが作ったナニカに伸ばす。
<マネちゃん>『こ、これを食べるんですか!?』
マネちゃんの驚愕はもっともである。
<ゆ い>『だ、だってアイン先輩がわざわざ作ってくれたし...』
<しゃちょー>『だとしても食べるものは選べ、な?』
:ゆいちゃんやさしい
:でもこれはだめだ
:なんなんだこれは(二回目)
皆が総力をあげてゆいが食べるのを阻止する。
その時、横から凄まじい速度で六道が入り込んできた。
<六道>『これは俺が責任をもって処理する。ゆい、お前に食べさせるわけにはいかない!』
そう言い残し六道はスタジオから姿を消した。
:六道、お前はいい奴だった
:六道おおおおお
:お前のことは忘れん
その場に残った人たちは皿があった場所を見つめるだけだった。
◇◇◇
作った生姜焼きを食べながらコメント返しをしていると一通のメールが届いた。
<マネちゃん>『あ、六道さんからメールが来ましたよ』
<しゃちょー>『配信の載せていいようなら読もうか』
<ゆ い>『だ、大丈夫かなぁ?』
◇◇
<六道>『落ち着いてきたのでこれを書いている。まあ、俺があれを食べたのは責任を取るためのようなものだ。俺がそばにいながらあのようなダークマターを生み出させてしまった。ゆいやほかのみんなにあれを食べさせるわけにはいかないからな。今一度謝らせてくれ、すまなかった。後は頼む』
◇◇
<ラムネ>『六道さん...』
<マネちゃん>『癇に障るところはありましたが...いい最後でした』
六道からのメールに感傷深くなってしまう一同。
ねんの為に言っておこう。生姜焼きを作って食べるだけの企画のはずだ。
:うう
:あいつは英雄だ
:アインは悪魔だ
:すさまじいものを見たな
少し静かになったところでアインが口を開いた。
<アイン>『六ちゃん大丈夫かね~?あんな勢いよく食べるから...』
『『『『『『お前のせいだろ!!!』』』』』』
<アイン>『ええ~』
こうして1人の犠牲によりこの配信はなんとか事故を免れた。
放送終了後、六道を讃えるために#六道籠城がトレンド入りを果たしたことは本人は知らない。
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