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スキル集め始めました  作者: 桜音羽瑠
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第九話 俺なりの生き方にもう誰も指図はさせねぇ

俺の名は伊佐木史也……だった。

 今はアラン・ルーカスという名前をとそいつの人生を借りて生きている。なんとも無様であろうか、最早俺がくそったれた運命をたどることは定められていたのではないか、自分がこの世に生を受けてから、いや地球の日本に生を受けてから。


 しかしまぁ今ひとつだけ言えることはこんな運命にしてくれやがった神様を呪い殺してやりたいね。ということ。


 今でこそ自分と違う体でも冷静を保てるようになってきたが、どの世界でも長続きはしなかった。ほとんどの場合が孤独だったというにもあって、すぐに朽ち果てる。定かではないが最初の死因は自殺だったであろう。

 皮肉なものだ。自分がピンチの時に嫌なことを思い出す。全く、自分が強くなったら本当に殺してやろうかあの駄女神。


 でも、だからこそ、死んだ方が楽という考え方は間違っていると俺は思う。理由は簡単、死んだところで新たな絶望が始まるから。

 だったら、どうせ死ぬなら、どうせ死んでも絶望が待っているなら、精一杯今を全力で生きようじゃないか。

 そうして強くなっていつかあの女神をぶち殺す。


 さてさて、それは良いとして……


「ここはどこだよ!!??」


 俺の声が洞窟にこだまする。しかし俺の声は洞窟の外はおろか、すぐ近くにいる二人組でさえ入り組んだ洞窟と本来のアラン・ルーカスの自己制御魔法のお陰で聞き取ることは出来なかった。

 俺の声は聞こえなかったようだが、あちらからは話し声が聞こえてくる。これも本来のアラン・ルーカスの魔法の力によるものだ。しかしこのときの俺は二つの事柄に魔法が関連していることには全く気づかなかった。



「なるほど……」


 二人組の会話から、ある程度のことを理解した俺は脱出に向けての準備を始めることにした。だが壁はおろか、床や天井でさえ岩でできており牢の外を見ることができるのが正面の一面しかない。


 しかし、コツコツと床をこちらに進んでいる音が聞こえてくる。俺は咄嗟に壁に張り付くよな姿勢をとってしまった。するとこれも本来のアランの力だが、自己防衛能力が働き壁の色と同化してしまった。そのため……


「くそ、どこだ!!」


 あっさりとやり過ごせてしまった。しかもご丁寧にドアの鍵を解錠して中に少し入ってくれたために逃げやすいではないか……

 そのあと、焦ったらしい男は急いできた道を引き返し、恐らく外へ出て行っただろう。

 絶好のチャンスじゃねぇか……


 男の後を追い、洞窟の出口へと抜けていく。入り組んでいるはずなのだが一度も迷うことなく無事に出口へとたどり着いた。



ーーーーーしかしーーーーー



「ガルぅぅぅルルぅル!!!!」

 洞窟を出た瞬間、俺は近くにいた獣型の魔物にあっさりと殺されてしまった。

 ああ、今回もダメだった……リーナ、メルモ、ミニモ、アイリス……段々と遠退いていく意識の中で三人の少女の顔が浮かび上がった。



                ◇ ◇ ◇ ◇



 世界は理不尽だと思う。精一杯生きようと決意したその数分後に殺されるなんて。全くマジくそだなこの世界。もういいや、本当にどうでもいい。こうなったら折角授かった力を使いこなしてやろうじゃないか。ああそうだよ最初っからそうしてれば良かったんだよ。もう俺は俺のやり方でやる。



「やっと目が覚めたようね」


 無機質で飾りのない空間。それにこの声は……ディアナか。


「ああ、覚めた」

「なら早く継承するスキルを選んで次に行ってちょうだい」

「まぁそう慌てんなよ、今は世界の時は止まってるんだろ?」

「そうだけど……ていうかふみちゃん大分人変わったね」

「そうか?まぁ色々吹っ切れたからな、」

「あら、何があったのかしらー」


 絶対こいつはすべてを知っている。あっさりと殺されたことも。そう確信しても良いだろう。


「おいディアナ、あの俺を勝手に隠してくれたやつってスキルか?」


 揺さぶりと質問を同時にかけてみる。これで答えることが出来たらさっきのやつを見ていたことになる。


「ええ、そうよ、自己防衛というスキルでピンチの時を自動で察知して小バリアの展開、落下速度低下、背景と同化、罠の感知等をしてくれる便利スキルよ」


 はい。確信犯。まぁ十中八九そう言うと思っていたが。こうもあっさりと引っ掛かってくれると面白味に欠けるものだ。


「わかった、そのスキルにするよ、あとちゃんと俺のこと見てたじゃねぇか、俺のこと好きなのか?」


 嘲笑を含めて言い放ってやったが……


「は?何それ?ありえないし、スキルの方は了承したし元々それを選ぶと思ってたから勝手につけておいたわよ?」


 はぁ、本当にこいつは使えないらしい。俺に最初から選ぶ権利は無かったという訳だ。だが今回は良かったものの絶対にいつか後悔するはめになる。


「よしディアナ約束してくれ、今後は俺が決める前に勝手にスキルを選ぶな。あとはバンバン強いやつに転生させろ」

「ふん、やっとやる気になったようねふみちゃん」

「そうだ、なったなった、やる気になりましたよーだからなるべく強いやつに転生させろよな」

「それは保障できないけどね!!んじゃいってらー!!」

「あっ!おまっふざけんn……」


 俺は強請転生させられた。






今までの史也は嘘だった。そうこれが本当の史也なのです。

リーナミニモメルモアイリスはいつか出ます……たぶん。

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