第78話 弓師のゆい
<ゆ い>『そ、そういえば今日やるのは何ですか?』
<ク ロ>『ゲームだ。FPSのね』
<シ ロ>『三人型ではいつも枚数不利でしたが今日はゆいがいるので』
<ゆ い>『ぼ、ボクPCじゃなくてコンシューマーでしかやったことないよ!』
PC版はキーボードとマウスで操作するがコンシューマーはコントローラー。コンソールでの他機種なら配置が少し異なるだけなので少し練習すれば慣れるのだが、PC版では根本的に違うため慣れるまでかなりの時間が要するのだ。
<ク ロ>『PCでやったことはあるかい?』
<ゆ い>『前に一度だけ...指を《《つって》》からやってないです...』
:元CS勢だからそれはわかる
:キーボード操作は向いていない人がいるからなぁ
:コントローラー使うと...うっ頭が
<シ ロ>『このゲームはやったことある?』
そう言われて見されられたのは昨今人気急上昇中のアペックというバトルロワイアル型FPS。これなら2シーズンほど前までやっていのでそのように伝える。
<ク ロ>『よしっ!なーに環境とかは昔から変わっていないから安心しろ!』
<シ ロ>『かといって新武器が出ているのでゆいちゃんは後方支援でお願いします』
<ク ロ>『僕たち二人で前に出る!』
<ゆ い>『わかりました!』
そうしてやるゲームが決まり、ボクたちはアペックの戦場に降り立つのだった。
◇
降下した地点に敵がいないことを確認した後、物資をあさるボクたち。地形的に上を取れてはいるけど、坂を下ったところに敵部隊が2つ降りたことが確認できていたので早急に武装を整えて漁夫を狙いたいところ。
<ク ロ>『ゆい、手持ちは?』
<ゆ い>『弓とジョニーです』
<シ ロ>『え?』
:マジかよ
:すごい構成だな
弓はダメージこそはスナイパーに劣るが、その発砲音の小ささと連射速度は他の武器から頭一つ抜けている。ただ、当てるのが難しい武器で、長距離になればなるほど矢は弧を描くのでスコープをつけなければ正確な射撃は難しい。それに加えて敵の行動予測と位置把握ができなければいけない武装でもある。
そしてジョニーはリボルバータイプのハンドガンで、威力は絶大だが弾数の少なさと反動の強さも相まって強者の武器とも呼ばれるピーキーな武装だ。
<ク ロ>『スコープはいくつが付いてる?』
<ゆ い>『ノンスコです』
<シ ロ>『二倍あるけどいる?』
<ゆ い>『大丈夫です...あ、敵見えました。あそこです』
ゆいがシグナルを出すと二人はもちろんだがコメント欄もざわついた。
:え、250mって見える?
:3倍ならいざ知らずアイアンだろ?
:どんな目してるんだよ...
<シ ロ>『それじゃあ少し前に出ましょうか』
<ゆ い>『まって、一旦ここから狙撃してみます』
<ク ロ>『さすがにこの距離は無理だろ?』
<ゆ い>『腕が鈍ってないといいけど...』
:まじか、ここから撃つのかよ
:無茶が過ぎるよ
:位置が割れるからやめたほうがいいよ!
そしてゆいは矢を放った。4本続けてゆいが引く弓が弧を描く。
<ゆ い>『ヒット。割りました...ノック確認です』
<ク ロ>『まじかよ』
<ゆ い>『う〜ん、一本外しちゃいました』
<シ ロ>『凄まじいですね...』
ゆい自身は大したことではないと思っているようだが、それは今まで見てきた弓使いが大会優勝候補ばかりであったためである。
:俺ゆいちゃんの画面見てたけど、マジでノンスコで当てやがった
:弓師ゆい爆誕
:俺のハートが撃ち抜かれたことにも納得
優勝候補たち...プロゲーマー達は《《スコープを付けて》》あの命中率だった事に対してゆいはスコープ無しだ。これをマグレだと判断するのはこの試合が終わった後の方が良さそうだ。
<ゆ い>(うーん、精度落ちたなぁ...クロ先輩たち何も言わないから多分当たらなくて驚いてるんだよね...練習しておかなきゃ)
...天然を疑うレベルのスルー力である。
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