番外編*さつきと沙織の日常*
〈side さつき〉
ケーキ屋に沙織がいる。
沙織はテーブルに伏してジタバタしている。
また、始まったよ。
「むぅ……、んーー!!会いたい!会いたい!一馬くんに会いたいーー!」
一馬は高校卒業と同時に海外へ行ってしまった。
沙織はついて行くと言ったのだが、一馬に大学は卒業しろと言われて、日本に残ったのだ。
「はぁ、沙織、しょうがないだろ。」
「でも…、私もう耐えれない、死んじゃう。」
顎をテーブルに付けて言う。
「夏休みにでも、行けばいいだろ。」
「むぅ…、待てない。」
この子はほんっと困る。
私にどうしろって言うんだよ。
さつきはカップを拭いている。
「沙織、これは愛の試練だ!」
「こんな試練いらないよ〜。」
もうダメだな。
あっ、そうだ。
「もう、結婚すれば?出来るんだし。」
沙織はハッとして、
「それいい!そうする!お母さんに言ってみるよ。」
よし、何とか調子戻った。
沙織は頬杖をついて顔を揺らしている。
その表情は幸せそうだ。
「そうだ、この前燐にあったんでしょ?」
「うん、まあね。」
「どうだった?」
「どうって?」
「様子よ、元気なかった〜とか、」
さつきは少し考えて、
「うーん、特には、普通だったかな。」
「ふぅーん、そっか。」
「あっ、でも、葵ちゃんの話したかな?」
沙織はその言葉に反応して、
「どんな!?」
「ちょ、どうしんだよ。」
「いや、ううん、続けて。」
「葵ちゃんが彼氏いるって言われてー、燐くんはどうなの?的な。」
「燐はなんて?」
「なんか、俺はフラれてるからなんちゃらかんちゃら。」
「そう。」
沙織は俯く。
「やっぱり心配?」
「まあね。」
「まあ、私もだけどね。それにしてもあの噂本当だったんだね。意外だったな。」
「そうね。燐が聞いたんなら、本当なんだろうね。」
「そだね。」
2人は感慨深い表情をする。
「沙織、責任感じてる?」
「うん、少し…、こんなに早く帰ってくると思ってなかったし。」
「そうだよね。葵ちゃんはどう思ってるんだろうね。」
「あれから話してないもんね。」
「ずっと無理してると思ってたんだけどな。」
たまに見かけたときいつも元気無かったもんね。
「そうよね。」
「今は見守ることしか出来ないね。」
「うん。」




