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『Colorful Life』  作者: 天野太ユキ
一章
8/23

第6色

ああ、眠い。

夜はしっかりと寝ないといけないですね。

本を買ってしまい、寝不足です。

 工房についた。


リリィ「すいません、ここで防具の修理はできますか?」

店員「おう、嬢ちゃん。大丈夫だ、任せろ。」


 私は腕と胸の防具を外す。店員に二つを渡してから、代えの防具がないことに気づいた。最低限インナーに覆われているとはいうものの、ラインの出るその恰好はとても恥ずかしい。


リリィ「どれくらいで修理って終わりますか?」

店員「これなら・・2、3分ってとこだな。」


 (良かった、すぐ終わりそう。次からは注意しないといけないな。)


撫子「店員さんよぉ、俺のこの『錆びた剣』ってのは修理できるかい?」

店員「それは鉱石とか鉄がねえと無理だ。」

撫子「そうか、ありがとよ。ここは他に何ができるんだ?」


 撫子が尋ねる。


店員「ここは、メインは装備や特殊な消耗品の生産だ。それと装備の強化だな。後は今やってる修理だ。どれも素材と金が必要になる。嬢ちゃん、ほれ、終わったぞ。今回のは素材はいらん、100Gだ。」

リリィ「ありがとうございます。」


 お金を払ってすぐに装備する。防具の傷はすっかり綺麗に治っているようだ。


リリィ「あ、そうだ。店員さん、さっき言ってた装備の生産って、どんなのが作れるんですか?」

店員「んー、今嬢ちゃんが持ってるアイテムだと『花の髪飾り』っていうアクセサリくらいしか作れねえぞ。まぁ、よかったら作るか? すぐにできるし金も大してかからねぇ、10Gだ。」

リリィ「じゃあ、お願いします。」


 「平原の花」と10Gを渡すと、すぐに「平原の花の髪飾り」が完成し、私はそれを装備する。


 (リアルだと髪飾りなんか付けられないからなー。こうゆうの一回付けてみたかったんだよね~。)


リリィ「ごめん、待たせた。次、行こうか。」

ゆー「次はどこに行くんです?」

撫子「情報の得られそうな場所・・、図書館なんかはどうだ? 確か西の通りに図書館があったはずだ。」

リリィ「じゃ、次はそこ行こうか。」


 図書館まで歩く、ゆーは杖が気に入ったのか杖をくるくる回しては嬉しそうに笑う。ゆーを観察しながら歩いていると、図書館についた。


撫子「俺が言っておいてなんだが、本はあんまり好きじゃねえんだ。図書館だからあんまり騒ぐのも悪いだろう。お前ら二人で中に行って来いよ。俺は外でNPCに話を聞いてくる。」


 本当に本が嫌いなのだろう。騒ぐと悪い、なんていうことをこの男が気にするとは思えない。仕方なく二人で図書館に入る。


リリィ「じゃ、行ってくる。」

撫子「おう、逝って来い。」


 図書館に入るとたくさんの本が並んでいる。小さな声でゆーと話し合う。


リリィ「ねえ、どんな本を探したらいいのかな?」

ゆー「そうですね、このあたりの地理や出現するモンスターについて書かれている本があると良いんじゃないでしょうか。あとは、技とかを覚えれるような本は無いですかねえ? あるならそれも。」

リリィ「分かった、手分けして探そう。」


 本棚を調べていくと、「魔法入門」という本が見つかった。他にも「格闘入門」や「剣術入門」など似ている題名の本が同じ列に並んでいる。


 (これは明らかに・・・、ゆーに見せようか。)


 ゆーを探すと、既に席について本を読んでいるようだ。


リリィ「どう、見つかった? こっちは、これ。」

ゆー「わー、ありがとうございます。私の方は平原について書かれている本を見つけました。貸し出しってできるんですかね、ここ?」

リリィ「どうだろう、聞いてみようか?」


 図書館のカウンターへ持っていくと貸し出しは一冊10Gで、三日間、とのことらしい。私は気になった「魔法入門」、「格闘入門」、「剣術入門」の三冊を借りることにする。ゆーはさっきの一冊だけを借りるようだ。外に出る。


 (撫子はしっかりやってるだろうか・・。)


 外に出て軽く辺りを見回すと、見知った筋肉が一人のプレーヤーに近づいていくのが見えた。


 (んん・・? なにしてるのかな・・・?)


 撫子が近づいていくと、そのプレーヤーがゆっくりと膝を地面につける、そして上半身を折り、頭を地面に降ろす。どう見ても土下座だった。撫子はそれを仁王立ちで見下ろす。プレーヤーが何かを言っている、命乞いだろうか。彼のレベルは2だ。


 (んー、普通に戦えばレベル1の撫子には勝てそうだけどな。何してるんだろう。てかあのアホはほんと学習しないな、アホなのか? アホなんだろうな。)


 本日二回目ということもあり、止める気も失せた私とゆーはしばらくその様子を静観する。すると、撫子がこっちに気付いた。こちらに向かって歩いてくる、そのプレーヤーを引き連れて。


撫子「おう、2人ともご苦労だった。こいつは・・新しい仲間になる。」

リリィ「はぁ・・・。えーと、君の名前は?」

マーカス「あぁ、僕の名前はマーカス、よろしく。」


 信じられないほどに普通だった。撫子に脅されて連れてこられたとは思えない、笑っている。


リリィ「え? あれ? 大丈夫なの?」

マーカス「さっきの、見られてたのか・・。大丈夫だよ、気にしないで。」

撫子「そういうことだ。」

リリィ「どうゆうことだよ・・。」

ゆー「わかりましたよ、リリィさん! 洗脳っていう魔法じゃないですか?」

撫子「いや、断じて違うぞ。ただ・・、正直俺もよくわからん。ゲームの経験とやる気は十分あるようなんだが・・・。」


 珍しく、撫子が困惑している。よくわからない男が一人、私たちのパーティに加わった。

あまり深く考えずに読んでほしいデス。すべてが伏線、なんてことはないので。

登場キャラたちのゲーム生活をゆるゆると見守る感覚で見ていただけたら、と思います。

今回登場したマーカスの詳細は次の話で語られる予定です。


今話まではポンポン連続で投稿してましたが、そろそろ減速します。オシゴト・・・オシゴト・・・(血涙)

多くても一日一話くらいの速度で・・・、ご了承ください。

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