そういえば……に愛をこめて
今回衝撃の事実発覚。
ここはモンストロ。
の背中の後ろのでかい塔。
の一階よりいくつか上の階。
の荒れ果てたモダン風の部屋。
そこで僕はまた会議の開催を宣言した。
「はい!! 第二回! ラヴァーズ臨時会議の時間ですよぉー!!!」
「……あかん、やっぱ身体から脳、魂まで完璧に健康や」
「おい、お前気分は?」
「愛に溢れております」
「ダメやな」「ダメだな」
「愛こそ至高です」
「終わってんな」「終わってるな」
「クッキーが焼けましたよ〜でございます」
「俺いらね」「俺は食わんで」
「すまン、遅れタ」
「お、フロスト! クッキー喰おうぜ!」
「ム、ひとつ貰おウ(サクッ)……カボチャクッキーとは珍しイ。しかも焼き立てカ、誰が作っタ?」
「「ジャック」」
「ブゥーッ!!」
「吐くのは酷くないでございますか?!」
「ウルセェテメェら何てもの食わせやがル!! 僕の頭をお食べってかフザケンジャネェエエエエ!!!(ドジュウゥッ!!)」
「あ! 折角作ったクッキーが黒焦げに……でございます……ユルサネェデゴザイマス(シャキン……)」
「アッツ!! おいヒート! 俺の服に引火したぞテメェ!!(ジャキッ! ズガガガガガガガガガガガガ!!!)」
「痛いイタタイダダダ!! 流れ弾当たっとんじゃボケェエエエエ!!(ィイイイイイィイイン!!!!)」
……ん〜、うん!
「僕も混ぜて!!」
ナイフ抜いて飛び込むよ!
ちなみに魔王ちゃんは部屋の隅っこで繭みたいなのにくるまって小さくなってる。賢いね!(ドォオン!!)
あ、ヒートが繭に倒れ込んだ……。
相変わらずの運の無さ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
死屍累々。
銃痕がそこら中にあり、机は斬り倒され、所々火がついている。
落ち着きのある色合いの壁紙は血塗れで、掛けてあった絵の代わりに磔が4つ。
それを満足げに眺め、ラヴは口を開いた。
「ふと思ったんだけどさ、お腹空かない? あと眠くない?」
「……言われてみればぐっ! げほっ!!」
「せ、せやな……ゴブッ」
「〈メニュー〉……もうこんな時間カハァッ!!」
「ワタクシは死んでるで特に……でございます」
僕も〈メニュー〉を開いて確認したらナントびっくりもう夜10時!!
『明日創立記念日で休みだから朝5時くらいに襲撃しよう!!』って感じで約束して、起きたの朝4時だったから……お腹すごく空いたなぁ…………ちょっと眠いし。
「取り合えず、僕の階層に行って何か食べて、寝よっか。みんなも行きましょう?」
ぱぱっと装備を変更して英国スパイみたいなタキシードを着る。仮面も外してっと。
「せや、な!!」
黒蟻が壁に針で固定された腕を無理やり引きちぎり、残りの針を抜いていく。
「ん、わかった」
ルリは一度ドロリと形を崩し虹色の液体に、再び形が整った時は紅い、薔薇のようなドレスに着替えていた。
背中の切れ込みから覗く白い肌を這う長い黒髪が艶かしい魅力を放つ。
仮面も外してるから自信に満ちた強い瞳とオールバックのオデコがなんかもう、凛々し過ぎてヤヴァイ、僕の理性が。
「フム……ン、そうダ」
どうやって脱出しようか考えていたフロストは、
「俺のロボを……壊してんじゃネエエエエエ!!!」
“思い出し怒り”でヒート化、背中の壁ごと針やナイフを融解させる。脱出と同時に冷静になり、また〈アイテムボックス〉からコーヒーを取り出し飲む。
ついでにボロボロの白衣を新品に、熔けた仮面を外し素顔を晒す。
さらに半神状態からもとの自分の姿、ダークエルフになる。
「ではワタクシも」
ジャックの頭の中から覗く蒼い炎が燃え上がると、体に突き刺さった針が全てひとりでに抜け、宙をフワフワしてぽとりと落ちた。
さらに服も元通りになる。
え? え? 今の何?
「ジャック? 僕そんな〈スキル〉着けてないよ? 今の何?」
僕の質問にジャックは腕を組んで顎に指を添えると、
「強いて言うなら……人生経験でございますね」
「ポルターガイストと記憶の具現化だろ悪霊」
「はしたない格好でございますね雌狐」
「古いセンスだなジジイ」
……こ、これが世に言う嫁姑戦争(←違う)
「ま、まあまあみんな準備できたみたいだし、行こっか!!」
「何でみんなドレスアップしとんの?」
「しないの? 僕の階層で食べられるようになってるとこは『レストラン・オペラ座』だよ?」
「……お前の人形たちが劇やっとるあそこ?」
「そこそこ」
「あー、ほな着替えよか」
そう言って黒蟻もシノビドレスから真っ白の着物に着替えた。
ポニーテールも結い上げて白いかんざしを刺して、帯には白い蛇の模様が胴を巻くように一周してる。
もちろん彼女も仮面を外して、片目には紅い一輪の花を模した眼帯を着けている。
久々に仮面外して全員集合!
さ、ごはんごはん!!
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「なぁ、また何か忘れとらん?」
「デジャヴュか? 気にすんな」
「みんなはやく行こうよ! お腹空いて死にそうだよ!!」
「……その前に俺達が喰われそうだナ」
「ラヴくん、ワインは出るでございますか?」
「出るよ!! だからはやくはやく!!」
なんとまだ一日しか経ってないんだ!!!
ナ、ナンダッテー!!!
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