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違和感に愛をこめて

質問、誤字脱字がありましたらどしどし(優しく)教えて下さい!!

超高高度を巨大な黒い戦艦が不気味なほど静かに前進している。


遠くから見るとまるで超巨大なマッコウクジラといった感じだ。


が、クジラと違うところをあげるとすれば、背中にあたるところに無数の機銃、大砲が備えられ、

さらに後ろのほうには巨大な塔が突き出ているところだ。



ここは超巨大空中要塞「モンストロ」。

の上に突き出てる塔。

の中のブリッジ。


そこは薄暗く、窓はない。ただ無数の計器類とモニターが淡い光を放っている。


機器やモニターの前には、よくアニメで見るような美人さんが座っている。



彼女たちはこの「モンストロ」を動かしているオペレーターの方たちだ。

ほかにも整備士、コック、情報管理官、金庫番、果ては執事など細かいところに人が配置されている。


が、彼女らはプレイヤーではない。いわゆるNPCだ。


ダンジョン型拠点はダンジョン部、生活部のように二つに分かれている。

ダンジョンでは中ボスの、生活部では施設などにいるNPCの「クリエイト」が可能な

のである。


反対に都市型拠点は城壁部分と支援施設に分かれている。店舗や、門番などの警備ユニット、あと「~の街にようこそ」という役の人などがそれにあたる。


彼女らはこの四人にクリエイトされたモンスターなのだ。


そしてある程度の知識があればNPCのプログラムを直接いじり、

このように操縦などもさせられるようになるのだ。



そこで三人は各々戦闘準備を整えていた。


Dr.フロストは自分の乗る機体「テンパランスⅡ」の武装をチェックしている。


ルリは自分の着ている黒い着物に次々と武器弾薬を仕舞い込み、アイテムボックスにも

ありったけの装備を入れている。


そんな中、<アイテムボックス>内の手裏剣の数を確認しながら黒蟻が話し出す。


「で?今回の目的はなんや?」


「ああ、では作戦を説明しますね」


そういって唯一戦闘準備など必要ないかのようにのんびりと艦長席に座り、数本のダガーをくるくると回転させながらジャグリングして遊んでいたラヴは作戦を説明する。


「まず我々は、!っぐあああああ!!」


たが突然視界が揺れたかと思うと、体中に激痛が走った。


「なっ!っあああああ!!」

「ぐううううう!!」

「まずイ、い、しき、ガ……」


フロストがガクリと膝をつき、黒蟻が天井からドサリと落ちる。


ラヴも今までに死んだことはあった。が、ここまでの激痛は初めてだ。いつもなら三秒もすれば自動で安全装置が作動し、気絶という形で「DEAD」画面にいくはずだ。しかし五秒を過ぎても激痛は続く。まるでこれから本当に死んでしまうかのようだ。


「つき、ひ……」


瑠璃架がこちらに手を伸ばそうとしたまま気絶する。

ラヴは、月光(つきひ)は薄れゆく意識の中、倒れ込むようにしてその手を握った。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




妙に見覚えのある壁が目の前に見える。

……あぁ、黒蟻がいつもぶら下がっている天井だ、とラヴは気づく。

話すときにいつも見上げていたのだ。


ふい、と上を見る。


と、そこには瑠璃架が寝ている。自分の手を握ったまま。

そんな彼女に内心キュンキュンしながら、彼はなぜ自分はこんなところで寝て「思い出したぁ!!」意識が一気に覚醒する。


「瑠璃架!瑠璃架!!起きなさい!!」

ぐらぐらと揺するが瑠璃架は起きない。


ええぃ、仕方ない!


彼の決断は早かった。早くしないと彼女が起きるじゃないか。


月光は瑠璃架の耳元で、

「瑠璃架、起きないとちゅーしますよ?」

「わひゃう!!」

「起きましたか、ルリ」

「な、なななななにゃにをぉ!!」


動揺と羞恥で顔が真っ赤になっている。とても可愛い。

しかしラヴは『惜しい!あと少しだったのに』と考えていた。


「どうかしましたか?」

「どうかしましたかって、えと、えと、な、なんでもないっ!!」


スッとぼけてるラヴに、彼女は怒ってそっぽを向いた。怒って頬を膨らませる、その子供っぽい仕草がまた可愛いとラヴは思う。


と、ここで彼は、瑠璃架の素顔が見えていることに気付く。


「ルリ?仮面は?」

「あん?」

「いえ、ですからあなたの仮面は?さっきまで着けてたじゃないですか?」


そう、今ルリはいつものターゲットサイトのついた仮面を外し、素顔をさらしていた。


肩まで流れる、漆黒の黒髪をオールバックにし、その意志の強い瞳を際立たせている。

シミひとつない雪のような白い肌はその黒髪と相まって、白と黒の美しいコントラストだ。

何より目を引く彼女のチャームポイントは光り輝くそのデコだ。

夏、スポーツ少女(というか格闘娘)である彼女の額に浮かぶ汗をたまにべろりと舐め上げたくなるラヴ。


「!い、いやちょっと気分転換に外してた!ハハハ今つけるぜ!!」


「いったいいつの間にはずし「別にいいだろ俺が仮面外しててもよう!!もう、気にすんなよバカーーーーーーー!!」……(キーーン)わ、わかりました、気にしません。ん?あれ?」


「今度はなんだ!?」


「いえ、ああここにあった……っと。いえね、私の仮面も外れていたのですよ、なぜか」


「そ、それも気にするなーーーーーーーー!!」


「わ、わかりましたから大声出さないでください!」


何だろう、妙にいつもより可愛く感じると、ラヴは心の中だけでノロケる。



「ふむ、痴話喧嘩はそれくらいにしてくれないかナ」


「夫婦ゲンカは犬も食わんで?」


「夫婦ゲンカじゃないーーーーーーーーーーーーー!!!!」


ルリが懐からマシンガンを取り出し、袖口からマシンガンを抜いて、

もう片方の袖からはバズーカをずるぅりと引き抜いて三人(ラヴ、フロストがマシンガン、黒蟻はバズーカ)に向けて同時に発射する。


「くふふ、あはははは、うわー撃たれるーwww」

「ぬるいツッコミだナ(ニヤニヤ)」


が、ラヴもフロストも回避すら行わず、立ったままだ。


しかしラヴの前に来た弾丸は次々に消えていく。

ラヴの前の空間が水面のようにユラユラと揺れ、弾丸を飲み込んでいるのだ。


フロストの方はいっそ幻想的と呼べる光景が広がっていた。

弾丸が空中で止まっている。いや、凍っている(・・・・・)

数十発の弾丸がその軌跡ごと空気中の水分を凍らされ、止まっているのだ。

さらに脅威なのはそれほどに空間が冷やされたというのに、だれも寒さを感じていないのだ。

瞬間的な冷凍力とその精密性が、それを可能にしていた。


で、オチ。


「ちょ、まっ!?くっ、うおおおおおおお!!!」

ただ一人バズーカを向けられ、どうすればいいのか一瞬パニクる黒蟻。


躱せばブリッジの中で爆発(内部はさすがに破壊不能オブジェではない)、切り落とせばこの場で爆発(つまり、やはりここブリッジ)。


追い詰められた彼女は、


「<忍法・雨矢取り(あまやどり)>!!」


発射されたロケット弾を掴み取り(・・・・)


「あぁおうんっ」


人間では有り得ないほど口を開き、そのまま飲み込んだ(・・・・・)


「っ!ゲフッゴフゴフ」


どうやら腹の中で爆発したらしい。、口から黒い煙を吐いている。

だが黒蟻は全くの余裕だ。


が、しかしやはりキレてはいるようで、その蟻の仮面をぐいと外し、眉間に皺を刻んだ素顔をずいとルリの前に出すと開口一番、


「おいこらドういうつもりや、あぁ!?なんで俺だけバズーカやねん!!あんま調子のっとったらブチ殺すぞ!!」


とドスのきいた声を出す。


短いポニーテールと少しだけ垂らした前髪に病的に白い肌。

普段は人懐っこそうな印象を与える顔は憤怒を湛えている。

鋭く尖った目が殺意を込めてルリを睨みつける。陳腐な表現だがこれだけで人が殺せそうだ。


「チッ」


だがルリはそれを意に介さず今度は4つのバズーカを同時に構え、引き「やめなさいっ!」頭を床に叩きつけられた。二人とも。


「つ~~っ!」「何で俺まで……」


「まーったく、君たちは!仲良くできないんですか!だいたい、よく考えたらこんなことしてる場合ですか!?」


そうなのだ。先ほどの痛みは何だったのか分かっていないのだ。


「さっきのアレは何だったのでしょうか」


「バグじゃねぇか?」


「バグ、んー、あり得なくはないですが……取り合えずGMコールといきますか」


メニューを開き、「GM」コマンドを押す。


これでGM(ゲームマスター)に繋がるはずだ。


「………………出ませんねぇ」


しかし、いつもならすぐつながるはずの回線が一向に繋がらない。


「回線が混雑してんじゃね?俺らみたいに被害受けた奴がたくさんいたりしてよ」


「世界最高峰の超々スパーコンピュータ「B・D(バタフライズ・ドリーム)」が? いえ、それどころか繋がる気配すらないというか……まぁいいでしょう。ならその間に別の可能性を検証しましょう」


「フム、では敵の攻撃というのハ?」


「我々全員に気付かれずにですか?しかも侵入の痕跡も残さずに?」


「遠隔攻撃タイプのマジックアイテムなラ?オリジンクラスなら不可能ではあるまイ」


「まぁあり得なくはないですが……」


オリジンクラスアイテム。


『この世界の神が作ったといわれる、絶大な効果を持つアイテム。

  俗に公式チートと呼ばれる代物だ。(ホール・テクノロジーはあまり表に出ない裏技なので裏公式チートと呼ばれている)』


と、いうのが非公式設定(・・・・・)のアイテムだ。


なぜ公式ではないのかというと、そもそも公式ホームページには制作者達の動画しかなく、ルールも世界観もさっぱりわからないのだ。


ゆえに好きな奴らが各々好き勝手な憶測をならべ、wikiに投稿し、

某掲示板ではひと月に一回は集中議論スレが立つほどだ。



「それにしてはやはり妙なのです」

「妙?」

「ええ、先ほど<解析>したところ我々、どころかここにいるオペレーター達ですらHPが一ポイントほども減ってないのです」


そういうとラヴは再び<解析>のスキルを使う。しかし、やはり4人とも、そしてこちらの様子を窺っているオペレーター達もHPバーに減りは見えない。


しかしここで彼は何かとてつもない違和感を感じた。


何か強烈におかしなものを見たような……。


『このゲームは痛みで気絶したり、安全装置が作動するほど脳に負担がかかりすぎると「死んだ」ということになり、強制的に「DEAD画面」に移行するのだ。

もちろんその画面で待っていれば、だれか味方が蘇生してくれることもある。


が、たまに(というか極まれに)、痛みを感じない脳障害の方、拷問の訓練を受けた退役軍人などが

プレイすることがある。


そんな彼らは痛みで気絶することはないので、それらの不公平を無くすため、そして無敵ゲーなどという面白くないゲームをそんな彼らに味わわせないため、HPバーがある。


コレは数値で表されておらず(種族が非常に多岐にわたるため)、かすり傷で1ドット、片腕切り飛ばされてバーの五分の一(大抵の人はこれで十分気絶できる。)、頭や心臓破壊で即死となり全部減る、といった具合だ。


他にも毒や失血多量などでHPバーが減りつづけて死ぬこともある。』


と、ここまでがwikiにまとめてある非公式設定(・・・・・)のシステムだ。

なぜ非公式かとい(ry


「ふム、それは確かに妙だナ……。ホルテク(ホール・テクノロジー)の失敗作……とカ?」


「なぁ、もし仮に敵の攻撃やったらそろそろ第二波がくるんちゃう?」


「「「…………」」」


唐突な黒蟻のセリフに三人は固まった。


まずこいつが賢そうなことを言ったことに驚き、

実際賢いこと言ってるのに驚愕し(いつもは中身がない)、

いままで自分たちのボケ倒した時間に呆然として、



まずラヴが平静を取り戻した。


「さ、索敵!最大領域で!!」


周りにいる7人のNPCオペレーターに指示を出す。


それに対しオペレーターは実際に理解して動くわけではない。

音声コマンドに反応してそれぞれ行動を開始する。


「了解!!」

「スイッチボイス展開!!」

「っ!十二時の方向に敵反応あり!!数40!!」

「モニター、出ます!」


薄暗い空間に突然「パキュッ」という電子音とともに四角いモニターが現れる。


ラヴはしかし、そのモニターではなく、オペレーター達を見ていた。

やはり何か非常に違和感を感じたのだ。


なにか、こう、妙に、彼女たち、生き生き(・・・・)してないだろうか?


だがそんなことを考えている場合ではない。

さっきの激痛が敵の攻撃だとしたら、その第二波のこいつらは少なくともレベル900越えだ。

ついでに40という数にいやな予感を覚える。


いま『モンストロ』は高高度を飛行中である。

そこに突撃できるのは飛行ユニットを持っているギルドだけ。

で、さっきのような激痛を与えれるアイテムを持っている。

さらに戦闘メンバーが40人もいる大きなギルドといえば……



ただいま絶賛戦争中の『ホワイトナイツ』のペガサス隊ぐらいしか思いつかないからである。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




が、予想に反してモニターに映ったのはサルだ。


いや、コウモリの羽とねじれた角をはやした、空飛ぶサルだ。


手には大きなフォークを握っている。


「……レッサーデーモン?」


そう、そこには白銀の天馬ではなく40匹の醜悪な悪魔たちがいたのだった。


ラヴは眉間を揉むと、三人に振り返り、


「レッサーデーモン系で固めたギルドってありましたっけ?」


と尋ねた。


「聞いたことないナ」「俺もだ」「右に同じや」

「ですよね……」


このゲーム、「ワールド・オブ・ロード」はどんな種族にも(一部例外を除いて)なれるため確かにああいうキャラもたまに見かける。


が、40人ものプレイヤーがレッサーデーモンだけのギルドを作れば、少しは話に聞くはずだ。


だがそんなギルドは聞いたことがない。


なら空にだけいるエンカウントエネミー(ザコテキ)だろうか?


「んー、まぁごちゃごちゃ考えても仕方ないです。どうやら攻撃してきてるようですから、とっとと蹴散らしましょう」


「その前にレベルを確認しよウ。それでプレイヤーかただのザコかわかるはずダ」


「了解!敵を分析します!」

「アナライズ・アイ起動」

「……出ました!中級レッサーデーモン、数1、レベル140、下級レッサーデーモン、数39、平均レベル83です。」


…………いよいよもってな~にか変だ、とラヴは思う。

傍にいたフロストも首をひねっている。


「……ま、いいか。とりあえず、その中級がプレイヤー、残りは大方召喚獣の類でしょう。では、迎撃してください。フロスト、ルリ、黒蟻、仮面を着けなさい。『ホワイトナイツ』戦の前にこの艦の試験運用です。こいつを確保してギルドの本拠地を吐かせてそこを潰します」


「あ~、その意見には大賛成なんだがよぉ……俺の見間違いかもしんねぇんだけどさぁ、ずいぶん低いとこ飛んでねぇ?」


「俺もそう見えるわ……つか2時の方向にそいつらが出てきたっぽい城があんねんけど?」


「そんなバカなことがあるわけな……ぁ……ぃ……で…………」


あったのだ、そんなバカな光景が。



レッサーデーモンたちの奥に小さく映る、

うっすらと霧がかかった山に囲まれた、「いかにも」な魔王城が。


その「THE・西洋の城」は黒く邪悪っぽいオーラに包まれていて、

塔の先端には禍々しい悪魔の彫像が首を動かしこちらを睨んでいる。ガーゴイルだ。


ぐねぐねと蠢くイバラがそこかしこに巻きつき、締め切られた窓からのぞく光は緑だったり赤だったり。



そんな城の城壁では、ゴブリンやトロールが弓や弩を構え、フードを目深にかぶった魔道士たちが杖を振り回して指揮を執っている。


「う~ん、一体いつの間にこんな低いところを飛んでいたのでしょう?」


「それよりあんな「いかにも」な城を構えル、魔物系ギルドってあったカ?」


「しらね~よ。それよりあそこじゃないか?さっきのアレ仕掛けてきたの」


「なるほど、中途半端なホルテク|つこて(使って)俺らを潰して、その隙突こ思とったんやな」


フムゥ、たしかに筋は通っている。通っているが……。


「……まぁ現状ここがどこかわかりませんし、とりあえず情報収集と試験運用、それと暇つぶしを同時に行いますかねぇ♡」


「やっぱそれが本音かよ……」「ククク、まぁ楽しもうや」「新型のテストと行くカ」


三人がそれぞれ仮面をかぶる。それに合わせてラヴも邪悪に笑う白と黒のクマの仮面をかぶる。


「さぁて、さっきのアレの犯人かどうかはわかりませんが、」


仮面の下が、かぶった仮面よりも邪悪に嗤う。









「まぁとりあえず、愛を届けに行きましょう♡」


 

今回の文章でおかしな点がいくつかあったと思います。


それは可能性としては二つ。


1、伏線

2、作者の国語力の無さ。


・・・1だったらいいのになぁ・・・。

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