闘争の歴史ー賢者の石機構
良きにつけ悪きにつけ、時流にそぐわない存在というものは疎まれるものである。そのような存在は討伐されたり封印されたりと時代から姿を消してゆく。しかし、何らかのきっかけによって蘇ったり封印が解かれることがある。姿を現した存在はその意志を遂げようと動き出す。止めるものがなければ当然その意は成就されるが、そこに止めるものがあればどうなるか。当然、闘争が起きる。話によってその闘争の結果はさまざまであるが、その過程や信憑性について明らかな事例は少ない。そのような闘争の歴史の中で、幸運にも記録された1事例として、賢者の石の歴程がある。
―民俗学学会『神話大全7版』408ページ
賢者の石とは本来あるべき生命の老化や喪失を克服させるものとされる。人類はかつて、既存の科学理論では説明できない現象を引き起こす3個体の存在を確認している。賢者の石機構はその2個体の闘争の結果設立されたが、賢者の石機構の設立を最後に3個体とも観察されていない。
-賢者の石機構『100周年の歩み』序文