第六話 初クエスト
えーっとどれどれ?『薬草拾い』『ゴブリン退治』『森の調査』『街の清掃』か。定番中の定番だな。とりあえずさっきの試合がいまいちでまだ気持ちが昂ったままだからゴブリン退治でも行きますか。
「すみません。これ受けたいんですけど。」
「はい。ゴブリン退治ですね。詳しくは依頼書の方をご覧になってください。では頑張ってくださいね。」
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クエスト名:ゴブリン退治
依頼者:サート村
報酬:銅貨5枚
詳細:私たちの村であるサート村の近辺にゴブリンの群れを確認しました。
群れの数は3体。他にも潜んでいる可能性あり。
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サート村か。俺の故郷のサースト村とは少し遠いな。でも2時間あれば行って帰ってこれる距離だし早めに行ってしまおう。これ以上の被害の拡大も避けたいしね。身体強化を使って早速行こう!
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魔力を目に集めてっと……よし!視認できた!数は依頼書通りの三体か。軽めに行きますか。
『グラビティ』
ズドン!
撃破確認!じゃあ協会で聞いたように討伐証明部位とやらを取って帰りますか。えーっとどこだったかな?
ガサゴソガサゴソ
ん?今何か音がしなかったか?気のせいだろ。
ドスドスガサガサ
いや!これ気のせいじゃねえ!残党か?でもゴブリンにしては足音が重いような……
ドシンドシンドスドス
おいおいこれって……オーガじゃねえか!なんか依頼書一覧のBランクのところにあったぞ!戦うしかない……よなあ。行きますか!
『グラビティ』!
ズドン!
やって……ないよなあ!見た感じ少ししか効いてなさそうだ。まずは足を奪おう。
『グラビティプレス』!
グラビティプレスは重力あいで相手を挟む技だ。これで片足を潰した。次!
『ゼログラビティ』!『ライトグラビティ』!
まずゼログラビティで相手を浮かせてライトグラビティで俺の重力を軽くし、身体強化で殴る!
ドゴッ!バゴッ!グシャア!
やっぱり殴るってのが難しい。でもこれで相手は瀕死だ。最後はこの技だな。
『グラビティホール』!
この技は簡単に言うとブラックホールを作り出す。これに吸い込まれると相手は粉々になる。これは俺以外が対象になるからパーティなんて組めたもんじゃない。ん?あれ?粉々になる?ってやべ!討伐証明部位なくなるって!……
ふぅ。トラブルがあったけどサッサと帰りましょうか。報告もしないとだしな。
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「終わりましたけど……」
「え!?もう終わったの!一日かけてこなすクエストなのに……ってホントだ。魔道具が嘘じゃないって言ってるよ。あ、そうだ!はい、これが報酬の銅貨五枚です。お疲れさまでした。」
「あと報告したいことがあるんですが。」
ゴニョゴニョ……
「……ええ!オーガがいたぁ!?え?でどうなったの!?他の冒険者に頼まなきゃ……」
「え?いや、倒しましたけど。」
「だからそれはゴブリンをだよね?オーガはCランク冒険者のパーティでようやく倒せる魔物だよ。そのくらいの冒険者に頼まなきゃだよ!」
「え?だから倒しましたよオーガ。」
「え?」
「え?」
「た、倒したの!?オーガを!」
「はい。素材もありますが出しましょうか?」
「い、いやそれならこっちでお願いするわ……」
「わかりました。」
「はあ、Cランク冒険者を瞬殺できるなら倒せなくはない、か?いやいや、パーティでってことはいろんな役割の人がいてってことだよ?ソロじゃあA、いやSランクくらいじゃないとできないよ……はあ、大丈夫かなぁ……」
「来ないんですか~?」
「あ、今行きます!」
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結果的にさっきもらった銅貨五枚に加えて銀貨三枚ももらった。オーガなんかの素材の買い取り金額だ。宿屋で一泊銅貨三枚で、銀貨一枚が大銅貨十枚、大銅貨一枚が銅貨十枚なので何もしなくても100日は泊まれる計算になる。ちなみに朝昼晩三食付きだ。だから出来た時間を使って冒険者協会の訓練に参加しようと思う。やっぱり今回近距離での戦い方ってのがあんまりだったから習いに行こうと思った。早速明日から行くから今日は早めに寝よう。流石に疲れた。
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