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荒波にもがけ、少年  作者: 刻露清秀
黒キ翼の冒険譚〜出会いと別れと一夏の恋〜
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怨霊討伐大作戦②

  怨霊を倒すには、その根城を叩くのが一番である。よって墓地にて怨霊を叩くために、怨霊討伐隊が二つの墓地のうちの一つ、西原墓地へと向かった。


怨霊討伐隊は、市庁舎にいる青の民連盟軍の兵士と、有志の鹿毛馬市の住人、生き霊からなる即席の部隊である。兵士が十人、住人が四人、生き霊の翼とシイ神さまを合わせて計十五人と一柱からなる。中途半端な人数になったのは、霊能者の数との兼ね合いである。


討伐隊に参加している四人の住人は、全員霊能者である。それに対して兵士の霊能者はたった二人。そしてその一人はセンジョである。首領が砦を離れるのは得策ではないが、


「俺は玉髄を信頼している」


というセンジョの鶴の一声で、浜ノ玉髄という男に、市庁舎は託された。


浜ノ玉髄は、その大仰な名前からわかる通り菱の島の名家の出である。センジョと同じように帝国に学び、同じように帝国に失望した。センジョより三つ年上で、青の民連盟軍の立ち上げ当初から関わっている、参謀のような立ち位置の男である。


霊能者の数は少ないが、戦える霊能者はもっと少ない。普段は非戦闘員である住人を守るために、一人当たり二人の兵士がつくことになった。ちなみに翼とシイ神さまに関しては


「自分の身は自分で守ってくれ」


とのことである。妥当な判断であろう。ただでさえ怪しい部外者を優遇しては波風が立ちかねない。


市庁舎という砦を持った連盟軍は、独立革命軍など敵ではなかった。だが食料と医療品は凄まじい速さで減り続け、補給なしで粘るのは厳しい状況である。帝国軍に対して信号を送ったが、応答はなかった。

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