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支配魔術
「・・・ふふ。」
灯影さんがまた、妖しく笑う。
心なしか、肩も震えているよう。
笑いをこらえているようにも見える。
「どういうことなんですか?」
そう、言いかけた。
けど、口がうまく動かない。
「チョコレートの魔法、ご存知ですか?」
灯影さんが指をパチンと鳴らすと口がようやく動いた。
「魔法・・・小説とかでよく見る感じの?」
「ええ、そうです」
「なんだか、恋愛小説で出る・・・みたいな?」
「・・・そちらの魔法ではありません。
まあ、魔法というよりは支配魔術といったほうが正しいかもしれませんね。」
「支配魔術・・・?」
「では、紗代さん。今から僕の言う通りに動いてください。」
「は?なぜ・・・?」
「林紗代は自分の頬をつねる。」
灯影さんがそういうと、勝手に手が動き、右頬をつねり始めた。
「何で・・・っ!?」
「支配魔術・・、文字通り、支配する魔術です。
そのチョコレートには支配魔術が掛かっています。」
「・・・つまり?」