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噂をすれば愛をこめて

ここは超巨大空中要塞『モンストロ』。

の上に突き出てる塔。

の中のブリッジ。

の下の階。

休憩室。



ちなみにラヴがハッスルしてるのは塔の一番下の階層。






「ふぃ~」


銀色の光が生まれ、パァッと弾けると、ルリが降り立つ。


「危なかったナ」「ホンマやで」


プシュウッと入り口が開き、黒蟻とフロストが入ってくる。


三人はそれぞれ席にぐったりと座り込む。


「あいつ興奮したら見境ないからなぁ」


「いい迷惑やでホンマ」


「彼女も馬鹿なことを言ったもんダ」


それきりみんなぐったりとする。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「あ~あ、あいつ今頃お楽しみなんだろうなぁ」


しばらくしてルリが口を開く。


「リーダー、ああいう『仲間のために!!』みたいなやつ大好きやからな」


「……何されてると思ウ?」


「ん~、アレやない?安全基準全く満たしてないようなロケットに乗せて発射するやつ」


「『斬風』とか名乗ってたんだろ?じゃあバターになってんじゃね?」


「……俺はプレスだと思ウ」


「プレスぅ?アレ一番楽(に死ねる)だろ?そんなのあいつ使うかねぇ?」


「ボスは元ネタから大幅に手を加えてル。……プレスは減圧室に閉じ込めて減圧シ、いきなり穴を空けル」


「あ?で、どうなるよ?」


「急激な気圧の変化に体が耐えられずニ、内部から破裂すル」


「うげぇ!!」


「または内臓が口から飛び出ス」


「うぅえ、よう考えんでホンマ。たかがゲームの世界でそんだけエグいこと思い付くんやからなぁ。……ちなみに俺の言うたヤツはちょっとずつ加速するんや。んで座席に縛り付けられたモンは自分が潰れていく様を見ることになるんや」


「それもエグいナ」


「しかも、前にしか倒れへんリクライニングシートに飲み物とクラシックのおまけ付きや」


「シュールだナ」


「あーでもあれだな、千本なノックは勘弁してほしいよな」


「あぁ、アレはさすがにキツイやんな」


「たしカ、ボスはアレの音がお気に入りだとカ」


「えぇ、徐々に肉が潰れていく音が素敵なんですよぉ♡」


「ホンマ趣味悪いで」


「それに、つば吐かれてもむしろご褒美とか抜かしやがる変態だしなぁ、ギャハハ!」


「……へぇ、僕は変態ですか(ニッコリ)」


「「「!!!」」」


いつの間にかラヴがルリの背後から首に手をまわし、翼で包むようにして立っていた。


見方によっては天使の抱擁に見える。


が、かたや蒼白で、かたや獰猛極まりない笑顔なので、肉食獣が獲物を逃がさないようにしているかのようだ。


「ま、待てよ、アレだよ、ほら、な、なんていうかそ「フロストー?ちょっとの間指揮を任せるね~」「了解」って聞けよ!」


「いや~それがあの子、意外に脆くてですね。欲求不満なんです。体が火照ったままなんです。だから発散に協力してください」


「んなウルんだ目で見んな!!!」


ラヴの目が好色な色と嗜虐的な光を帯びる。


スルスルと蛇のように腕が首へと絡みつく。


「30分ですませろヨ」「頼むから別の部屋でヤってな」


「ま、待てって!俺の意思は!?せ、セクハラ防止コード発動すんぞ!」

「おや?この前それをやってリアルで自分がどうなったか、忘れたんですか?」

「!! う、うぅ……」


「思い出しましたか?さ♪立ってください♡」


ラヴがその細い指をルリの顎にあて、妖しく微笑んだ。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ズルズルと引きずられていくルリを見ながら、黒蟻はリア充爆発しろと、フロストはドナドナを呟きながら彼女に同情した。


「なぁ、あいつら確か付き合ってたやんな」


「アァ。昼休みに弁当交換しているのを見たことがあル」


「……なんでルリはリーダーについていけんの?」


「なんだかんだ言ってモ、ヤツはボスにベタ惚れダ。それにボスに対してだけヤツはドMダ」


「……さよか」


「そうなんダ」


そう言うとフロストは白衣の懐からフラスコを一本取り出す。中身は黒い液体に満たされている。


キュポンと蓋を抜くと湯気とともにほのかに香ばしい匂いが漂いだす。フロストが仮面の端に手をやり、そこにある小さな突起を押す。


と、仮面を構成している歯車が回りだし、口の形の隙間を作る。


フロストはそのままフラスコを無造作にあおる。かなり飲んでから口を離すが,

フラスコの中身はごく微量しか減ってない。


「……それ、中身なんや?」


「コーヒー」


「……鯨飲フラスコそんな風に使う変人はお前だけやで」


黒蟻が呆れたように首を揺らし、仮面の顎をカチカチと鳴らす。


「ポーションは不味いんでナ」


フラスコを懐になおすと、一拍置いて、


「ところデ、黒蟻。今日は何か違和感(・・・)のようなものを感じないか?」


「ハ?別に?むしろいつもより楽しいと思っとるくらいやで?」


「……そうカ」


いつもより楽しい(・・・・・・・・)


それこそが自分の感じている違和感だと、彼は考えていた。


だがだからどうした、それがなんだと、はっきり言えないうちはいつものように口を閉じていようと彼は結論付けた。

えー誤字脱字がございましたら感想で教えてください。


・・・ここあんまり書くこと無いなぁ。

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