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第42話「魔法帝国研究所④」

 ダンとスオメタルはガルドルド魔法帝国の研究所、否、地下都市の探索を続けている。

 しかし、地下都市はあまりにも広大。

 建築物も多すぎる。

 超人的なふたりだが、限られた時間の中では、

 ざっくりとしか調べる事は出来ない。

 

 ダンは、目立ち重要そうな物を、片端から収納の腕輪に放り込んだ。

 かなりの『ガラクタ』もあり、スオメタルがジト目で睨んでいたのは言うまでもない。


 とりあえず、目指す目標は魔法工学研究所。

 ふたりの意見は一致していた。

 スオメタルの真の身体が隠されて……

 否、眠っているかもしれないからだ。


 さてさて、どの建築物にも当然、守護者ガーディアンが至る所に配置されていて、侵入者であるふたりに容赦なく襲いかかって来た。


 その都度、スオメタルが瞬間冷凍していたのだが……

 ダンがハタと手を叩いた。


『あのさ』


『何でございます?』


『念の為、あいつら、魔力で動いているんだよな?』


『そうでございますが、何か』


『教えてくれないか、スオメタル。どんな仕組みなのかな?』


『あいつら守護者の動力は、マスターの仰るように魔力でございます。大気中に含まれる魔力の素(マナ)を魔力に変換し、体内に蓄積。半永久的に動く、でございます』


 と、そこへ早速、守護者ガーディアンが3体現れた。


『成る程。じゃあ、こうしよう』


 頷いたダンは猛ダッシュ!


 あっという間に

「たんたんたんたたん」と、軽く守護者を触った。

 

 バタバタバタと守護者たちは倒れてしまう。


『お~、マスター、こいつらの魔力吸ったでございますね』


『おう! 吸った』


 ダンが使ったのは以前アルパッド達人狼族を地に伏せた魔法、魔力吸収だ。


『凍らせるのは有効だが……良く良く考えたら、後で解凍しないといけないからな』


『どういう意味でございますか?』


『まず、この遺跡の正当な所有者は魔法帝国唯一の生き残りスオメタルだ。俺はパートナーとして、準ずる。それ以外の侵入者は、全て盗掘者さ』


『成る程!』


『そんな輩どもから、この遺跡を守る為に、こいつらは復活させる。俺達が去った後、ここを守らせる為に』


『御意でございます』


『吸収の魔法を使えば、コイツら、しばらくはこのままだろ』


『はい、魔力が無ければ動かないでございますから』


『俺達が撤収してしばらく経てば、魔力が復活し、元の仕事に戻れるってわけだ』


『わお、マスター! ナイスアイディアでございます いちいち解凍せずに済むでございますものね』


 と、ここで新手の守護者達が現れた。


『よし、ここはスオメタルにお任せを! でございます』


 スオメタルは両手を水平に構えた。


 どしゅ!

 どしゅ!

 どしゅ!


『お、遠当ての魔法か、いや違うな』


『はい、私の遠当てに、マスター直伝、吸収の魔法を合わせた、すなわち愛の合わせ技でございます』


『おお! 愛の合わせ技か! とっさにそんな魔法を使えるなんて、さすが天才スオメタルだ』


『うふふ、いくら褒めても、愛しかあげられないでございますよ』


『何言ってる。お前の持つ魔法の才能は絶対に俺以上だ。俺もそれ使わせて貰おう』


『どうぞ、どうぞ。愛するマスターなら、使い放題のフリー魔法でございますよ』


『サンキュ!』


『どういたしまして! でございます。これだと、わざわざ動かなくても良く、第一、こいつらへ触らなくて済むのは素敵でございますゆえ』


 こうして……

 仲睦まじいダンとスオメタルの探索は、よりスムーズに進むようになったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 探索の速度がアップしたダンとスオメタル。

 次々と建築物に入り、物色して行く。


 傍から見れば盗賊。

 しかし先述した通り、今や、ガルドルド魔法帝国の生き残りはスオメタルひとり……多分。

 それゆえ、唯一の相続人はスオメタル。

 すなわち不法ではない。

 というロジックである。


 そして遂に遂に……

 ふたりは魔法工学研究所らしき場所へ到着したのである。


 当然入り口には、今までとは全く違う形の守護者が頑張っていた。

 中へ入ろうとするダンとスオメタルを認めると、動き出した。


『ここもスオメタルにお任せを! で、ございますぅ!』


 どしゅ!

 どしゅ!

 どしゅ!


『念の為、3倍撃ったでございますぅ! ……えっ?』


 スオメタルが驚いたのも無理はなかった。

 守護者は進軍を止めなかったのだ。


『あれ、停止しないぞ』


『おっかしいでございますぅ! えいえいえいっ!』 


 どしゅ!

 どしゅ!

 どしゅ!


『あっれ~~!?』


 どうやら巨大守護者は、魔法防御の仕様が他の守護者より強力らしい。


『よし、俺がやろう』


 ……しかしダンの愛の合わせ技魔法も効かなかった。

 終いはふたり合わせて遠当て&吸収の魔法を撃ったが効かない。


『仕方ない、ちょっち強めの魔法で凍らせるか』


『スオメタルも一緒に、魔法を放つでございます』


 ダンとスオメタルから、氷結の魔法が放たれる。

 こちらも愛の合わせ技だと言えるだろう。


 びししししっ!!

 どた~~ん!!!


 守護者は氷漬けにされ、戦闘不能となり、地へ伏した。


 さすがのバージョンアップ守護者も、魔王を倒したダンとスオメタルのコンビには敵わなかったのである。


『これで、ようやく研究所に入れるな』


『御意でございます』


 ダンとスオメタルは顔を見合わせると頷き、一歩を踏み出した。

 そして建築物の中へ入って行く。


 果たして、ビンゴ!

 であった。

 

 やはり最強の守護者を配置していた事だけはあり、

 ここは研究所……であった。 

 

 が、しかし……

 中へ入ったスオメタルの反応は今ひとつであった。

 顔をしかめ、首を傾げているのだ。


『マスター、この場所にスオメタルはピンと来ないでございます。父の気配はありませぬ。多分生まれた場所ではないでございます』


『そうか……』


『でもいろいろな資料や機材等がたっぷりあるでございます。これまでのガラクタと違い、重要なモノも多々、あるでございますよ』


 スオメタルの言う通りであった。

 自動人形オートマタの新たなマニュアル、機材、部品など、

 この研究所は『お宝』でいっぱいであった。


 そして、ふたりは遂に『大発見』をした。

 但し見つけたのは、残念ながら……

 『スオメタルの生身の身体』ではなかった。


 しかし!

 とんでもないお宝に変わりはなかったのだ。 


『お、おい! こ、これはっ!!』


『マ、マスター! た、魂を移す前の! じ、自動人形の機体、それも女子でございますよっ!!』


 何と、ふたりは!

 スオメタルとはまた違うタイプである『少女型自動人形』を発見したのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


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