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クロスゲート~このきに願いを~  作者: NAo
第1章 世界樹の乙女
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アーリアの道のり

 平穏なる辺境国“アーリア”……それが今マキたちが向かっている国の名で幻樹界でゲームを始める時はこの国か優美なる王国樹“ユグラドシェル”のどちらかからとなっている。

 ユグラドシェルは上流階級の貴族たちが住んでおり、近辺の危険な魔物は全て狩りつくされていると言われている(ゲーム内のNPCの説明)。

 アーリアは辺境にある事から多くの強い魔物が棲みついているダンジョンなんかが存在しており、ほとんどの高レベルプレイヤーはこのダンジョンで狩りなんかをしていた。しかし、だから初心者に厳しい環境かと言うとそうでもなくアーリアには専用の訓練所が存在しており、そこのミッションをクリアすれば誰でもレベル10ほど上げてくれる。

 このイベントをアダムとラムが受けられるなら家の事のついでに受けてもらおうかという思惑もあって今アーリアに向かっているのである。


「この森はほんとに平和です。出てくる魔物も友好的な者しかいないみたいですし」

「だからってゆだんするのだめ、あいつらやせいのまもの……いつきばむいてくるかわかんない」


 この森は辺境国に向かえば向かうほど弱い魔物が多く、王国に向かえば向かうほど強力な魔物が存在している。これはたぶん王国の魔物狩りから逃れた魔物が森に逃げ込み、辺境では強力な魔物に棲みかを追われた弱い魔物が森に逃げたという設定がそのまま生きているんだろう。

 ここらで一番強いスライムが味方に居る時点で、王国側のはぐれ魔物以外は相手にならないために今のようなお散歩感覚の旅になっている。

 しかし、そんな中マキは不安な心境で二人の後ろを歩きながら腰に下げてある刀を触れる。


(俺……戦えるのか? この前だって、ラム相手に手も足も出せなかった。この肉体は確かに強いのはわかっているけど、俺自身は何の力もないただの高校生……。今度は助からないかもしれないんだ)


 そう思うと、自分が倒れ死ぬ姿を想像してしまい、マキは恐怖に身震いをしてしまう。


「マキ君? 顔色が悪いみたいだけど大丈夫?」


 マキの状態に気がつき心配そうにマキに近づくアダムに、平気な素振りをして安心させようとする。

 無理はしてないと思ったアダムは辛かったら声を掛けてと言い、野生のトカゲを食べようとしているラムを止めに行ってしまう。

 この道中、ラムはあの調子でどんどん動物や魔物を食べて、レベルを上げている。

 アダムもラムが傷つけた動物の治療で入る経験値で少しばかりレベルが上がっておりそのおかげでこの森ぐらいなら強い魔物に出会わなければ一人で踏破できるくらいには強くなっている。

 マキはこの道中そんな二人の後ろをついて行くことしかできず、いまだに鞘から刀を抜くところか戦ってすらいない。


「まあ、その前に俺は元のステータスに戻すことが大事かもしれないな」 


 ステータスのほとんどが半分まで下がっており、その原因もアダムに調べてもらった。ゲーム時代についてなかった一つの才能がこの弱体化してしまっている要因だった。


 ―――覚悟なき者

 この世界での覚悟ができていないもの。経験値を全て貯蔵してしまい、強さを求めることを拒絶してしまう。また、今まで獲得した才能を著しく低下させる。覚悟が決まった時この才能は消滅する。


 つまりこの世界での何らかの覚悟が決まった時、マキのステータスは元通りに戻る。

 しかし、このどのような覚悟なのかもわからずに今はこの二人と生きていくしかない。マキはぼんやりとそんな事を考えながら二人の後ろをついていく。


「あだむ、たおしたならちゃんとたべる。これしぜんのたいせつなこと」

「だからってあんな毒々しいトカゲ食べなくてもいいじゃない」

「あれはあれで、けっこうおいしい」

「……ちょっとこれ、食べたら神経麻痺があるって書いてあるんだけど」

「今持っているのは、パラライベビーリザードだな。確か麻痺薬や麻痺治療の血清の材料だ」


 確か、アーリアの冒険者ギルドにあれの素材集めがあったって、秋緒が言っていた。

 なんでもあのトカゲ、他のに比べると出現しづらくて、集めるのに苦労したって部室で言ってたのを思い出した。

 そんな事を考えている間にラムはアダムの止めを聞かず、トカゲを咀嚼している。あの人型になって食事の喜びを知ったのか、何か見つけたらとりあえず口に入れる癖がついてしまっている。そんなラムにため息を吐いて状態異常回復を始めている。


「ごちそうさま」


 ラムは満足そうにしながら、次の獲物を求めて進みだす。そんなラムにこれ以上変なの食べないで欲しい思っているアダムはラムの後ろをついて行ってしまう。

 やれやれと言った感じで二人の後をついて行こうとした歩き出した瞬間、森の中で蠢く気配を感知する。気配はアダムとラムを狙っているのか地面を伝って何かがアダム達に接近している。


「アダム!!! そこから離れろ!!!」

「えっ?」


 次の瞬間地面から出てきた木の根がアダムとラムを捕らえ動けなくしようとしてくる。ラムは形体を解いて木の根を脱出するがアダムはそのまま囚われてしまう。

 獲物を掴まえたと確信した木の根の主が姿を現した。

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