第四話 学校、卒業。
今日は卒業の日だ。これから学校に向かって卒業式に出るわけだが……卒業したら卒業した子供は例外はあるが仕事をすることになる。親の家業を継ぐ人もいれば憧れの職業に就く人など様々だ。そして俺は『冒険者』になろうと思う。復讐の為にも自由に動き回れる仕事がいいし、せっかく魔法の才能があるんだ。活用しない手はない。ちなみにずっとわかってなかった魔法の才能だが、卒業後に証書を持って教会に行くと教えてもらえるらしい。特別な機械で測るとかなんとか。とりあえずは卒業式に出ないと始まらないから行こう。
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「これより、サースト村初等学校の卒業証書授与式を始める!卒業生は前へ!」
……
「次!クリストンくん!」
「はい。」
「卒業おめでとう。」
「ありがとうございます。」
……
っと、無事に終わることができた。え?短い?知りませんよそんなこと。まあ多分子供には長時間の待機は苦痛だからじゃないのかな?(すっとぼけ)
これから行くのは教会だな。お父さんとお母さんには言ってあるからパッパと行ってこよう。
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「あのーすいません。今日卒業したクリストンという者なんですが魔法の才能の測定ってここであってますよね?」
「クリストンくんですね。少し待っててください。……えーはい、魔法の才能があることが確認できましたので奥の部屋へどうぞ。」
……
「この水晶に手をかざしてください。そうしたら文字が浮かんできますので。」
パっと手をかざしてみると浮かんできた文字には『重力魔法』と映っていた。重力といえばあれだろ?宇宙空間にはないやつ。あとは今俺らが立ってられるのも重力のおかげだろ?その重力を操るのってなかなか強いんじゃないか?
「重力魔法?重力というのが何かはわかりませんがこれはユニーク魔法です!ユニーク魔法というのは世界で一人しかもっていない魔法のことを指します。おめでとうございます!」
「あ、ありがとうございます。ではこれで帰ってもいいですか?」
「あ、その前にこれをどうぞ。これは魔法が使えることを示すカードです。なんの属性かも書いてあります。仕事を探すときなどに使ってください。それではお帰りいただいて結構です。お疲れさまでした。」
「ありがとうございました。」
重力を知らないと言っていたな。そこのところは気になるが検証の前に一つやるべきことがあるからな。早く帰ろう。
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「お父さん、お母さん、ちょっと話したい事があるんだけど。」
「……わかったわ。少し待ってて。」
…………
「よし、じゃあ話を聞こうかクリス。」
「まず、魔法に関してなんだけど、俺は重力魔法っていうユニーク魔法の使い手だった。」
「重力?重力ってなんだ?」
「その魔法ってわかったときに知識が流れ込んできたんだけど、この世界で物体が地面に近寄っていく現象やそれを引き起こすとされる力のことを重力っていうらしい。(ウィキ〇ディア参照)簡単にいうと今俺たちが地面に立っているのは重力のおかげってことらしい。で、僕の魔法はそれを操ることができるらしい。」
「な、なるほど。それで?まずってことはまだあるんだろ?」
「うん。俺は明日から冒険者になろうと思ってる。」
あれ?何か言われると思ったんだけどな。俯いてどうしたんだろ?
「そうか……やはり血は争えないのか……わかった。行ってこい。ただし!必ず無事に帰ってこい!定期的に連絡もするんだぞ!」
「わかったよ。ありがとう!」
「ちょっと待ってよ!なんで?危ないじゃん!!私心配だよ!クリスもだよ!どうしても行かなきゃなの!?」
アンナだ。たまたま部屋から出てきて聞こえてしまったらしい。
「うん。どうしてもなんだ。僕は冒険者になって魔物と戦って……たくさん強くなってみんなを守れるようになりたいんだ。もう誰も失わないために……」
もちろんこれも理由の一つだが、最大の理由は復讐の為だ。そのためには冒険者が一番いい。どうにかしてこれを伝えずに承諾させられないものか……
「……でも!村を守る兵士さんとか他にもたくさんあるじゃん!」
「やめなさい。アンナ。」
「ちょっとパパ!パパはいいの!?クリスが冒険者になっちゃっても!」
「ああ。学校を卒業した一人の男が決めたんだ。否定する理由がない。」
「そんな……心配じゃないの!?」
「心配に決まっているだろう!!これでも5年間一緒に過ごしてきたんだ!大事に決まってる!だからさっき条件を付けたんだ!あとは黙って待つしかないんだ……」
「パパ……わかった。私もいいと思う。あだし!私からも条件があるわ!今私も決めた!私は中等部に行く!だから中等部を卒業したら一度でいいから戻ってきて?」
「分かったよ中等部は4年間だったっけ?その時には絶対戻ってくるよ。」
「約束だよ?」
「もちろんさ。」
これで家族からの承認は得た。絶対に俺の本当の両親を殺したやつを突き止めて地獄を見せてやる……!
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