第5話
〈side 燐〉
今日は土曜日、部活は休みらしい。
俺は奈津と出かけることに、
「今日はどこ行くんだ?」
「どーこでしょ。」
奈津は背後に手を組んで大股で歩いている。
目的地が大体分かった気がする。
「奈津もしかして…」
「ピンポーン、あったりー!」
そう見覚えのあるケーキ屋。
「こんなとこで何すんだよ?」
「あれ?りんにぃ知らない?奈津ここで色々教えてもらってるんだよ?」
あー、なるほどだから似てきたんだね。
カランカラン
「おっすー!さっちゃん。」
目に入ってきたのは前よりも少し髪の伸びた金髪の美女。
「あ、なっちゃん。それに燐くんも。」
表情は穏やかだ。
「久しぶり、さつき。」
さつきとは向こうでも連絡を取り合ったりしていた。
今では親友ってやつかな?
まあ、直接会うのは久しぶりだから少し緊張する。
「むぅ……」
さつきはムッとする。
「え?どうしたんだよ。」
「なんか久しぶりに会ったのに、反応薄いなあーって思っただけ。」
ったくこの人は相変わらずだな。
「まあ、少し緊張してるからかな?」
「何それ、変なの。」
「あーー!さっちゃん早く今日の教えろ!」
奈津が言う。
やっぱ、似てきてるよな?
「あーごめんごめん、じゃあ手洗ってきてねー。」
「はーい。」
奈津は去って行く。
「ありがとな、さつき。」
「え?」
「いやいつも奈津に教えてるんだろ?」
「あー、まあ私も勉強だからね。」
さつきはパティシエになるために色々勉強している。
やっぱり親に似るのか?
「それより、この髪どうかな?」
さつきは首を傾げて言う。
「うん、か、可愛いと思う。」
燐の顔は赤くなる。
「うっわぁー、照れてんの?」
さつきは指でツンツンする。
「照れてねえ!」
「相変わらず、そういうとこ可愛いんだね。」
「ふん、さつきもな。」
「え、ああ、フッたくせに。」
さつきは少し照れて言った。
「それは言うな!」
「へへー、まあ今は親友だもんね。」
「おう。」
「だから、たまには買い物とか付き合え!」
くそ、これが狙いか。
「しゃーなしだからな。」
「さっすがー。」
「ちょっと、おふたりさん。」
奈津がジト目で見ている。
「ごめんごめん、じゃあ始めようね。」
「お願いしまっす。」
2人は調理場へ行った。
なんか姉妹みたいだよな。
燐はテーブルに頬杖をついて眺めていた。
このことはさつきの母も公認らしく、さつきが教えている間はさつきの母が店番をしていた。
やっぱ似てるよなー。
───────
─────
───
「起きてー!りんにぃ、起きて!」
いつの間にか寝ていたらしい。
「ん?奈津どうした?」
「もうっ、どうしたじゃない!ケーキ作ったから食べて。」
少し膨れて言った。
「おう、いいぞ。どれどれ」
ケーキはミルフィーユ。
パクッ、
「うん、美味い!」
「ほんとぉ!?」
「ああ、美味い、やるなあ、奈津。」
「YES!」
そう言って奈津はさつきと顔を合わせた。
さつきはニコリと笑った。
そらからは3人で楽しく話した。
「えー!じゃああの噂本当だったんだ。」
「桐山は付き合ってるらしい。相手はまだ知らないけどな。」
さつきは少し悲しそうな表情を見せた。
「さつき?どうかした?」
「え、ううん、燐くんはいいの?」
「なにが?」
「いや、葵ちゃんと付き合わなくて。」
「付き合うも何も俺フラれてるんだぜ、無理だろ?」
さつきは思い出したように、
「そうだったね。」
(やっぱり、すれ違ったままなんだ。)
「ま、今は部活頑張るよ。」
「そうだね…」
奈津はジュースをストローで飲んでいる。
「じゃあ、今日は帰るよ。」
「うん、また来てね。なっちゃんも。」
「あたぼうよ!」
どこでそんな言葉覚えたんだ。




