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ボクはVtuberになりました!  作者: 雪代ゆき


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第53話 混ざる

「あれ、ゆうきってそんなに声高かったけ?」


次の日学校に行くとまたいつものように昌くんが話かけてくれた。


「『ふぇ?いつも通りじゃない?』」


「そ、そうかな?」


戸惑いつつもうなずく昌くん。


クラスのみんなも似たような様子だったからもしかしたら【ボク】の喉の調子が悪いのかな?




「やめ!」


「『え?はい』」


学校帰りにまた京子さんのレッスンを受けに来たボク。今日は歌のレッスンだったのだけど、発声練習を始めたばかりのところで止められてしまった。


「きょうはどうかしたの?」


「『どうって、どういうことですか?』」


京子さんの言っていることが理解できなかったボクは聞き返す。


「声がいつもと違うじゃない」


「『や、やっぱりそうなんですかね?学校の友達にもそう言われました...』」


「...はぁ、今日はここまでにしておきましょう」


「え?まだ発声練習も...」


「そんな状態でレッスンなんかしたら取り返しのつかないことになるわ!とにかく...今日は帰って休みなさい」


「『わ、わかりました』」


声のトーンや質でその日の状態がわかる京子さんが言うのだから自分が気付いていないだけで、どこか体調が悪いのかもしれない。そう考えた【彼】は家に帰り、早めに寝ることにした。



次の日になっても声は変わらなかった。それ以上にひどくなったと言える。配信をやろうとしたけど、担当さんに止められてしまいかれこれ一週間ほど配信ができていない。ピピッターも動かさないようにと厳命があった。

突然氷柱ゆいから発信がなくなったことにしずにい・しずねえたちが時間を置くごとに不安の色を濃くしていった。


「出張から戻ってきたぞ~って、どうしたんだ草薙」


「社長!ようやくかえって来たんですね!ゆいちゃんが、ゆうきくんが大変なんです!!!」


「ど、どうした!?何かあったのか!?」


一週間ほど遠く離れた地に出張をしていたりんとが帰ってきたとたんのこの騒ぎ。元々妙な胸騒ぎがしていたので、予定の半分ほどの日程で仕事を片付けて事務所に帰ってきたりんとはより一層騒がしくなる自身の胸に嫌な予感を強く感じた。

荷解なんか後にして早速【彼】に電話を掛ける。


りんと〈草薙から聞いたが、なんかあったか?〉


ゆうき〈〈?なにもないけど...それよりもお父さんは出張は大丈夫なの?〉〉


嫌な予感が見事に当たってしまった瞬間だった。

【彼】に繋がったままのスマホをおろし、草薙に対して指示を飛ばす。りんとの声は彼女が聞いたことのないほどに低く余裕のない声だった。


「草薙」


「はい?」


「今すぐ莉奈を呼べ」


「え、えっと何かありました?」

「早く!」


「わ、わかりました!」


りんとが語気を荒げたことはほとんどなく、それに驚きつつも非常事態だと察知した草薙は急いで莉奈を呼び出した。



「緊急事態って聞いたけどどうしたの!?」


いつにも増して雑把に扉を開けて入ってくる莉奈。普段なら誰かが注意するであろうが、今日に限っては静止の声は聞こえてこない。彼女が纏う雰囲気が普段のそれとは違うからである。


「遅い!」


いつも冗談で言う単語ではあるが、剣幕が違う。


「これでも急いだんだけどなぁ~あ、くーちゃん席外して」


「わ、わかりました」


軽口をいつものように言ってはいるけど、明らかにいつもとは違う空気感を持つ二人の間に割って入るようなことは出来ず、そのまま退室する草薙。


「で、何があったのさ」


「重なり始めた」


「それって...」


信じられないと言わんばかりに目を丸くする莉奈。だが、【彼】は彼の子供である以上、それは考えられることであった。


「その通りだ...まったく...変なところだけ似やがって」


静かになった社長室に立つ二人。窓から差し込む夕日で影が大きく伸びている。その陰ですら不気味に見えてしまうほどの空気がそこに漂っていた。


これから語られるのはセカンドプロダクションとして機能する前から居るメンバー【0期生】。その0期生がなぜマネちゃん一人だけなのか、なぜアインは1期生であるか。その理由についてである。

読んでいただきありがとうございます!



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