表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
修羅道  作者: サムライソード
地下蜘蛛の駆除
2/129

ルール1

 首元を必死に抑えて溢れ出る血を止めようとする。だが血は止まらない。止まれ止まれと首を強く締める。気づけば血は出ていなかった。


 まぼろしか…?



 ステンドグラスからは変わらず陽光がさす。立ち位置が戻っている。はっと思いなおし、後ろを見ると暫定浮浪者、否、人殺しが俺の後ろに立っていた。まぼろしではなかったのだ。


「ふふっ、そんな目で見るなよ。こちとら優しく天国でのルールを教えてやってるんだぜ?」


 ふざけるな。そう口に出そうとしたが奴の右手の酒瓶を見て抑え込んだ。


 俺は一度、いや二度死んでいる。川で溺れて一回。この人殺しに殺されて一回。そして二回とも蘇ったのだ。信じ難いが認めるしかない。



 そして蘇る場所はこの場所で固定されているのだろう。奴が言うには天国。訳がわからない。少しでも情報を集めなければ。


「やっと話を聞く気になったな。お前のせいで酒が一本台無しだ…。」


 明らかに俺のせいではないのに割れている酒瓶を悲しそうに見つめそう呟いた。


「それで、人殺しよ。ここは何だ?俺が死んだことは認めた。」


「あんちゃん。人殺しはねぇぜ。せめて飲んだくれと呼びな。」


 どうでもいい。


「ここは文字通り天国だよ。ここでは死ぬこともないし、やるべきこともない。一日中酒を飲みたきゃ飲めるそんな場所だよ。欲しいものだって何でも手に入る。」


 こいつの情報には過分に嘘を含んでいる。そう感じた。


「そう睨むなよぉ。まぁどれ。証拠を見せてやるか。」


 ノンダクレはそう言って割れた酒瓶を台の上において十字架の下に座り込んだ。


 勿体ぶった手つきでノンダクレが十字を切ると台は光に包まれそこにはパンがあった。


 まさに超常。神の所業だ。ノンダクレは無からパンを生み出したのだ。


「信じてくれたか。あんちゃん。こんな奇跡が起きる場所天国以外にどこだって言うつもりだ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ