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『Colorful Life』  作者: 天野太ユキ
一章
2/23

第1色

連続でPON!今回は連続ですが、溜めているだけで本来は書くのおっそいです。

気長に待っていただけたら、と思います。

あと、飛ばしちゃってますが、ギアを買うのは成功しました。

そのうち時間があれば閑話(0.5色かな?)で詳しく書きます。

 とうとう7月31日がやってきた。私が心待ちにしていた日だ。ヘッドギアの設定も事前に済んでいて、あとは眠って時間を待つだけだ。心臓が張り裂けるくらいにバクバク鳴っている。既に風呂に入っていたが、私は汗をかきはじめていた。


(あー、明日の朝にでもお風呂入らなきゃ……、覚えてるのかな?)


 緊張で眠れないのでベットの中でごろごろしていると、汗のせいかリンスの甘い匂いがして少し気分が落ち着いてきた。そろそろ0時半を過ぎた頃だろうか、メガネを外しているので時計が見えない。


 突然、ガチャッ、っとドアの開く音がする。顔を動かさないよう眼だけでドアの方を見ると、人影が私の部屋を覗きこんでいる。背の高さから父だとわかった。今まで、夜に親が部屋に来ることがないわけではなかったが、今日のは心臓が止まるほどびっくりしていた。


(危なかった……、あと少しでも早くギアを付けてたら見つかってた。てか私はもう高校生なんだから夜に部屋に入ってこないでよ……。ノックぐらいしろ、このアホ父!)


 心の中で父を罵倒する。さっきまでとは別の汗をかいてしまった。ドアが閉まった後にメガネをかけて、音をたてないように隠してあったギアを手に取る。時間は0時50分、あと少しで1時だ。また心臓がドクドクし始めた。メガネを外してギアを頭につけ、横になって目を閉じた。



 気が付くと、あたり一面が真っ青な世界だった。音が一切聴こえない、静かな世界だ。目の前に空欄が浮かび上がってくる。欄の左側には「あなたの名前」の文字が見えた。私は名前を考える。


(名前をそのまま……はちょっと恥ずかしいな。梨里をもじってつけるとしたら……)


「『リリィ』でいいか、うん!」


 言葉にしただけだったが、キーボードで入力しなくてもそのままリリィで登録されたようだ。


 今度はパレットが表示される。あなたの色を決めてください、と書かれている。ゲームタイトルに「Colorful」とあったが、色を決めるとは思ってもいなかった。とりあえず、好きな色の黄色を選ぶ。


 今度はタイマーが現れた。残り時間2:14、おそらくその時間が過ぎたらゲームが始まるのだろう。


 時間が余った。することが無くなって余裕が生まれた私は、自分の服装に目を向ける。


 小学校時代からずっと共にしてきたメガネ(もちろん、買い替えたりはしたが)がなくなっている。服は肌を一切露出しない服装になっていた。髪型も変わっているのだろう、見慣れない髪が視界の隅に見える。体は現実の自分とそっくりそのままだった。


(服装は変えれても、体つきは変えれないのかな? どうせならマッチョなおじさんにでもなってみたかったけど)


 そんなことを考えている間に時間が来たようだ。青一色の景色が徐々に切り替わっていく。



 まぶしい光が煌々とあたり一面を照らしている……、なんてことはなかった。辺りは薄暗い、どうやら夜のようだ。


 暗くても周りが見えるのは目が悪い私にとっては新鮮で、あたり一面の見たことのない景色も一緒になって、心が弾んだ。


 はっと我に返って周囲を確認すると、私の他に10人程度の人がいる。そのうちの何人かはさっきまでの私と同じようにポカンとしている、自分を見ているようで少し恥ずかしかった。遠くには他の私達と同じような人の集まりがいくつも見えた。


 少し落ち着けたところで、これから何をすればいいのか思い悩む。このゲームは、何をするのも自由、が売り文句で逆に言えば、一切しなければいけないことはないのだ。とりあえず、地面の石を手に取ってみる。ずっしりと重さを感じて、そんな単純なことが私をわくわくさせた。さっきまで景色を見て驚いていた数人が、今度は石を握りってニヤニヤする私を見てあきれている。


 さっきまでの恥ずかしさがまた帰ってきて、それをごまかすように石を見つめていると、文字が浮かんできた。


 【石ころ:ふつうの石、たいした価値はない。】


 試しに今度は、足元の草をとってみて、また見つめる。


 【草:ふつうの草、たいした価値はない。】


 手に取って見つめると、詳細が表示されるらしい。腰にバックがあるのでそれに石や草を入れてみると、いくらでもバックの中に入った。そんな調子で石なんかを拾った後、顔を上げてみると、少し離れたところからこちらを見ているひとりの少女と目が合う。三回目だが、また恥ずかしくなってきた。ゆっくり少女の方へ歩いていくと、顔が明らかにひきつる。気のせいか、逃げようとしているようにも見える。その様子にちょっと傷付きつつも声をかけてみる。


リリィ「あ、ハハハ・・・大丈夫です?」

少女「えと、あの、多分あなたのほうが大丈夫じゃないと思うんです・・。」

 (完全にその通りだから言い返せない・・・。)

リリィ「いや、その、私ゲームをするのが初めてで・・・、その、いろいろと初体験で舞い上がっちゃって・・・。」

少女「そうだったんですか。ごめんなさい、失礼なことを言ってしまって。いや、それでも石を拾ったりするのはちょっと変ですけど・・・。あ、私の名前は『ゆー』って言います。」

リリィ「私の名前はリリィって言います、よろしくね。」

ゆー「こちらこそです。」


 沈黙してしまう二人。何か用があってこっちを見ているんだと思っていたが、もしかすると目の前で騒ぐ変な人に目が釘付けになっていただけなのかもしれない、とか考えていると、ゆーがしゃべり出した。


ゆー「実は、私もあまりゲームの経験が無くてですね、とりあえず一緒に冒険をしてくれる仲間を探していたんですけど・・・」

リリィ「そうなのか、でもごめん私は一緒に冒険は無理だ。初めてなことだらけだから、一緒に冒険なんて足を引っ張っちゃうよ。」

ゆー「そうですよね、ごめんなさい。でもこうして会ったのも何かの縁だと思います。フレンドになりましせんか?」

リリィ「いいけど・・・ごめん、フレンドってのになるにはどうしたらいいのかな・・・?」


 教えられた通りメニューと念じると、パッとメニューが出てきて、その中のフレンドの欄からフレンド申請を受諾した。


リリィ「これで大丈夫かな?」

ゆー「えぇ、ありがとうございます。ゲームに慣れたら連絡してくださいね。その時は一緒に冒険でも、いえゴミ拾いでもしましょう!」


 変人の誤解をとけないまま、ゆーは私の後ろ、――町へ入っていった。私も町へ入るのは別れた手前なんだか気まずい。遠くを見渡してみるとずっと平原が広がっている。町に戻るのはいつでもできるだろうと思い、平原を探ることにした。

新キャラの「ゆー」さん、少女のはずが口調からババ・・、げふんげふん、お姉さんキャラに思えてきた。ゆーさんは少女です。

あとリンスの下りですが、自分のリンスとかシャンプーの匂いが落ち着くのって変ですかねぇ・・?

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