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統治者ウィンド
徘徊するものからは病がまき散らされ、地面には火葬場からの灰が積もっている
積み上げられたのは歴史か、この国の敗北か
それを判別するものすらもういない
されど封印者は行く
暗雲立ち込め、灰が満たす旅路を
菌糸纏う城へと入りて、光を失う
されど、大火は没せず
壁に打ち付けられたる固まりは火花を散らす
そして、城の後、騎士たちの王国へと至る
菌糸満たす城に火が満ちるとき、それは現れる
退路ふさぎ、命とめる刃
その旅路を祝い、呪い、そして試練として立ちふさがるモノ
病に倒れた国家、統治者ウィンド
独特の返しのついた剣は空気をさき、はなりを発生させる
鎧、盾に至るまで武具の全てにつく独特の衣装は、風を呼び込む呪術的な意味合いを持つ
そして、その術故に国は滅んだ
病が持ち込まれ
死人は火葬場にて葬られ、その風は病と火を呼び、ついに国家は倒れた
金属同士の衝突を封印者は利用した
火花散る剣戟に松脂をしみこませたローブを羽織り、自らが火を背負った
病に倒れ、死の息吹を放つものに、火は呼び込まれ、燃え盛る
風の術故に、火は大火となり、その身を包む
ここに試練は超えられた
風の鎧を取る