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科学では説明がつかないこと。
先日、土着文明インディージネスの伝統行事が無形民族文化遺産に登録された。
その名をガランチャッブハロウバレルという。
その内容はインディージネス族が聖地としている水源地アクアスに族一番の力持ちが水の入った樽を湖に投げ入れるというものである。
伝承によると、冬籠りの間にアクアスに住み着いた悪魔が人々を旱魃に陥れようと毒の息を振りまいており、悪魔を倒さないと水が使えないと言われている。
自然科学に詳しいプロフェッサーは、『調査をさせてもらえれば悪魔なんていないことがわかる。湖底に沈殿した動植物が分解される際に気泡が出ており、それが冬篭りの間に気泡入りの氷てして湖面を覆っているだけ。』と述べている。
しかし、ガランチャッブハロウバレルまでは長老と力自慢以外が絶対にアクアスに近寄らないのに、氷が割れた途端に一斉にアクアスを取り囲んでお祭り騒ぎする様子は非常にエキゾチックである。