第七話 訓練開始
「ふわあ~。んんーはあ。」
どうもみなさんおはようございます。クリストンです。今日は朝ごはんを食べて訓練に行きます。え?この喋り方は何かって?僕も知りません。神にでも操られてる気分です。じゃあ朝ごはん食べていくか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「「「ふっ!はっ!とお!ふっ!はっ!とお!」」」
「おいお前!振りが遅れてるぞ!そんなんじゃ戦場じゃ死んじまうぞ!死にたいのか!」
「はい!すみません!」
「「「ふっ!はっ!とお!ふっ!はっ!とお!」」」
うわあすっごい。動きが揃ってる。なんか不安になってきたな。
「すみませーん!今日から参加するクリストンです!よろしくお願いします!」
「んん?ああ、話は聞いてるぜ。グレンの野郎を倒したってな。あいつはここを卒業してから調子に乗ってたからな……あいつにもいい薬になったと思うぜ。元師匠として一応感謝しとくぜ。で、それはそれとしてお前は何を習いにきた?あいつを倒したのは魔法だって聞いたが。」
「はい、僕はソロなんですが昨日のクエストで近距離戦の練習をしなくちゃと思いまして……格闘術か、小さい武器……例えば短剣なんかの使い方を学びに来ました。」
「なるほどな。ソロだからってのはあるが遠距離攻撃をする奴が近距離対策をするのは大事なことだ。いいぜ。教えてやる。まずは身体強化……ってそうか。魔法士は出来ないんだっけか。身体強化。」
「いえ、できますけど。ほら、こんな感じで。」
「!?ま、まあいい。とりあえずそのままかかってこい。」
「はい!」
バッ!っと力強く地面を蹴って接近した。そのまま空いている横腹に蹴りを繰り出した。すると教官のおじさんが横腹をガードする。流石に初撃では決まらないか。その後足を戻すと同時に連続でパンチを繰り出す。だんだん相手のガードが緩んでくる。これで終わりだ!
「ま、参った!降参だ!」
おじさんの顔面ギリギリで手を止める。あ、あっぶねー。でかいの一発食らわせるとこだった……
「う、うん。合格だ!十分実戦で使えるだろう!少し言わせてもらうなら技から技のつなぎ目が少し甘いと感じたよ。頑張ってくれ。短剣術はどうする?やりたいか?」
「はい!お願いします!」
「えーっとお前は杖を持ってないのか?」
「杖……ですか?持ってませんけどどうかしましたか?」
「普通魔法士ってのは杖を持って魔法を使うらしいんだ。杖がないと魔力の操作ができないとかなんとか……まあ持たないってんなら両手が空いてるだろ?どうする?両手持ちか片手持ちか、どっちにする?」
「うーん、両手……ですかねぇ……手数での勝負が大事になってくると思うので。」
「そうか。じゃあこれ持ってみろ。」
「え?ってうわぁ!ちょ、いきなり投げないでくださいよ!」
「とりあえずかかってこい。」
「わかりました。いきますっ!」
掛け声と同時に駆ける。剣なんて使ったことないし分からないからとりあえず力任せに一発!っとこれは防がれるか。折角二本あるからそれを活かす戦い方をしよう。さっきのは両手で守ってたから二つの方向からいこう!両手で右と左の両方からだ!これなら止められないだろ!
グハァッ!
え?なんで食らった?今。……あ!そうか!腹ががら空きだったんだ!これはまずいな。一方向からだと止められ、二方向からだと攻撃を食らう。それに俺はあまり素が速くないから身体強化があっても素が速くて身体強化を使った敵だと速さで勝てない。これだと勝てないな。……賭けにはなるがやってみるか!
「おいおい戦闘中に考え事か!余裕だなあ!」
「待っててくれたんですか?ありがとうございます!っと!」
俺は先に攻撃を仕掛けた左手の短剣を 手放した。すると教官のおじさんがほんの少しだが驚いた。その隙を見逃さず逆側に回り込み、空いている腹に攻撃を叩きこむ。流石に二発目は入れられなかった。そして距離を取る。そして残る一本を握り、また駆けだした。すると、
「やめ!勝者、クリストン!」
あ、審判なんていたのか。なにはともあれ勝ててよかった……
「ふう、まさか負けるとは思わなかったぜ。でもやっぱりまだまだ粗削りだな。教えてやるからやってみろ!」
「はい!」
ブックマークと評価、感想お願いします!