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 Ⅳ 時計と兎と銃

エージェ「今、銃声が聞こえましたよね?!」


ハッター「いつものことだから気にしなくていいですよ。」


エージェ「もしかして、事件ですか!!」


ハッター「だから、いつものことなので無視しててください。」


エージェ「・・・はい。」

青空が広がる午前11時。

校内はとても静かだった。


その中で一人、エージェは悩んでいた。

(おかしい。銃声が聞こえたのに誰一人気にかけない。

しかも、そのまま授業を続けるなんて・・・おかしすぎる。)


エージェは時計を見る。

さっきまで11時を指していた時計が今では11時20分を指している。


(時計もおかしい。

まだ、一時間目も終わってないのにもう、11時過ぎた。)


エージェは悩んでいた。

この教室の中にピリピリとした空気がずっと流れている。


  狂気  殺意  恨み  妬み  


そんなものが、この空間に漂っている。

悩んでいると、チャイムが学園内に鳴り響いた。


「はい、次は昼食の時間ですね。 五時間目は数学なので、

応用クラスはKクラスに、標準クラスはQクラスに、

基礎クラスはJクラスに移動ですよ。」


「はーい。」


教室内に笑い声が響く。 

「エージェ君。」

後ろから呼び止められた。ハッター先生だ。


「今から、デル君と生徒会室に行って下さい。」

少しあせっている様な話し方だ。


「デル君って?」

エージェはまだ、クラスの人の名前と顔を覚えていない。

「一番右の列の一番後ろの子です。生徒会室はデル君が知っています。」


そう言うと、ハッターはどこかに行ってしまった。

「何、急いでるんだろう・・・」


エージェはデルの席のほうを見た。

白い髪の男子と一瞬目が合ったが、すぐにそらされた。

「あの、デル君だよね?」

話しかけてみる。

「あ、ああ。」

返事はしてくれたものの、目を合わせようとはしない。


「先生が一緒に生徒会室に行くように言われたんだけど・・・」

デルの目は綺麗な赤い目で、右目は眼帯をしていた。

「そ、そうか。」

エージェが顔を覗き込もうとするたびに目をそらされる。


「じゃあ、行くか。」

目を合わせようとしないまま、逃げるようにデルは席を立った。

「ああ。」

エージェも追いかけるように教室を出た。


無言で廊下を歩き続ける。

「あのさ、」

デルを呼び止める。 デルのかたがびくっと震えるのが見えた。

「なんか、悪いことした?嫌なことをしたなら謝るけど・・・」


デルの歩くスピードが遅くなる。

「いや、俺が悪いんだ。」

「・・・なにが?」


デルはこの質問には答えずに無言で歩くスピードを速めた。



******************************



職員室でハッターは怒っていた。

「ホワイト!授業が出来なかったじゃないですか!!」


時計が進んでいることにはとっくに気づいていた。

「おかげで、お腹もすいていないのにお昼ご飯を食べるんだよぉ~」

マーチが隣でロリポップを舐めながら呟く。


この学園で時計の鍵を持っているのはホワイトだけ。ってことは犯人はホワイトしかいない。


双子(トゥイードル)の仕業だ。」

ホワイトが呟く。


「ってことは、あの子がアリスなの?」


・・・下から声がした。

見下ろすと理科の教師のヤマネがいた。


「アリスではない・・・。」

ホワイトが表情を曇らせる。


「じゃあ、あの子は誰ぇ~?」

ハッターがマーチの頭を撫でる。


「亀の味噌汁だね。」

ヤマネが呟く。


「神のみぞ知る、って言いたいのですか?」

緊張した空気が消えた。






**************************



デルが歪んだドアの前で止まる。

「ここだ。」


プレートには文字が書いてあるが読めない。

「なんて書いてるんだ?」


見たことのあるような文字だが、読めない。

「それは、鏡文字で生徒会室と書いてある。」

デルが囁く。


確かに鏡文字で書いてある。

「なんで、鏡文字?」


よく見ればドアの『押す』と、書いてあるところも鏡文字だ。

「鏡の国だからな。」


デルが呟く。

「?」

「後で、わかる事だ。」


デルがドアを押す。 ゆっくりとドアが開いた。


「失礼します。」

エージェも続いて入る。

中は電気がついていなくて、薄暗かった。


 もきゅ・・・

何かふわふわしたものを踏んでよろけた。

「・・・?」


足元を見るとくまのぬいぐるみがあった。

「足元に気をつけろよ。」


デルがよろけたエージェを支える。

「あ、ありがとう。」


カチッ という音がして電気が付いた。


「ばあ!!」

「うわっ!」

いきなり目の前に人の顔が出てきて、エージェは驚いた。


「ビックリしたかな?ドルディー。」

「すごく驚いてるよ、ドルダム。」


デルが腰を抜かしたエージェを抱き起こす。

「こいつらが、生徒会長のトゥイードルだ。」


デルが双子を指差す。


エージェの目には同じ顔が二つ映っていた。

そして、エージェは気絶した。






                        つづく・・・んだってさ

眉毛のコアラ出無いな・・・


読んでくださりありがとうございます!

まだまだ続くので読んで下されば光栄です!!

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