Ⅶ 悪魔と狼とトランプ
狼さん「暇だなー」
デル「おい!闇医者!」
狼さん「誰が闇医者だ!って、デルじゃねえか。」
デル「こいつを診てくれ!」
狼さん「って、急患かよ。」
う・・・ん・・・
目が覚める。
ここは?ベッドの上?
「お、起きたか。」
灰色のぼさぼさの髪をした狼族の男性が近寄る。
ここは?
「保健室。しかし、さすが天使だな。あの大怪我がもう治った。」
怪我?そうだ。クラブを止めようと・・・
デルは!?クラブは!?
「落ち着け。デルは魔力の使いすぎで、お前を運んできてすぐに倒れたから隣のベッドで寝てるよ。」
カーテンの奥から寝息が聞こえる。良かった、無事か。
そういえば、肩が痛くない・・・
服に穴は開いてはいるが、傷跡は見当たらない。
「そんでもって、クラブは仕事を終えて自分の部屋に帰った。」
仕事・・・
結局止められなかったのか。
「俺の自己紹介をしてなかったな。俺は狼。赤頭巾に出て来る。」
あ、あの狼ですか。
「狼って沢山でてくるから名前がややこしいんだよな。」
それもそうですね。
「だから、自分で名前をつけるわけ。俺はライって付けたんだ。」
いい名前ですね。
「そういえば、お前って女みたいな体してんだな。」
体・・・!?な、何をしたんですか!!
「いや、上着を脱がして傷を診ただけだよ。」
・・・そうですよね。ごめんなさい。
「でも、そういう可愛い子が俺の好みなんだよな。」
え?何を言い出すんですか?
「そう、怖がらなくてもいいだろ。俺は優しいほうだから。」
く、来るなあああ!!
ごすっ!
「この、変態教師め!」
あ、デル。
「・・・花瓶で殴るなよ。凶器だぞ、花瓶は。」
「後悔はしてない。」
デルが来てくれて助かったよ。
「もう、怪我のほうは大丈夫なのか?」
うん。治った。
「ならいい。」
「デル・・・もしかしてこの前のこと怒ってんのか?」
「な、何を言い出すんだ!!」
何かあった?
「俺がこいつをベッドに・・・」
「子供の前で何を言ってるんだ!!」
何があったんだよ?
「あのな、俺がこいつの・・・」
「言うなああああ!!」
・・・。聞かないでおこう。
ガラッ
「あ、ダイヤじゃないか。どうした?」
金髪を後ろで一つで結んだ髪型をした18歳ぐらいの人が入ってきた。
ん?ダイヤってことは、トランプの兵隊・・・
「いやークラブが珍しく怪我したやろ。誰が怪我さしたんかなって思ってきたんよ。」
独特な話し方だな・・・。
「俺だ。」
デルが前に出る。
「あんさんか。おや?あんさんは確か・・・」
「ケンカなら外でやるが、どうする?」
火花が飛散る。
ま、待ってください!クラブさんを怪我さしたのは俺のせいで・・・
「エージェは関係ない!」
しゅん・・・
「まあ、落ち着きーや。タイマンしたくて探しにきたとちゃう。わいの興味範囲や。」
なら、よかった。
「あんさんはこれまた女々しいんやな。お肌もすべすべやんけ。」
ダイヤさんが俺の頬を触る。
「エージェに触るな!」
デルがダイヤを睨みつける。
「はは、じゃあ、わいはここらで去りますわ。しっかし面白いな。」
「何がだ!」
「悪魔と天使が仲良しって、ことがや。」
ダイヤが出て行った。・・・悪魔って?
「あれ?デル、この子に教えてないのかよ。」
「・・・。」
もしかして、デルが悪魔・・・?
「・・・。」
デル?何で言わなかったんだよ。別にいまさら驚かないって。
「・・も。」
?
「何も、覚えてないのか?」
何が?
「・・・ならいい。」
何なんだよ・・・
続く・・・です。
コ●ラのマーチを食べてるといろんなアイディアが浮かぶなー。
あ、御伽噺のキャラクターで出して欲しい人がいたら、
感想で教えて下さい♪
出しますよ☆