この一撃に愛をこめて
とある五人の天才たちがいた。
どのくらい天才かというとインテル入ってるレベル。
そんな彼らは叡智を結集し、世界最高の性能を誇る超々スーパーコンピューター、その名も「バタフライズ・ドリーム」を作り上げた。
それは世界すらも再現できる性能を持っていた。
世界が注目する中、彼らはそれを使い超々巨大MMORPGを作り上げた。
それが「ワールド・オブ・ロード」だった。
公式サイトには
『「これはいわゆる天界、魔界、人間界の三界間が舞台のゲームだ」「なおこのゲームにはHPなんていうぬるいシステムはございません。攻撃当たるととても痛いです」「気絶したら死んだってことになるからなー。あ、あとジョブとか種族とかスゲェたくさんあるから楽しんでな」「ま、細かいルールは実際にプレイした奴がwikiとかにうpしてくれおww」「そうそうこのゲームはリアルの顔を100パー再現すっから、ゲームだからってイケメンにはなれねぇぜ(笑)」「まぁそういう感じだ、楽しんでくれたら幸いだ」』
という天才達五人のメッセージ動画だけだった。
そしてこの動画に惹かれた者がやりだしてたちまち大ヒット。
このゲームの特徴はいわゆる何でもアリな自由度だ。
転生で種族変更(魔族魔物天使人間亜人機械人など多種多様)、多種多様なジョブ(とりあえずあらゆる職業)、スキルはメイン一つ、サブ四つ、サポートが五つの計10種類まで覚えれる(やりようによっては剣技使える僧侶ができる)、Lv999、もちろんPKも。
強い必殺では刀で本当に山を真っ二つにできる。(だいたい三日くらいで直る)
あと装備やコスチュームの外見、というかほぼ全てのアイテムが自分でデザインできる!!
おかげでここは結構コスプレしてプレイしてる人が多い。
極めつけはシステムに意図的に残してある穴、これを使えばチート無しでチートのようなことができるのだ!!(例えば破壊不能オブジェは移動はできる。のでそれを盾にする、など)
しかしこれは気付いた人がいても一人で独占するのであまり表に出てこない。
これには「ホール・テクノロジー」という俗称がついている。
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ここはどっかの城。
の玉座の間。
の玉座前の広いとこの床。
そこで僕たち4人は円になるように向かい合っていた(やはりあぐらで)
けど前回と違うのは、僕以外の三人が玉座の方を指さしているところだ。
僕は玉座の方を振り返る。
玉座には、少女が座っていた。
腰まで流れる黄金の髪、艶やかな肌、少しだけふくらんだ胸。十人いたら十三人は彼女をふつくしいと称賛するだろう。
その少女は目隠しをし、可愛らしい小さな舌をチロリと出して小さく震えている。時折ピクッ、ピクッと痙攣しているようだ。
伸ばした舌は黒い針に貫かれ引っ込めなくなってる。
手も、腕も、肩も、腹も、太ももも、膝も、足も何本ものダガーに貫かれ、玉座に縫い付けられているからプルプルしてて可愛い。
痙攣?ダガー一本一本が強弱つけて電流を流しているんだよ。
ふむ? あれがどうしたのかな?
「あぁ、彼女はもうしばらくあのままです」
「なぜダ?」
本当に何を言ってるんだ彼らは?前から無いと思っていたがまさかここまで常識が無いなんて……。
「何でって……愛でるために決まってるでしょう? 常識的に考えて」
「あぁ……でたよこいつの『常識』」
「やれやれ、運が無かったんやなこの子」
「哀れだナ」
んん?本当に何を言ってるんだ?僕はこんなにこの子を可愛がってるのに……あぁ! そうか!
「あ!! 蹴りを忘れていました!!」
僕は一足飛びで彼女の前に立つと、そのまま踵を抉り込むように彼女の鳩尾を蹴りつけた。
「えうぅ!?」
思った通り可愛い声だ♡
あんまり可愛いからこのまましばらく蹴り続けよう。
「えうっ!! ひゃえっ! ひゃえひぇひゅあひゃっ!! っっっっっっっっっ!!!!」
舌に突き刺さった針のせいでうまく話せない彼女が可愛らしい。
それでも命乞いをしようとする彼女が愛おしい。
「~~♪~~~~♪~~~~~~♪~~~っ!よし、ぱー、ふぇく、とっ!!」
ふぅ、あんまり彼女が可愛いからつい「達人の太鼓」をやってしまった♡
反省反省(笑)。でも可愛いかったなぁ♡
なでなで。
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少女は最後の一発で既に意識はない。
彼女の足元に徐々に水たまりが広がっていく。
この光景を見ていた人斬忍者と狂科学者と乱射魔は、
あらためて自分たちのリーダーである彼の異常さを認識した。
本名 丹生 月光、キャラ名ラヴ。
ジョブ トリックスター。
その二つ名は『異常識人』ラヴ。
「ワールド・オブ・ロード」最凶のPKプレイヤーである。
やっと主人公の名前が出た(汗
次回は今回よりグロ低目です。(たぶん