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プロローグ00
とある宇宙、漆黒の闇の似合う暗闇の星と呼ばれる星があった。自然も豊かで多種多様な知的生物が生まれては、時間が経つにつれ進化や混血、絶滅などを繰り返していた。
この星がこれほど自然豊かであるには理由があった。
だが、その理由を真に知る者は時間の経過と共にいなくなり、この暗闇の星の“星の意思”に巣喰われたこの星に生まれた最強の者だけが奴の存在を知っている。
時代時代で強者は代わる。現代は黒の魔力を有し、大きな翼の生えた龍の体はとても大きく、とてつもなく硬く黒い鱗を全身に纏い、巨大な岩をも蹴散らす長いしっぽ。どんな肉も骨さえも咬み砕く鋭い牙を持つ血の気の多い“魔族”と呼ばれる種族が“星の意思”に今を生きる知的生物の中で最も強いと認められている。
そして、その魔族の中で最も強い者を決める。それは他の種族にも恐れられる“魔王”という称号を得て、この暗闇の星を統べる者となる。
これは『暗闇の星の女王』の統べる次代へと繋がる前の物語でもあり、“魔王”である俺、正義・サンライト・イブリースの物語である。