予知能力で財力チート
それはちょうど20歳を迎えた誕生日の朝だった。
ふと目がさめると頭の中に数字が浮かんでいた。
6631 258
何の数字だろうと思いつつ、いつものように身支度をし、大学へ本の返却に向かう。早生まれの自分はちょうどテスト期間の終わりに誕生日を迎えるため、それまでとは打って変わって物静かな構内を歩く。
年が明けるまでは電車の運行がしょっちゅう乱れるほどの大雪もなく、爽やかな小春日和だった。新芽の膨らみが大きくなっていることに春が近いことを感じていると、ようやく大学図書館にたどり着く。
入り口近くの返却受付で10冊の返却手続きが完了した旨を伝えられ、ほっと一息をつく。今度は何を読もうかとぶらぶらしていると、何となく新聞が目についた。
たまには目を通すかとパラパラとめくっていると、宝くじの一面広告か目についた。誕生日プレゼントに何か当たれば嬉しいなと思いつつ、スマートフォンで銀行アプリを起動する。ナンバーズというのが平日は毎日やっているらしい。
どれと5回分、合わせて10口応募して伸びをし、小説コーナへと向かう。
そして21:45分、閉館のアナウンスが流れた。3冊読破できたことにホクホクしつつ、駅へ向かう。
いつもと同じ22:12分発のターミナル行きの電車を待つ傍、お気に入りのネット小説の更新を確認する。しかし、平日のためか誰も更新はしていない。がっかりしつつ、音楽アプリを起動させようとする目に再び宝くじのバナー広告が目に入る。
そういえばナンバーズの結果が発表されているはずと気がつき、早速運営銀行の告知ページを開く。
そこにあるのは
6631 258。
疲れてるのかなと思って目頭を揉みつつ、今度は銀行アプリの購入履歴を開く。
履歴の数字は
6631 258
1等でそれぞれ1,064,251円と98,521円、
合わせて1,162,772円に当選していた。
バクバクとなる心臓の鼓動に夢じゃないかと頰をつねり、その痛みに笑みが浮かぶ。
その後、誰かに不審な行動が見られていないかと左右を見渡し、再度笑みを浮かべる。快感だった。
必死に平静を保ちつつ、無事に家にたどり着き、就寝した。
翌朝、目がさめると今度は
1752 995
という数字が頭に浮かぶ。
もう私は確信していた。目覚めたのだと。
もちろん当たったことはありません。
そもそもナンバーズを買っていません。
4つで1万分の1、3つで千分の1ですよ。
当たるわけないじゃないですか。
全体的に表現が雑なのは認めます。




