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 Ⅲ さあ、迷子にならないように気をつけて

マーチ「あれれぇ~エージェ君って、デル君と同じクラスだねぇ~」


エージェ「デル君って?」


マーチ「会えばわかるよぉ~変わった子だもん~」


エージェ「変わった人はもういいです。」

 正式に転向した日から次の日。


「では、君の部屋は13号室になります。チェシャ君と同室です。」

ハッター先生が部屋の合鍵を渡す。


俺、エージェは今日から新しい高校生活が始まった。


「チェシャ君は2年生です。風紀委員長もやっているんですよ。」

「・・・2年生でも委員長が出来るのですか?」

「ええ。年齢は関係ないのですよ。」


変な学校とは思ってたが・・・。いや、そんな高校なんて沢山あるかもしれない。


「そうだ、私の部屋の合鍵を渡しますね。」

ハッター先生の部屋の合鍵を受け取る。

合鍵には帽子方のキーホルダーが付いている。ん?なぜ先生の部屋の鍵・・・?


でもなんで先生の部屋の鍵を?

「寂しくなったらいつでも来て下さい。いっしょに寝てあげますから。」


「お返しします。」

合鍵を押し返す。 残念そうに受け取るハッター先生。 


死んでも行くか。


「では、荷物を置いたら8時から授業があるので、遅刻をしないようにしてください。」

はい。


ハッター先生が帰った後、鍵を開けようとドアノブに手をかけた。


      カチャ


鍵はかかっていなかった。

「お邪魔します・・・。」


ドアを開けると中にはチェシャさんと思われる薄い紫の髪をした猫族の人がいた。


「あの、今日から同室になるエージェです。」

「ミー。」

「・・・・え。」

何なんだよ、「ミー」って。 言葉が通じてないのか?


「あの・・・荷物、置いてもいいですか?」

「ミー。」

良いのか、悪いのか分らねぇよ! 


とりあえず、荷物を置く。

「ミーミミー、ミー。」

「え?」

何か聞かれたらしい・・・のか?


「えっと・・・。」

「ミーミー、ミー」


分るか! 「ミ」以外で話せよ!

チャイムが鳴った。  よし、逃げられる。


「あの、ボク、授業があるんで。」

部屋を急いで出る。 何なんだ、あの先輩は・・・。




***********************************




授業には何とかギリギリで間に合った。

もう、ハッター先生は来ていた。


「みんな、彼はエージェ・マンハッタン君。新しいお友達です。」

みんなから拍手が贈られた。 何か恥ずかしいな・・・。



「じゃあ、出席をとります。エージェ君が名前を覚えやすいように、なるべく

大きな声でお願いします。」


『はーい』という返事が教室内に響く。 クラスの奴はまともらしいな。


「こっちだよ」

黒髪の男子が前の席を指差す。 俺の席はなぜか先生の真前・・・。

「ありがとう」

優等生スマイルでお礼を言う。しかし、白い肌の人だな。 まるで、雪の様だ。


「じゃあ、出席をとりますよ、 バット・ウルフ君。」

「はーい」

やる気の無い声が俺の横で聞こえた。  

狼族だ。顔に火傷の跡がある。・・・しかし、変わった名前だな。

直訳すると、「悪い狼」だ。 ニックネームなのか?


「シンデレラ君」

「はい。」

可愛らしい声が後ろのほうで聞こえた。

振り向くと茶髪の可愛らしい男子だった。 ちょっと残念だ。

しかし、「シンデレラ」って、変な名前だな・・・それともニックネームなのか?


クラスの中を見渡すと、全員男子だった。 

そういえば、校舎内をさ迷ったとき、女子には会ってない気が・・・


「白雪姫君。」

「はい。」

さっき、席を教えてくれた奴だ。・・・どっかで聞いたことのある名前だな。

う~ん、思い出せない。


「ヘンゼル君」

「はーい。」

これも聞いたことがある名前だ・・・ん?もしや、ヘンゼルがいるという事は・・・


「グレーテル君」

「はーい。」

よっしゃ! ビンゴだ!・・・って、なんで分ったんだろう。


何か、規則性があるような気が・・・


「アラジン君」

「はい。」

あ、もしかして・・・


御伽噺おとぎばなし!!」


静まり返る教室・・・

「エージェ君、静かにしようね。」

ハッター先生が俺の頭を優しく叩く。


「すみません・・・」

笑い声も聞こえる。 最悪だ。






************************************



生徒会室と書かれた部屋で双子の少年らが楽しそうに笑っていた。


「聞いた?御伽噺って言ってたよ、ドルディー。」

「聞いたよ。彼、面白いね、ドルダム。」

「でも、間違っては無いよね、ドルディー。」

「ああ、いいところまで来たよね、ドルダム。」


「次はデルに会わせないとね、ドルディー。」

「彼、きっと喜ぶよ、ドルダム。」


ドルダムは壁に掛かっている電話機を取った。

「もしもしー、ハッター?エージェ君に会いたいんだ♪ え?授業中なの?

じゃあ、昼休みに来るように言ってよ。じゃあね、バイバイ。」


受話器を置くドルダム。

「昼休みまで待てないよ、ドルダム。」

「じゃあ、ホワイトに頼んで時計を進めてもらおうよ、ドルディー。」


ドルダムはドルディーに電話を渡した。

「もしもしー、ホワイト? あのね、校舎中の時計を・・・」










そして、五分後。校舎内に銃声が響いた。




                         つづく

うわあー!コ●ラのマーチが無くなった!!

誰だ!食べたのは!!

・・・え?自分で食べた?

そうだったけ?


余談はさておき、

見ていただきありがとうございます!

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