現状把握て大切だよね
「ごめんなさい……」
「気にしないで」
場が落ち着き二人が気まずそうにしながらこの事を忘れようとしている。
そんな中、気まずい空気を作った張本人のラムは素知らぬ雰囲気で飛んできた蝶々みたいな魔物を追いかけている。
「あの……」
「はい? どうかしましたか」
「色々と教えてほしいことがあるんだ」
現状急にこの場所に飛ばされてしまった正樹にとってアダムは貴重な情報源であり、何にしても何らかの目処が立たなければ行動できない。
彼女がどこまで知っているのか、そしてここがどこなのかを知りたい。
「いいですけど……僕も目覚めたらここにいたので詳しいことはわかりませんよ」
「あだむとらむ、ずっとここにいた」
申し訳なさそうにしているアダムと横から人型に戻ってアダムに抱きつくラムを観察する。嘘を言ってるようには見えず、ほんとにこの二人もよくわかっていないみたいだ。
「でも……僕の能力でわかっている事なら教えられます」
「能力?」
「はい。僕の持っている能力に英知と言うものがありまして、知りたいことや疑問に思ったことを瞬時に教えてくれるものなんです。まだLv.1ですけど生き物ならステータス、木とかなら情報を教えてくれるんです」
英知について正樹は聞いたことがあるという違和感を感じながら、その可能性があるはずないと思い首を横に振る。この世界が正樹の思っている世界ならそれは不可解な事件に巻き込まれてという意味なのだから。
「とりあえず、俺についてその英知で教えてもらえないだろうか?」
「はい、ちょっと待ってくださいね。かなりの量なので閲覧できるように表示しちゃいますね」
そう言ってアダムはぶつぶつと何かに応えていくように呟くと今まで見えていなかった文字列がアダムの前に浮き出てくる。
そのステータスが見覚えのあるものだと認識して行くにつれ、正樹の表情はどんどん強張っていく。
名前:マキ・シルバーウッド 年齢:17歳
性別:男 種族:人族
Lv.83 状態:転生
STR(攻撃力):6000→3000
CON(生命力):4000
INT(知 力):0950
POW(精神力):2000
DEX(器用さ):6000→3000
AGI(素早さ):9999→4999
LUK(幸 運):2000
才能
刀剣Lv.8→4
統率Lv.8→4
疾風Lv.9→4
勇敢Lv.8→1
時扉--
覚悟なき者--
技能
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ステータスの一部違うがほとんど全てがCGOをプレイしていた時のキャラクターのものだった。
この情報から導き出せるのは津留崎正樹はどう言うわけかゲームの世界に入ってしまい自分が使用していたキャラとしてここにいるということだ。
「なーにこれ?」
「この人のステータスだよ、僕やラムと違ってすごい強いってことがわかるね」
「でもさっき、たおせたよ?」
「しーっ」
二人が話している声も聞こえず考え込んでいる正樹はこの状況からここがどこなのかと言うことも大体の予想がたった。
この世界に来る前、何かを頼まれたこと……そして誰かの悲痛な叫びが微かに頭に過ぎるがそれもまたすぐに思い出せなくなってしまう。