ゲー症異世界へと転生する
俺はゲー症だ。幼稚園の頃から社会人の今まで、ゲームに触れてからずっとやり続けている。中でもFPSとか格ゲーとかPvPをするゲームが大好きだ。だいたいのゲームでは世界ランカーになるレベルにはやりこんでいる。界隈ではそれなりに名の知れた存在だ。
彼の名は結城永夢。現代人の中でも生粋のゲーム好きである。
そんな俺だが健康を崩さない程度に私生活はちゃんとしている。自炊はもちろんのこと部屋も清潔に保っている。健康を崩しては楽しくゲームができないからだ。まぁ睡眠時間は人より短いと思うが気にする程では無い。会社でもそれなりにコミュニケーションをとり快適に過ごしている。
ある日の朝、俺は前日のランクマやり込みにより寝坊してしまい、いつもとは違う電車に乗った。幸い時間的には間に合いそうだ。そう考えてる時、全身に衝撃が走った。どうやら電車が事故を起こしたらしい。全身の感覚が薄れていく。これが死かと俺は覚悟した。
「もっとゲームがしたかった、、、」
そう呟いた時、視界が真っ白になりゲームのようなテキストが現れた。
“─コンティニューしますか?─”
Yes No
俺は迷わずyesを選んだ。途端に白い視界が晴天と野原に変化し、白髪に立派な髭を蓄えたいかにも神といったようなおじいさんが現れた。
「貴様、2度目の人生を望むものか?」
「そうだ」
「貴様はもう一度生を受ける権利を得た。しかし同じ世界に生まれ変わることは不可能だ。それでも生まれ変わりたいか?」
俺は少し悩んだ。他の世界にゲームなどあるのだろうか?しかしゲームの無い世界だとしたら、転生する意味が無い。
「どんな世界か事前に見ることは出来ないのか?」
「すまぬが、そのようなことはできぬ。しかし、世界につけられた名なら教えてやることが出来る。聞くか?」
「あぁ、もちろんだ」
「まず貴様のおった〔文明の世界〕そこからさらに発展した〔未来の世界〕海中に高度な知能をもつ生物が生活している〔海の世界〕巨大生物や巨大植物の栄える〔原始の世界〕そして、魔物や魔力が存在する〔剣と魔法の世界〕の5つの世界がある。特別に貴様には〔文明の世界〕を除く4つの中から生まれ変わる世界を選ばせてやろう」
正直どれもかなり魅力的な選択肢だ。ただ俺が望むゲームが存在する世界はおそらく〔未来の世界〕のみだろう。だが俺は、、
「〔剣と魔法の世界〕にする」
「本当にそれでいいのだな?」
「あぁ、構わない」
「早速じゃが今から魂の転生の儀式を始めるぞい」
そう言うと神は呪文のようなものを唱えだし、俺の周りに魔法陣が何層にも展開され、俺は意識を失った。