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鬼畜外道より愛をこめて  作者: キノコ飼育委員
LO☆VE!!
27/77

相談に愛をこめて

新章開始!!


・・・・まだ全然改訂終わってませんけど(汗



「と、いうわけでぇ……」


ちょっと溜め。


「第一回ラヴァーズラヴラヴ大臨時会議!はぁーじまぁーるよー!!」


「やかましい!!」


「はい……」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





ここは城。

の地獄と化した城壁内部。

の城の大扉の中。

から進んだ四階。

その廊下。

の天井に空いた大穴から直通で行ける玉座の間。

の玉座手前の広いとこ。



そこに『ラヴァーズ』の面々は超だらけ切った態度で集合していた。


仮面脱いでるし、各々好きなもの喰ってるし。


ちなみにラヴの上にはまだ少女が座っている。


ガチガチと噛み合わない歯を震わせている。



一喝されてしょぼんと凹むラヴを横目にルリが面倒臭そうに切り出す。


「でぇ、俺が司会進行勤めんぞ」


「え?僕じゃないんですか?」


「あ゛?テメェは、あー、アレだ。ソレ持って向こうで遊んでろ」


超面倒臭そうにくいっとラヴの膝上の元魔王を指差す。


「ひっ!!」


蒼白になって震え出す体を安心させるようにしっかり(・・・・)と抱いたラヴは、


「じゃ、僕と向こうで遊びましょうか?」


いやいやする少女をずるずる引き摺ると、空間が水面のように揺れて二人を飲み込み、また元通りになる。


「……結構地面に踏ん張っとったな」

「少し哀れダ」


「ハイハイこっちに集中しやがれー」


やる気があるのか無いのかわからない感じに手を叩き、ルリが切り出す。


「てかよぉ、結局マジにこっちに入っちまってんのか?」


いまいち信じられねぇと言外に主張するルリに対し、


「大幅なアップグレードという可能性は無くは無いガ……」


「殺しとる感覚がいつもより鮮明とか通り越して実感できるんや」


そう二人は反論する。


「何よりNPCのAIがありえないレベルで進化している他、異常な点が大量に見受けられル」


「とは言ってもなぁ……」

「いいじゃないですかっ!!別にどっちでも!!」


ピョンッと空間を揺らし、ラヴが戻ってきた。


「早かったナ」


「ん~、やっぱ参加した方がいい気がしましてね!ミンチスに後を任せて戻ってきたんです!!」


「“任せた”?つまり自動で判断してるってか?……いや待てよ…?」


そういえば自分もと、『スパイビット』に命令した時のことを話す。


「あり得んナ。作った俺が断言するガ、そんな応用性の高い命令アレにこなせるわけが無イ」


「せやったらやっぱゲームが現実になったってことやない?」


「だぁかぁらぁ!!証拠が足りなすぎんだよボケ!!なまじこのゲームはリアリティが高ぇんだ! いや、そうだ、誰か〈ログアウト〉試したか!?」


「君達が殺し合ってる間に僕が確かめましたよ。無理でしたけど」


「〈GMコール〉は!?」


「俺が既にしタ。応答無しダ」


「だったら……ん?待てよ?」


スッとルリはラヴを正面から見つめる。


対し見つめられたラヴはきょとんとして、


「どうしました?」


見つめ返す。


と、ルリの顔がみるみるうちに下から上へと真っ赤に染まり、ぷひゅ~~と湯気を出し始める。


「え?え!?ホントに一体どうしたんです!?」


「う、うるせぇよ!あ、ああんまこっち見んな!!」


耳まで赤く染まった顔を隠しつつぶんぶんと手を―――もとい、ナイフを振り回しながらルリは後退する。



(なんだろ?すごい真っ赤で可愛いな……あぁもうなんか夢とか現実とかどうでもいいから新しく“部屋”作って瑠璃架を監禁して■■して■■■やって■■みたいにシて犯りたくなってきたな)



他にも■■■とか■■とか。


そんなことをつらつらと考え付く度に何故かビクッビクッと反応するルリ。

赤い顔に潤んだ瞳が妙にそそる。


……なにこの生き物、超可愛い。


じりじりと距離を詰めつつゆっくり飛び掛かる体勢を整える。


ルリも少しずつ下がる。



「あー、お二人さん?仲ええのは素晴らしいねんけど戻って来てくれへん?」


「ボス、後でいくらでも襲っていいからこっちに来てくレ」


「……そうだね、後でシようか、ルリ?」


「……………うん」


「ギャップヤバすぎて逆にキモいねんけど」

「死ねぇ!!」


即元に戻ったルリは一歩で黒蟻に距離を詰め、腰に差した刀を抜き放つ!!


しかし黒蟻はいつのまにか抜いた小太刀でその刀を受け止め、


「忍法」「朧十字斬」「二連」


「「「「お前が死ねやぁ!!!」」」」



ステルスを解いた黒蟻が上下左右から同時に出現しルリを切り裂く!!


「ぐぅッ!!」


目の前の黒蟻を蹴り飛ばし後ろに下がると、斬られた箇所、虹色に硬質化した肌が元の柔肌に戻り、裂けた着物から覗く。



それを囲み、次々に口を開く5人の(・・・)黒蟻。


「クハハハハ!!」「ザマァ見ろや!」「リアルやったら億が一にも勝たれへんお前にも」「この世界やったら勝てる!!」「…………自分そっくりなヤツが喋っとるってのはかなりキモいもんやな」「いやお前も〈影分身〉やからな?」



「ますます“異世界トリップ”説が有力になったナ」


「プログラムってあんなに滑らかに黒蟻っぽく喋れます?」


「無理ダ。擬似的な人格を宿したり一つの人格を再現(コピー)するのは可能だガ、一体につき優れたスーパーコンピュータが一台ずつは必要ダ。何よリ、ボス、分身体の眼を見てみロ」


「綺麗な眼だね」


「そウ、どれだけ完璧なコンピュータ、それこそWoRのメインコンピュータであるBDにもそこまでは出来なかっタ。あれには確かに魂が有ル」


言われてみれば確かに、どのモンスターも非常に精巧に作られていたが、それでもやはり眼だけは奇妙な違和感があった。


「ん?あ、そっか!だからさっきルリの潤んだ瞳がとっても可愛かったのか!!」


「うるせぇ!!」


バキューンッ!!


「うふふ、ほら、可愛いでしょう?ここが現実かもしれないと分かったからちゃんと当たらないようにしてくれてるんですよ?」


「………俺を盾にしといて言う台詞カ?ちなみに俺が弾かなければ眉間直撃コースだったゾ」


「怖いなぁ君恨まれてるんじゃないの?」


「…………」


やれやれといった具合に頭を振るフロストを他所に激闘は加速する。




「余所見してんちゃうで!」「「「「「〈ステルス〉起動!!」」」」」


あっという間に黒蟻の姿が消えるが僅かに空間に歪みが残る。


だが問題はない。


凄まじい速さで動き回ればいい!!


僅かな歪みすら映らない超スピードで撹乱する黒蟻に対し、


「まてよ……現実と同じ?………だったら…」


ブツブツと呟き、再び顔を上げたルリは、



ニィヤリ



とこれ以上に無く凶暴に嗤っていた。



(確かにここは現実だ、何せ……)



「そぅかそぅか、じゃあリアルと同じように無様に這いつくばらせてやるよ」


「クハッ!!やれるもんならやってみぃ、見えるんやったらなぁ!!」


言いつつも周りを動き回る黒蟻。


だが何かが動いているのは分かってもどこにいるのか全く分からない。


「見えなくたってテメェの単細胞な思考は読めるぜ?……そうだな、その証拠に分身体を全員片付けてから潰してやる」


「まずテメェは一番安全な位置にはいねぇ」


右手に刀を、左手にガトリングガンを。


ガトリングガンを振り返ることすらせずに斜め後ろに突き出し、掃射しつつ半円を描くように前へスライド。


全ての弾丸が何かに当たり、僅かな空間の歪みにバチバチと電気が走り、幾筋もの血が流れ、ボヒュンと煙と共に消えた。



「無論一番危険な位置にもいねぇ」


流れるように刀を前に突き込む。


手応えを感じ、ぐりっと刀を抉るように捻ると歪みを蹴り飛ばして刀を抜く。


噴水のような血が歪みを濡らし、人の形を取ると煙となって消えた。


「二番目に斬り込むのもテメェじゃねぇし、今現在一番安全な位置で全体を見渡してるのもテメェじゃねぇ」


引き抜いた姿勢で半身になったところへ後ろから殺気が近付いてくる。


十分に引き付けたら体を一部硬化し小太刀を防御、同時に六本の薙刀が背中から飛び出し歪みを切り裂く。


さらに刀を真上に投擲。


矢のように進んだ刀は天井に張り付いた歪みを標本のように貫く。


「伏兵は床下から」


膝から完全充電状態(フルチャージ)のレールガンが現れ、電光一閃、磁力の弾丸が床を貫通する。


三ヶ所から次々に破裂するような音が響く。


「ラスト、テメェが本物」

ガトリングガンを真横に向けて掃射。


ギギギギギギギギギギギギギギギギギギン!!!!!


空間の歪みに色が着き、そこには全弾丸を弾き落とした黒蟻がルリを睨み付けていた。


「相変わらずのクソチートやな……」


「相変わらずカスだなぁアリンコ君?」


「………〈影分身〉、出力20%」



それは奇妙な光景だった。

黒蟻が横に一歩動く。


すると、もといた所にも黒蟻がいるのだ。


そうやって一人が二人、二人が四人と増えていき――――



三十二人の黒蟻が整列していた。



「ぐしゃぐしゃに解剖してぶっ(ッチン……)ごぼ………?」



「んで、ここが現実なら当然、リアルの技も使えるよなぁ?」


脇差しを二センチばかり抜き、仕舞う。


澄んだ音が一瞬、空気を切り裂くと、三十二人の黒蟻全員が袈裟斬りに血を吹き出し倒れていた。


一人だけ残し全て煙に還る。




「……世界観が崩れたナ。だがこれで魂ごとこちらに来たという証拠になるナ」


「やれやれ、週刊少年ジャブどころか『小説を読め!』でやってもブーイングもののチートっぷりだよ」



呆れた様子の二人を無視し、ルリは倒れた黒蟻に近づく。


グシッとわざわざ傷口を踏みつけ、再び脇差しを二センチばかり抜く。


キラリと白刃を煌めかせながら勝ち誇って見下すように嗤う。


「もう再生しかけてるか、まさに虫みてぇだな。まぁトドメを刺す前に聞いてやる。ご免なさいは?」


「千円で聞いたんで?」


ルリはニヤリとわらい脇差しを押し込む、黒蟻はとっくに完治していた身体をバネのようにしならせ足から大刀を生やして〈即死〉攻撃を放つ。





前にそれぞれ別々の空間に飲み込まれた。




「とりあえずスペシャルなオシオキを二人にやって来るけど見に来る?」


「興味なイ」


「そ、じゃあ分かったこと纏めといて」


「了解、ボス」


ほんの少し、頭に怒りマークをつけたラヴはまず黒蟻の方へ、次にルリの方へと行き来し、再び彼らが集合したのはさらに三十分後のことだった。


作者は感想のみが生きがいです。

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