第9話
〈side 燐〉
チッ、結局言ったのに直らない。
やる気あんのか?
「おい!昨日言っただろ!やる気無いなら辞めろ!」
「やる気はあんだよ。これが俺らのやり方だ。」
訳分かんねえ、なんだよこれ
「お前ら春に負けたんだろ?」
「だったらなんだ。」
「このせいじゃないのか?」
「違う!今は勝てるから心配ない!」
なんだよそれ
「どっからその自信はくんだよ。」
「黙れ!今さら戻ってきて文句言うな!」
「は?文句って、このままじゃダメだと思ってるから言ってんだろ!」
「お前なんかに言われたくないんだよ!いいよな、お前は勝手出て行って、勝手に戻ってきて、それでも試合に出たら活躍できるんだからな。天才だもんな。なんでもできるもんな。女にだって困らないんだろ?お前には俺たちの気持ちは分からないんだよ。俺に口出しすんな!」
悠人は怒鳴りつけた。
ふざけんなよ。なんだよそれ。
そんな風におもってたのかよ…
もういいや。
一馬くんがいないなら、
俺にはここにいる理由はもう無いしな。
「ああ、分かったよ。悪かったな。もう来ないから安心しろ。」
燐はそう言って俯いたまま出て行く。
帰ってくるんじゃなかったよ…
「おい、悠人。お前おかしいだろ!」
隼人が言う。
「嫌なら、お前も出て行けよ。」
「ああ、そうするよ、お前には失望した。勝手にしろ。」
隼人が出て行く。
その後何もなかったかのように練習が再開した。
あー、これからどうすっかな。
燐は空を仰ぎながら歩いてる。
「待てよ。」
燐は振り返り、
隼人か。
「なんだよ、今更戻れったって無理だからな。」
「俺も辞めてきた。」
「は?なんで?お前は戻れよ。」
なにしてんだよ。
隼人はここしかないだろ。
「いいんだ、最近の悠人について行けない。」
隼人の表情は悲しそうだ。
「そうか、これからどうすんだよ。」
「お前こそ。」
「うーん、分かんねえな。」
「やっぱアホだな。」
「うっせ、」
燐は顔を逸らし、少し笑った。
「隼人、甘いもん好きか?」
隼人は少し驚いて、
「まあ、好きかな。」
「じゃあケーキ食いに行こうぜ。いい店あんだよ。」
「ったく、奢ってくれんだろうな?」
「今日だけだかんな。」
「おう!」
隼人は嬉しそうに笑う。
2人が着いたのは例のケーキ屋
カランカラン
「いらっしゃーい、おっ、珍しいね。」
さつきが出迎える。
「うっす、さつき。」
燐が手を挙げて挨拶する。
隼人がさつきを指差して、
「おい、お前この人。」
「あー、さつき?てか隼人も見たことあんだろ?」
「あるけど、いいのか?フッた相手だろ?」
隼人は驚いている。
「いーの、いーの、今は思い出だから。」
燐は笑って言う。
「そうそう、気にしなくていいからね。」
「そうですか。」
「で、今日は何しに来たのかな?」
「ケーキ食いに来た。」
「そう、部活は?」
「いろいろあって、今日は無し。」
さつきは何かを察したように、
「沙織には黙っとくわ。」
「ああ、サンキュー。」
「あの子心配性だからね〜。」
燐は俯く。
「ま、今日はゆっくりしてって。」
「うん。」
2人はケーキを食べ終え、
「プハー、美味かった。」
「だろ?ケーキだけは美味いんだよ。」
「コラッ、ケーキだけはってなんだ。」
さつきは頬を膨らませて言う。
「ははは、すみません。」
そう言って、燐は水を口に含んだ。
「2人はもう付き合わないんですか?」
「ブハッ!」
燐は吹き出した。
「急に何言ってんだよ。」
「いや、だって…、」
「それは無いかな?」
「どうしてですか?」
「いろいろあんのよ。」
燐はうんうんと頷く。
「そうっすか。」
「それよりも、隼人これからどうすんだよ。」
「そうだな。とりあえず暇だな。」
「ったく、何でお前まで。」
「しょうがないだろ。と言うか俺はお前が今まで何してたのかが気になる。」
「私もーー!」
さつきがニヤニヤしながら言う。
「は?さつきは知ってんだろ。それにこれはあんま言いたくないんだよ。」
「いいじゃん、いいじゃん、1人くらい。」
「おい、教えろ。」
隼人が迫る。
「絶対に誰にも言わないか?」
「ああ、」
「本当だな?」
「当たり前だ!」
「なら教えてやる。」
燐は話した。
隼人は言葉が出ない。
「そ、それは、え?、は?」
「ちゃんと喋れよ。」
さつきはふふっと笑っている。
「お前ってそんな凄かったんだな。」
「まあな。」
燐は少し照れている。
さつきの母が戻ってきて、さつきが2人の席に座る。
そこからは3人で話した。
「そういえば、ずっと気になっていたんだが、葵とは何があったんだ?」
「え?」
「隼人くん。どうして?」
いきなりなんだ?
「何となく気になっただけで。」
「そうなんだ、隼人くんは知ってるんだね。」
さつきはニコリと笑う。
「何をですか?」
「葵ちゃんのこと。」
「はい、一応は、」
燐の表情は浮かない。
「燐、本当にフラれたのか?」
「ああ、」
俯き、表情は暗くなる。
「どんな感じだったんだ?」
そんなこと訊くなよ、思い出すだろ。
つかみどころのない悲しさが胸をくすぶる。
「ごめん…、この話やめない?」
「ああ、悪い。」
「別にいい。もう終わったことだから。」
「そうか…」
さつきの顔が悲しげに曇る。
「これからどうすんの?おふたりさん。」
「うーん、そうだな〜、え!?」
さつきがニヤっとすると、舌をペロッと出した。
「どうせ、意見合わなくて出てきたとかでしょ。」
鋭すぎんだろ。
「そんなとこだな。なんとかなるだろ。」
「そうなの?」
「ああ、自分で気付くと思う。てか気付かないとダメだろ。」
隼人がうんうんと頷く。
「ならいいや、」
「今日はありがとうさつき、」
「ほい、いつでも来なよ。」
「ああ、サンキュー。」
燐と隼人は帰宅する。
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