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騎士たちの王国
菌糸纏う城を抜け、試練を超えし者たちがついにはたどり着く
そして己の身に刻み込む
その意味を
金属の鎧に身を包む騎士たち
たたずむ騎士が警護する王城
その玉座に、王国の主はいる
その身を焼きながら、愚かさと覚者の境界で封印者は新たな風を呼ぶ
その風は火を大火にし、自らの無知を自覚させる
そうして得られた瞳にはすべての境界を見通す力を与える
愚かな彼も、最初の覚者も、知らず分からず感じず、されど封印者は目覚めた
自らの無知を知る故に覚者、故にその風は新たな見聞を呼び、火は大火となる
それらをまといしものに、もはや金属は意味をなさなかった
騎士たちは蒸発し、城の明かりは消えた
王国に最初の夜が訪れた
玉座にたたずむ王、覇王、グリード