第4話
〈side 燐〉
クラスには知ってる人はあまりいなかった。
桐山がいたのには驚いたけど。
なんか倒れて保健室に運ばれてた。
大丈夫か?
まぁ授業は普通だった。
キーンコーンカーンコーン
あーやっと、昼飯。
今日の弁当奈津が作ったんだったな。
楽しみだ。
燐が弁当を開けようとした瞬間、
ガラガラッ
「立花さま〜〜〜〜!」
声と共に身体に柔らかい感触が
この感じ、思い出したぞ!
花宮さんか!
「花宮さん、ちょ、放して〜。」
「立花さま、覚えていてくれたんですか?わたくし感無量です!では、さっそく。」
そう言って、花宮さんは燐を引っ張っていく。
え?どこ行くの?
上へ上へと連れていかれ、
ガチャリ、
ここは、懐かしの屋上。
でもどうして、花宮さんが?
「花宮さん。」
「はい?」
「どうして屋上入れんの?」
「わたくしが生徒会長だからですわ。」
うそだろ!?
「それほんと?」
「はい。本当ですわ。ささ、ご一緒にお昼を。」
なんか姉ちゃんみたいなことしてる。
「お、おう。」
2人は並んで座り、昼ご飯を食べる。
「わたくし、本当に寂しかったですわ。急にいなくなってしまうなんて。」
「ああ、ごめん。」
「でも、戻ってきてくれたから。大丈夫ですわ!」
満面の笑みを浮かべる。
「あ、ありがとう。」
「では、はい、あ〜ん。」
まじでか。
「恥ずかしいんだけど。」
「誰もいませんわ。」
「いやそういう訳じゃなくて。」
どんどん近づいてくる。
あー、もう食べるから!
パクッ、
美味いな。
奈津の弁当だけど。
立花さんは嬉しそうにクネクネしている。
そこから色々辱めを受けた後に解放された。
はあ、はあ、久しぶりの花宮さんは堪えるな。
キーンコーンカーンコーン
放課後
とりあえず部活に行くか。
その前にちょっとトイレ!
ジャー、
ふぅー、スッキリした。
結構時間食ったな。
まあまだやってるだろ。
燐は体育館へ向かう。
ガラッ、
「すみませーん。入部希望ですけど〜、キャプテンって居ます?」
みんなの視線が集まる。
場違いかな?
「お前は……」
悠人が指を差して言う。
「あはは、どうも〜、お久しぶりです。」
頭を掻きながら言った。
『はぁーーー!!!』
何人かの声が鳴り響いた。
悠人が燐に迫り、
「転校生ってお前か!今まで何してたんだよ!」
「いや〜、それは言えないけど。」
「まあいいけど、お前急にいなくなりやがってー!」
「ごめんごめん、」
「ごめんじゃねぇ!」
「悪かったて、な?」
燐は手を合わせて言う。
「去年お前がいなかったから、桜木先輩1人だったんだぞ。それでインハイ準優勝だったんだからな!」
は?
「なにそれ。それ俺に関係無くね。」
冷たく低い声で言う。
ゾクッ
「ああ、そうだな、悪い。」
悠人は気圧された。
「燐、久しぶりだなー!」
「おーー、隼人!お前カッコよくなったな。」
「お前は親戚のおじさんか!」
燐は隼人を両手で指差し、
「ナイスツッコミ。」
「そんで、また入るのか?」
「ああ、そのつもりだけど。やっぱり歓迎されてない?」
「いや、別にそんなんじゃないが、お前なまってないの?」
燐は腕をまくり、
「それなら問題無し!むしろレベル上がってる。」
「ほんとか?今まで何してたんだよ。」
「まあ、それは企業秘密ってことで。で、キャプテンは誰?」
「ああ、こいつ。」
そう言って隼人は悠人を指差す。
「え?まじで!?」
「ああまじ。」
「へぇー、出世したねぇー。」
「うるせぇー、上手くなったんだからな。」
「ふぅーん。ま、いいや、今日は取り敢えず帰るわ、また明日来る。」
「お、おう。」
燐は去ろうとする、
「おーーい!待て!」
ん?なんだ?
振り返り、
「なにー?」
「貴様、僕に挨拶は?」
「なんだよ、旭か別にいいだろ?」
「よくない、僕は副キャプテンだ!」
「ふぅーん、で?」
旭は怯み、
「そ、それだけだ、」
「なんだよ。じゃあな。」
燐は体育館を出ようと振り返る。
前にはマネージャー軍団が。
「あの、すみません通してもらえます?」
「ね?私には何もないの?」
えっと、確かこいつは、
「あー、お前は傑の追っかけ。」
早苗はムッとして、
「今は彼氏ですー!」
「良かったね。」
燐は軽くいなす。
視線を移動させると葵を見つける。
「おー、桐山お前倒れてたけど大丈夫か?」
「うん、心配ないよ。」
葵は少し驚いた様子。
「そうか、じゃあまたな。」
「うん、また。」
んー?なんか素っ気ない?
まあ彼氏いるもんなー
そんなもんかフッた相手だもんな。
体育館を出ようとしたときに、
「せんぱい!」
俺の事?
「えーと、俺?」
「はい!」
コクコクと頷いている。
あ、この子は朝の。
「君は朝の…えーと、」
「葉月つばさです!よろしくお願いします!」
元気な子だな。
「俺は立花燐、よろしく。」
「はい!」
つばさの目は輝いている。
「じゃあ明日からよろしく〜。」
燐はそう言って体育館を後にする。
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「ただいまー。」
奈津が玄関に飛び出してきた。
「お弁当!どうだった?」
奈津はもじもじしている。
「うん、美味かった、ありがとう。」
燐がそう言って頭を撫でると、
奈津の顔はパァと明るくなり、
そのままスキップして帰っていた。
可愛い奴め
リビングに戻ると沙織と母がいる。
「燐、学校どうだった?」
沙織が心配そうに伺う。
「うーん、普通。とくに何もねえな。」
沙織はホッとし、
「そう、良かったわ。」
「姉ちゃんどうしたの?」
「ううん、燐が何もないならそれでいい。」
「なんだよ、変なの。」
母がソファに座りながら、
「燐なんか、変わったとことかあった?」
燐もソファに座り、
少し考えて、
「うーん、変わったとこねー。みんな大人っぽくなってた気がするかな?それ以外は全然変わらん。」
「そう、燐も大人っぽくなってるわよ。」
「え、そうかな〜。」
「うん。」
「あ、そうそう、桐山の事なんだけどさ〜。」
母と沙織が反応する。
「葵ちゃん?」
「うん。そうだけど、何?」
「ううん、続けて。」
「彼氏出来たんだって〜、いや〜ちょっと寂しいけど、良かったよな。」
「そうなの?」
「うん、なんか学校で噂なってた。」
「そうなんだ。」
(じゃあ、忘れたんだね。)
「燐、どうして良かったの?」
母が不思議そうに言う。
「いや、だって、んー、あれ?何でだろ、分かんね。」
「そう、まあでも良かったのよね。」
「うん…、まあそうだな。」
燐は少し陰のある顔をみせる。
「ま、明日からまた頑張るよ。」
そう言って部屋に戻った。




