ルーザン その一
「陛下、勇者召喚の儀の準備はできました」
「わかった、やれ」
私はルーザン、一国の王である。しかしこの国はもはや滅亡寸前に違いない。何故と言うなら、それは魔族による攻撃で、この国も町一つだけ残っている。
どうしてそのまま私たちを滅ばれなかった事はどう考えてもわからない。今魔族の優勢を揺るぎ事がないはずだ。とりあえず、この機会を利用すれば……
王室の伝統によって神殿へ行ってシスターになった私の妹は、とある古き本からこの勇者召喚の儀を見つけた、そして私たちはその本に従って勇者召喚を成功した。
しかしこの周辺はもはや地獄になってしまった。今まで召喚した勇者、誰もこの町から出たばっかりで魔族の兵に殺されてしまった。悲惨な事だけど、私たちにはこれしか手がないんだ。
「陛下!勇者の召喚は成功しました!」
「勇者……?この俺か?」
その召喚して来た男はちっともやる気が無さそうで、まるで勇者は彼にとっては面倒くさいな事のような顔をしている。本当にすまぬ、こんな人類壊滅寸前の世界に召喚した本当にすまぬ。
「え?儀式が終わったのはずだ!どうして召喚陣はまた稼働している!」
変な事態になったけど、召喚した者は悪魔でない限り、こちらには戦力が多ければ多いほどがいい。
「うおおおおおおおお!」
おお!なんと言う逞しい雄叫び!分かったぞ!きっとこの方こそ真の勇者に間違いない!だから私から彼に声を掛けた。
「お待ちしておりました、どうか私たちの世界を助けてください!勇者様」
「そうか、この俺様が勇者に選ばれたのか、良かろう、この千戦不敗の俺様が助けやろ」
私の願いは彼に届けたかもしれない、彼はすぐ引き受けてくれた。よかった!ありがとうございます!
「あなたに勇者の力を……」
これで儀式が完成した。私が承認したこの瞬間、彼は勇者になった。
「退け!やる気がない奴はすぐ俺様の前から消えろ!」
ちょっと乱暴な人だそうだけど、今は彼を信じるしか……
「そんな程度で勇者か?笑わせるぜ」
え?あのやる気がない奴はなんと!そうやって言われたら誰も怒るだろ、勇者様も例外しない。
「よろしい、文句が有ればかかってきなさい」
勇者の力を持つ人に挑発するなんて無謀な事……しかし予想と違って、私が承認したばっかりの勇者様は、ただ一撃で敗北した。え?え?
これはまずい、早く何かしないと……
「ああ!まさか偽物に勇者を承認したとは、私なんと失態です!しかし神様は私たちを見捨ていません!既に真の勇者を私たちにくれたのです!」
恥を知れって言われても構わない、私はただこの国とこの世界を救いたいだけ。
「断る」
ありが……え?
「勇者様、どうかこの世界を救ってください……」
我が妹は勇者様に現状を説明した後、勇者様は困っている顔になった。
「良いのか?俺はその勇者になっても?」
勇者様は伴侶の女性に声をかけた。まあ、大事な事だから、これも当然な事だ。
「同じ魔王とは言え、この世界の魔王は私とは無関係だから、構わないよ」
え?
「わかった、話ができる相手なら交渉でもやってみようか」
「我が君は優しいですね」
この二人はなにを言ってる?魔王と交渉するって、私が聞き間違わないよね!
詳しく聞きたいのだが、勇者様と奥様は既に去った、疑問符ばっかりの私だけがその場に立っていた。