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クロスゲート~このきに願いを~  作者: NAo
第2章 大森林開拓計画
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時扉内1

 時が巻き戻る中、前回にはなかった巻き戻っている感覚を実感できる。

 マキは、その世界を見つめながら次の世界でやるべき事を思い浮かべる。


(どのくらいの時間に戻るのかはわかんない。それでもあいつを倒すためにはマキが使っていた技が必要となってくる。)


 キャラクター『マキ』が覚えていた技は全部で7種。その中でマキが感覚で思い出せたのは2種。

 この技と言うのはゲームの時、エフェクト、効果、威力、属性等を自分で素材を集めて習得する。ゲーム内で似た技があったとしても、同じ名で同じものは存在する事は稀となる。

 キャラクターのオリジナル性を持たせるため、ほとんどのプレイヤーがこれに躍起になるけどほとんどが通常攻撃の方が強かったりする。たまに、とんでもないスキルを生み出す人もいるにはいるけど……。

 多い人だと3桁にも及ぶ技を持ってる頭のおかしいトッププレイヤーもいる。

 そして、マキと言うキャラクターもプレイヤーがゲームでこんな技があったらと思い編み出した技が7種類ある。

 一つは凍星(いてぼし)。刀身に霊気を纏わせる属性付加(エンチャント)の技。

 エフェクトは闘気、効果は属性付加、威力はなし、属性は氷。

 ゲーム中で最初に編み出した技で、威力がないのは当時威力増加の素材が廃課金勢しか持てないほど高かったためだ。

 最も安い素材で作った技のわりに使い勝手が良くていまだに改修しないで使っていたりする。

 もう一つが大河(たいが)。一撃の威力を持って相手を両断するマキにおいての切り札。

 エフェクトは特殊、効果は斬撃、威力は必殺(制限)、属性はなし。

 ゲーム内のイベント報酬で手に入れた素材で編み出した技でどんなモンスターでも一撃の元に斬り伏せられる。

 だが、威力が高すぎるために運営からこの素材で作った技に使用制限が持たれてしまい、使うタイミングを計らないといけない。また、刀武器の特殊エフェクト居合いは神速の効果によって出せば命中となっているが、モーションに隙が多すぎて戦いの最中に使うのも引けてしまうのも欠点とも言える。


 (確かに大河ならあの粘液事を斬り伏せることは出来るけど、あのスライム物理とか斬撃とか効いてなかったよな? 凍星は刀身を出してる時だけの効果だし、大河は刀を納刀してる状態からじゃないと出せない。)


 もしも、大河を使って倒すことが出来なかったら、その隙にスライムにからめとられる。

 そうしたらあのスライムの消化の威力でマキと言えど無事ではすまない。


(そもそもあいつはなぜあの場に現れた? それにあいつの言動からして行動に制限されていた)


 あのスライムの言動から、どこかに組している。もしそうだとしたらと……。


(あいつの他にも似たような化け物がこの森にいるのかもしれない。いないにしてもあれに命令してる奴が森にいる。そう考えるとあのモンスターと戦うのは得策じゃないってことか?)


 時が戻り終わるに連れて、ノイズのような音が聞こえ始め、意識がボーっとしていく。

 頭の中でなにかが抜け落ちた感覚に見舞われるが何を忘れたのか思い出せない。そして、意識がどんどん遠のいてマキは眠るように気を失った。


 ――――


「マキ~? あっ、気がついた」

「ここは……俺……どうしてたんだ?」

「急にぼーっとしだしたをだよ? 呼んでも返事ないし……もしかしてなにかあった?」


 心配そうに見つめるアダムを見ながら、頭にもやがかかったような感覚に、数度頭を振る。

 意識がはっきりしてきた頃には曖昧な違和感も消えて、さっきまでの感覚が嘘のように消えていた。


「いや、疲れていたのかな? 今はもう大丈夫だ」

「そうですか……? 一応野営地に着いたら休ませてもらいましょ?」


 心配するアダムに従い野営地について、ウィリアムとの今後の話をした後、夜になるまでマキはテントで休ませてもらう事となった。

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