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箱シリーズ

赤くなっていく箱

作者: リィズ・ブランディシュカ



 頭が痛い。


 目を覚ましたら、箱の中に入っていた。


 それにしても頭が痛い。


 一体どうしてこんな箱の中に?


 頭が痛い。頭が痛い。


 箱の中は真っ暗で、そして狭い。


 頭が、頭が痛い。


 自分一人が入るくらいのスペースしかない。


 頭がいたいいたいいたい。


 なぜ自分がここにいるのか、思い出そうとしても、何も浮かばなかった。


 いたいいたいいたい。


 それどころか自分の名前とかも、まったく。


 いたいいたいいたいいたいいたい。


 箱を叩いたり蹴ったりしてみたけど、びくともしない。


 いたいいたいいたいいたいいたい。いたいいたいいたいいたいいたい。


 声をだしたが、人の反応もない。近くにだれもいないようだ。


 い。


 けれど、唐突にごとっという音がして、箱が運ばれていく気配。


 た。


 そして、ごうっという音がし始めた。


 い。


 箱が真っ赤になっていく。


 頭が痛い。そうだ思い出した。転んで頭を打ったんだ。

 それで、意識が落ちた。死んだかと思ったけど、生きていたようだ。


 なら、声を出して知らせないと。

 きっと他の皆は俺が死んだと思っている。


 じゃないとこんな箱に入れられたりしない。

 人間が入る所じゃないんだ。この箱には。


「おーい! 誰か! 頼む! 気づいてくれ! まだ俺は死にたくない!」


 真っ赤な炎が目の前に迫って来た。



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